「旅館の料理人」から考える、料理と空間のつくり方

株

株式会社マックスジャパン

2026/10/21

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旅館の料理人は料理そのものだけではなく景色・客室・温泉・器・お酒など、お客様が旅館で快適に過ごす時間全体を考えながら調理し、料理を提供しています。
今回の特別授業ではこうした「旅館の料理人」ならではの仕事の特徴や調理に対する考え方、そして「旅館におけるお客様の滞在価値そのものを創る」という視点から見た仕事の魅力を探っていきます。
 
【お話を伺ったのは・・・】
株式会社マックスジャパン
1991年の設立以来、静岡を拠点に京都も含めた複数の旅館運営をはじめ、レジャー施設なども展開している。
多くの人と地域を繋ぎ、事業を通じて「この日本-Japanを最大-Maxに楽しんで頂ける」ことを目指しており、「利用者は体験」「従業員は経験」「社会に貢献」をモットーに現在も積極的に事業拡大を進めている。
 
 
【インタビューにご協力いただいた社員のみなさん】
●統括料理長 竹松正幸さん
 
●常務取締役 村松藍己さん
 

トータルプロデュース力が重要。「旅館の料理人」ならではの役割
竹松さん
当社が運営している旅館は基本、コース料理となっています。
前菜からメイン~デザートまでの一連の流れに関して、お客様一人ひとりの状況やペースに合わせて調理をするタイミング・盛り付け~提供するタイミング~次のメニューを出すタイミングなどを随時、考えながら常に動いています。
 
おかげさまで旅館のお客様の多くがリピーターであることから、お客様の好きな食べ物や苦手な料理等の情報をはじめ、「道路が渋滞していて到着時間が遅れそう」「お客様が体調不良で、あまり食欲がない」といった細かな最新情報まで逐一、旅館に携わる全スタッフがSNSやミーティングなどで共有しています。
 
そうした情報も事前にインプットすることで、調理時間をずらしたり、コースメニューを一部変更するなど臨機応変に対応。この「柔軟な対応力」と「フットワークの軽さ」、そして調理だけでなくお客様が安心して旅館でお過ごしいただき、楽しんでいただくための時間や空間づくりを考え、プロデュースしていくことが旅館の料理人としての大きな役割だと考えます。
 
 
 
料理をさらに楽しめる空間づくりと、それを支える「セントラルキッチン」の存在
竹松さん
旅館で料理を提供する際、食事をするスペースの居心地や見た目、雰囲気などもこだわっています。
例えばテーブルには、モミジやイチョウなどその季節の花や植物を飾ったり、「美濃焼」「九谷焼」など料理に合わせた器を揃えたり、盛り付けに関しても光の当たり具合などを考慮して、もっともその料理が美しく、美味しく見えるように創意工夫しています。
 
ただ料理だけでなく、旅館の空間づくりなどにもこだわるためにはそれなりの手間暇がかかりますし、昨今のライフワークバランスの変化によって、料理人の働き方も変わりつつある中、「現場への負担をいかにして減らすか?」ということも大きなテーマです。
 
そこで当社では各旅館での調理をサポートする「セントラルキッチン」を長年に渡り運営しています。
例えば朝食メニューやデザートなどはセントラルキッチンで調理して各旅館に配送し、最後の盛り付け・デコレーションなどを分担。
その結果、旅館の料理人は質の高い調理や空間づくりに対してより楽しみながらこだわることができるメリットがあります。
 
 
 
昔ながらの厳しい職場を撤廃することで、旅館全体が居心地の良い空間になる

村松さん
旅館の居心地の良さやそのための空間づくりは、なにも客室や食事スペース、温泉だけではないと考えています。
普段お客様が立ち入らない「厨房」などの職場におけるスタッフ同士の人間関係の良さや、いつもの楽しく調理ができる雰囲気づくりも旅館全体に大きく影響します。
 
特に和食の世界では長らく師弟関係が厳しく、常に怒号が飛び交うようなピリピリした厨房をイメージされる方も多いと思います。
私はそうした従来のイメージを完全に払しょくしたいと考え、20年以上に渡り組織改革などを推進してきました。
 
おかげさまで今では私たちが運営するどの旅館の厨房も、年齢や職歴・立場問わずみんなが自由に意見を出したり、優しく丁寧に教える風土が根付いています。そしてスタッフ同士のチームワークも大幅に改善。お客様一人ひとりに対してきめ細かい接客やサービスが提供できるようになり、年々売上アップやリピーター客が増えるなど、目に見える効果も表れています。
 
 
 
【最後に】旅館の料理人を目指す方へのメッセージ
竹松さん
「調理だけすればいい」という考えではなく、「他のスタッフと一緒にお客様にとって居心地の良い旅館や空間づくりがしたい」という広い視野を持ち、お客様やスタッフに対する気遣いや思いやりを大切にできる方なら、旅館の料理人はきっと天職になるのではないでしょうか。
 
村松さん
当社で活躍する先輩の多くは学生時代、飲食店でアルバイトをしていました。
特に旅館とは違い、予約なしで多くのお客様が利用する飲食店でアルバイトを経験することによって旅館で料理人として仕事を始める際、飲食店と旅館の違いを実感できるはず。
その違いを分かったうえで働くことは、大きなメリットになると思います。
 
今回ご紹介した事例を通じて、旅館の料理人は厨房の中だけにとどまらず、旅館全体を常に把握しながらお客様にとって居心地の良い空間や雰囲気を創り上げていくことが重要だと痛感しました。
「旅館の料理人」ならではの仕事の特徴や醍醐味を理解した上で、気になる方はさらに職場見学などを通じて理解を深めてみてはいかがでしょうか?
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本社:静岡県袋井市国本279-4

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