「設備設計って、正直、何をする仕事なのか全然わかりませんでした。」
そう声をそろえるのは、婦木建築設計事務所に今年入社した2人。
1年目の石橋さん↓
…と、石谷さん↓
2人とも建築系の専門学校で学んでいたものの、設備については授業でさらっと触れた程度。設備設計用の図面の読み方もほとんど知らない状態で入社したといいます。
しかし、実際に入社してみると、設備設計の仕事は想像していた以上に奥深く、そして社会に欠かせない仕事でした。
1年目の石橋さん↓
…と、石谷さん↓
2人とも建築系の専門学校で学んでいたものの、設備については授業でさらっと触れた程度。設備設計用の図面の読み方もほとんど知らない状態で入社したといいます。
しかし、実際に入社してみると、設備設計の仕事は想像していた以上に奥深く、そして社会に欠かせない仕事でした。
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「快適」は、誰かが設計している
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私たちは毎日、学校やオフィス、病院、商業施設など、さまざまな建物を利用しています。
私たちは毎日、学校やオフィス、病院、商業施設など、さまざまな建物を利用しています。
夏でも涼しい。
明るくて過ごしやすい。
空気がきれいで快適。
そんな当たり前のような空間づくりには「設備設計」という仕事が大きくかかわっています。
建築設計には「意匠設計」「構造設計」と、この「設備設計」がありますがそれぞれの違いは、過去の記事「設備設計って何してるの? 建築学生が知らない“その先の仕事”」を参照してください。
設備設計は建物に命を吹き込む重要な役割。
「この部屋は何人が使うのか」
「どんな作業をするのか」
「一日を通してどんな環境であれば過ごしやすいのか」
…など、利用する人の目線に立ちながら、利用する人が健康に、安心して過ごせる「快適な環境を考える」こと。それが建築設備設計の大きな役割なのです。
「一日を通してどんな環境であれば過ごしやすいのか」
…など、利用する人の目線に立ちながら、利用する人が健康に、安心して過ごせる「快適な環境を考える」こと。それが建築設備設計の大きな役割なのです。
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人にも、地球にもやさしい環境づくりをする仕事
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設備設計はさらに細分化されており「電気設備設計」と「機械設備設計」があります。
例えば、建物の中の照明やコンセント、放送設備、受変電設備など、電気に関わるものを設計するのが『電気設備』。
エアコンや換気設備、給排水設備、トイレや水回りなど、人が快適に過ごすための環境をつくるのが『機械設備』になります。
エアコンや換気設備、給排水設備、トイレや水回りなど、人が快適に過ごすための環境をつくるのが『機械設備』になります。
もしかしたら「設計」と聞くと、パソコンに向かって図面を描いている姿を想像する人も多いかもしれません。
しかし、設備設計の仕事はそれだけではありません。
照明や空調の種類を調べ、性能を比較し、どの設備がその建物に最適なのかを考える。
そしてお客様へ提案し、ときには「こちらの方がより良い方法です」と説明することも大切な仕事です。
そしてお客様へ提案し、ときには「こちらの方がより良い方法です」と説明することも大切な仕事です。
実際に電気設備設計に配属されている石橋さんも、
「照明器具だけでも、自分が知らないほどたくさんの種類がある。いろいろ見ていくうちに楽しくなってきました。」
と話します。
さらに近年では「快適だからいい」だけではなく、「環境にもやさしいか」も重要。どれだけ快適な空間でも、たくさんのエネルギーを使っていては、地球環境への負荷が大きくなってしまいます。
そのため設備設計では、利用する人の快適さと、省エネルギーやCO2削減をどう両立するかを常に考えています。
人にも地球にもやさしい建物を提案することが、これからの設備設計には求められているのです。
人にも地球にもやさしい建物を提案することが、これからの設備設計には求められているのです。
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シミュレーション|もし設備設計が違ったら、“快適”はどう変わる?
