京都・祇園の老舗料理店。
歴史ある料理店ならではの佇まいと、受け継がれてきた技術。
「せっかく料理人を目指すなら、こんな店で働いてみたい」と憧れを抱く一方、「厳しい修行、自分につとまるだろうか」と不安を感じる人もいると思います。
でも、イメージだけで「やってみたい」という気持ちを閉ざしてしまうのはもったいない!
実際の仕事や人との関わりを知れば、不安が希望にかわるかもしれません。
実際の仕事や人との関わりを知れば、不安が希望にかわるかもしれません。
今回は、祇園の老舗料理店で働く先輩二人にお話をうかがいました。
職場の雰囲気や仕事の面白さなど、ぜひ、等身大のリアルに触れてみてください。
職場の雰囲気や仕事の面白さなど、ぜひ、等身大のリアルに触れてみてください。
【京都祇園 天ぷら圓堂】
創業140年。年間5万組超の会食や2千組の慶事・弔事に対応する天ぷら専門店。国内外に店舗を展開し、200名超の職人と接客スタッフが在籍。
左:長水さん 2022年入社/京都調理師専門学校卒業
右:岡山さん 2023年入社/大阪調理専門学校卒業
── なぜ、祇園の老舗料理店を選んだのですか?
長水さん:
圓堂を知ったのは友人の紹介がきっかけです。日本料理を幅広く経験したいと思っていたので、天ぷらを専門的に学びながら、それ以外の料理にも携われることが決め手でした。老舗で歴史のある店、ということに対する不安やプレッシャーは、特になかったですね。面接の雰囲気も堅苦しさがなくて、緊張しながらも安心したことを覚えています。
岡山さん:
子どものころ、家族で料理旅館へ行く機会があり、そこから日本料理が好きになりました。高校生になると天ぷらにハマり、家でできることは「やり尽くした」と言えるくらい、何度も揚げていたんです(笑)。前職も日本料理店で、転職活動中に家族のすすめで圓堂を知り、専門店なら大好きな天ぷらをさらに究めることができると思い入社を決めました。
── 最初から天ぷらを任されるわけではないと思いますが、どのように経験を積んでこられたのでしょうか?
長水さん:
1年目は覚えることばかりだったので、まずは言われたことを一生懸命やる毎日でした。2年目からはフライヤーで天ぷらを揚げるようになり、3年目には小さなカウンター、というように段階的に経験を広げていきました。はじめは緊張で手が震えて、お客様にお出しする天ぷらを落としてしまうこともしょっちゅうでしたが、今は大きなカウンターを任されることも増えました。「どうしたら良い思い出を作っていただけるかな」と考えながらカウンターに立っています。
岡山さん:
私は関西空港店、梅田阪急店で経験を積み、今はグラングリーン店にいます。入社後、一連の業務を覚える中で天ぷらを揚げる練習もさせていただき、1年目に梅田阪急店へ異動してからは本格的に揚げ場を担当しています。休日も他店の天ぷらを研究したり、地元の食材を買って家で揚げたりしていますね。以前、泉州の水ナスを揚げたらおいしかったので、店でも提案したらコースに採用されました。自分で試したことが店の料理につながるのは、すごくうれしいです。
── 先輩との関係は、実際どんな感じですか?職人の世界は少し緊張感がありそうにも感じますが……。
長水さん:
最初は先輩がつきっきりで仕事を教えてくれました。「見といて、あとはやって」ではなく、ちゃんと言葉で説明してくれる感じでした。コロナの時期で時間に少し余裕があり、いろいろ教えてもらえたのはありがたかったです。
仕事中はみんな真剣なので、怖いときもありましたね(笑)。でも休憩に入ると全然違って、プライベートな話で盛り上がるんですよ。入社して間もない頃に、2時間くらいある休憩中にずっと話していたことも。仕事だけでは分からない先輩の一面が見えて、一気に距離が縮まりました。今も仕事が終わってから一緒に食事をしたり、独立した方のお店へ行ったりしています。
岡山さん:
一番近くで仕事を教えてくれた先輩は厳しかったですね。くじけそうになったことも、何度もありました。でも、悔しいことに、その先輩のつくる賄いがめちゃくちゃおいしかったんです(笑)。叱られて落ち込んでいても、食べると「やっぱりこの人みたいな料理をつくりたい」「もうちょっと頑張ろう」と立ち直る。その繰り返しでした。今は笑顔で話せるので、当時の厳しさは何だったんだろうって思うこともありますが、褒められるとすぐ調子にのる性格を見抜かれていたのかもしれないです(笑)。
今の店舗はまた雰囲気が違って、仕事終わりに飲みに行ったり、ご飯に連れて行ってもらったりすることも多いですね。つい飲みすぎたときには介抱してもらうことも(笑)。プライベートでも、先輩にはかなり面倒を見てもらっています。
── お二人の活躍の様子が伝わってきます。最後に、これからの目標と、未来の仲間へのメッセージをお願いします!
長水さん:
入社してからは、言葉遣いやマナーなど、社会人としての基本も教えてもらいました。当時は敬語がわからず、先輩の前で自分のことを「俺」と言ってしまうこともよくあって、そのたびに注意されていました。今は先輩の立場になり、自分と同じような後輩の言動を見ると、当時の先輩の気持ちがよくわかります(笑)。これからは信用や信頼を一層大切に、後輩から目標にされる存在になりたいです。
岡山さん:
今の目標は、天ぷらをもっと安定して揚げられるようになることです。グラングリーンの店舗もまだ新しいので、店の看板をもっと磨いていきたいですね。これから入社する人は、最初は失敗するのが怖いと思いますが、困ったときには周りの先輩がちゃんと助けてくれます。一緒に切磋琢磨しながら、もっといい店を作っていきたいと思っています。