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では、設備設計が適切でなかった場合、どういう影響が起こりえるでしょう?様々なシチュエーションを想定して、シミュレーションしてみました。
\\Case1:オフィスの照明を設計せよ!//
オフィスは同じ場所で長時間集中することの多い場所。一般的なオフィスのデスク上の明るさは、法令上の最低基準は300ルクス以上、JISの推奨で500〜750ルクス(普通の事務作業)、精密作業では750〜1500ルクス程度を目安としています。
例えば、同じオフィスでも、細かい作業をする部屋と会議室では必要な明るさが異なります。また広さや天井の高さ、窓の位置などによっても差異が生じるため、細部まで考慮した設計・提案が必要です。
もし適切な設計や器具の選択がされていなければ、「なんとなく疲れる」「集中できない」「目が疲れる」といった問題が起こることもあります。それを考慮した、照明の配置や器具選びが重要になります。
\\Case2:ステージをもっと魅力的にせよ!//
照明は「見えるようにする」「明るく照らす」だけではありません。色や角度、明るさの違いで、空間の印象や感動まで変わります。
またホールの広さやデザインがそれぞれ違うため、座席によってステージの見え方も異なってきます。そのためステージ上はもちろん客席の照明の配置も、しっかりと検討する必要があるのです。
またホールの広さやデザインがそれぞれ違うため、座席によってステージの見え方も異なってきます。そのためステージ上はもちろん客席の照明の配置も、しっかりと検討する必要があるのです。
\\Case3:病院の空気を設計せよ!//
病院では、空気の流れや換気の仕方が患者さんの安全に直結します。設備設計は、人の命や健康を守る仕事でもあります。
コロナのようなパンデミックが発生した場合、病室や病院全体で空気の流れや細菌を病室から出さないような空調設備がある病室を考えることが必要に。そのため、排気口の設置の仕方も重要になってくるのです。
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このように設備設計は、目に見えにくい困りごとを未然に防ぎ、人が快適に働き、学び、暮らせる環境をつくる仕事。
目に見えない部分から「快適」「安心」「安全」を支え、人の暮らしや社会の価値を高めているのです。
目に見えない部分から「快適」「安心」「安全」を支え、人の暮らしや社会の価値を高めているのです。
また上記シミュレーションにもあるような大規模施設はエネルギー使用量が大きく、環境に与える影響も大きいため、省エネルギーに対する意識を高める必要があります。
そのため、日時によって変化する気温や湿度に柔軟に対応できるシステムをICTやAIなどの活用も近年は重要視しており、これらを活用することでより効果的な設計・提案ができるようになっています。
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設備設計ならではの「意外性」と、社会を支える建物に携われる魅力
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入社3カ月の現在、石橋さんは先輩と一緒に学校施設の電気設備の改修工事に携わっています。
小学校へ現地調査に行き、コンセントや分電盤の位置を一つひとつ確認しながら写真を撮る。
その情報をもとに、既存の設備を図面として起こしていく…という作業。この作業にも驚きがあったとか。
「図面って、新しい建物をつくるためのものだと思っていたんですが、設備設計の描く図面には、撤去するための図面もあるんです。」
その情報をもとに、既存の設備を図面として起こしていく…という作業。この作業にも驚きがあったとか。
「図面って、新しい建物をつくるためのものだと思っていたんですが、設備設計の描く図面には、撤去するための図面もあるんです。」
新たに設置するための図面だけではなく、改修のためには過去の設備を取り除く必要があるため、建てられた時の古い図面を読み解き、残す設備と新しくする設備を考えるそうです。
建物には一つとして同じものはなく、その建物を利用する人も様々。だからこそ、現場を見て、人の動きを想像し、その場所で過ごす人の気持ちを考えながら設計を進めていく必要があります。
「なぜこの場所は使いやすいのか」
「どうすればもっと快適になるのか」
「どうすればもっと快適になるのか」
そんな観察力や想像力も、設備設計者にとって大切な力なのです。
そして機械設備設計に携わる石谷さんがこの3カ月で魅力に感じたのが、公共施設の仕事に携われることです。
様々な施設の中でも同社では自衛隊関連施設など、普段はなかなか目にすることのない建物の設計に関わる機会があるそうです。
「自衛隊の施設なんて、普通に生活していたら見ることもありません。そういう場所に関われるのは、すごくワクワクします。」
災害時に人々を守る自衛隊員が快適に過ごせる環境を整えること。
子どもたちが学ぶ学校をより使いやすい空間にすること。
子どもたちが学ぶ学校をより使いやすい空間にすること。
設備設計は目立つ仕事ではありませんが、自分が携わった建物が誰かの日常を支え、社会の安心・安全につながっていく。そこに、この仕事ならではの大きなやりがいがあります。
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地球環境の未来にも関わっている
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・地球温暖化
・環境汚染
・省エネルギー
・カーボンニュートラル
といった、地球環境とも深く関わっています。
日本のCO2排出量の約40%は建物に由来しているといわれています。
だからこそ、建物に必要とされるエネルギーをいかに減らし、快適さと省エネルギーを両立するかが重要になります。
だからこそ、建物に必要とされるエネルギーをいかに減らし、快適さと省エネルギーを両立するかが重要になります。
2人も、入社前は環境問題と設備設計が結びつくイメージはなかったそうです。しかし、仕事を覚えていく中で、一つひとつ理解しているとか。
設備設計者は、「どうすれば少ないエネルギーで快適な環境を実現できるのか」を考え続ける仕事でもあります。
一つひとつの建物での工夫は小さくても、その積み重ねがCO2削減やカーボンニュートラルの実現につながり、未来の暮らしや都市を守ることにもつながっていくのです。
設備設計者は、「どうすれば少ないエネルギーで快適な環境を実現できるのか」を考え続ける仕事でもあります。
一つひとつの建物での工夫は小さくても、その積み重ねがCO2削減やカーボンニュートラルの実現につながり、未来の暮らしや都市を守ることにもつながっていくのです。
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入社3カ月。まだまだ学び始めたばかり。
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石谷さん
「法律で決められていることもたくさんあり、さらにたびたび基準が見直されていくので、基本を学ぶこととアップデートの同時進行中です。」
石橋さん
「施主さんと先輩が話されているのを見ると、話すのが苦手な自分がこれだけきちんとコミュニケーションを録れるか不安もありますが、知識を身につけて自分に自信が持てるようにしたいです。」
「施主さんと先輩が話されているのを見ると、話すのが苦手な自分がこれだけきちんとコミュニケーションを録れるか不安もありますが、知識を身につけて自分に自信が持てるようにしたいです。」
と、現状の自分たちを語る2人。
設備設計は、経験を積むほどに引き出しが増え、人の暮らしや社会を支える実感が大きくなり、そして地球の未来まで考える仕事です。
だからこそ同社では育成期間を十分に設け、早くても独り立ちまで2~3年を見込んでいるそう。
