同じ会社なのに、なぜこんなに違うお店があるの?お客様に合わせて答えを変える、ブランド経営の考え方とは

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株式会社コロワイド

2026/10/22

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焼肉、定食、回転寿司。外食チェーンと聞くと、1つの会社が1つのブランドを全国に広げていく姿をイメージする方も多いのではないでしょうか? 実は、「牛角」も「大戸屋」も「かっぱ寿司」も、すべて同じコロワイドグループのお店です。グループが展開するブランドは40を超えます。なぜ1つの会社が、これほど違うお店を持っているのでしょうか。そして、それは働く人にとって何を意味するのでしょうか。今回は、株式会社コロワイド 人事企画部の宇野女詩音さんにお話を伺いました。
 
【株式会社コロワイド】
1963年設立、神奈川県横浜市に本社を置く外食企業。逗子の甘味処から始まり、焼肉、寿司、定食など、さまざまな業態のブランドをグループで展開。食材の調達から店舗での販売までをグループ内で一貫して手がけ、海外にも事業を広げています。 

■なぜ、1つの会社でこれほど多くのブランドを持っているのですか?


根っこにあるのは、「こだわりの食事を届けて、お客様に喜んでいただきたい」という思いです。
その思いを土台に、私たちは「外食日本一企業の実現、そしてグローバル外食企業へ」というビジョンを掲げており、この大きな目標に向かって常に挑戦し続けています。
 
ブランドを「コロワイド」の名前に統一したほうが、会社の名前は知ってもらいやすいかもしれません。それでも私たちが、たくさんのブランドを持つ道を選んできたのは、1つのブランドだけでは応えられるお客様のニーズに限りがあるから。ブランドの数で見れば、今では国内でも最大規模だと思います。その分、さまざまなお客様の「食べたい」に応えることができ、より多くの方に喜んでいただけています。それが、ビジョンの実現にもつながっていくと考えているのです。
 
それだけでなく、業態が多いことは、働く人の安心にもつながっています。もし焼肉だけ、寿司だけに絞っていたら、その業態がうまくいかなくなったときに、会社全体が揺らいでしまいかねません。いろいろな業態があれば、どこかが苦しいときもほかの業態で支え合えるので、経営が安定する。だからこそ、社員も安心して長く働き続けられると考えています。
 

■お店を出すとき、何か工夫はしていますか?


一番大切にしているのは、その場所に来るお客様に合ったブランドを選ぶこと。たくさんのブランドを自分たちで持っているからこそ、できることです。
 
たとえば、車で来店されるお客様が多いロードサイドでは、お酒を飲めない方が多いため、居酒屋はなかなか利用していただけません。そのため、ご家族で楽しめるかっぱ寿司や牛角、しゃぶしゃぶ温野菜などを出店することが多いです。また、会社員の方が多い場所では、「いらっしゃいませ!」と威勢よく迎える酒場よりも、落ち着いた雰囲気のお店が好まれます。なので、ベストなどを身につけたスタッフが接客し、ゆっくり食事ができて、会社の宴会にも応えられるようなお店を出すようにしています。
 
出店したあとでも、その場所に合っていなければ、別のブランドに作り変えることもあります。以前、とある場所に「365酒場」を出したことがありました。手頃な価格でわいわい楽しめるブランドですが、このブランドには、そこのお店は広すぎました。そこで、会社員の忘年会など、大人数の宴会に強い大型店の「北海道」に作り変えたところ、広さを活かせるようになり、宴会のお客様にたくさん利用していただけるお店になりました。こうした作り変えは、さまざまなブランドで行われています。グループ内のブランドにすぐ切り替えられるので、対応が早いのも強みです。
 

■ブランドごとの個性は、どんなところから生まれるのですか?


まず、それぞれのブランドに、はっきりとしたコンセプトがあることです。どんなお客様に、どんなお店として楽しんでいただきたいのか。同じ居酒屋でも、手頃な価格でわいわい楽しめるお店もあれば、落ち着いた雰囲気で宴会に応えるお店もあります。そのコンセプトをもとに、ブランドごとにいるマーケターたちがメニューや売り方を考えていくので、こだわりもブランドによって大きく違ってくるんです。
 
そして、そのコンセプトを形にしていくのが現場です。会社のルールを守ったうえで、お客様のためになることであれば、お店で工夫できる余地があります。どこまで任されるかはブランドによって違いますが、たとえばかっぱ寿司では、フェアメニューが始まったときに、お店独自に絵を描いて掲示しているところもあります。フレッシュネスバーガーでは毎年内装のコンテストがあり、ハロウィンシーズンの飾り付けなどを各店舗が工夫しています。私も店長時代は、おせちを売るための特設ブースを、店舗ごとに自分たちで作っていました。「やってみたい」と言えば「やってみな」と背中を押してもらえる環境なんです。
 
ブランドのコンセプトと、現場の「やってみたい」。この両方が重なることで、ブランドごとの個性が生まれています。そして、個性の違うブランドがたくさんあるからこそ、さまざまなお客様のニーズに応えられるんです。
 

■ブランドがたくさんあることで、働く人はどんな経験ができるのですか?


1つの会社にいながら、さまざまなブランドを経験できます。同じ会社の中でもブランドをまたいだ異動をすることもあり、居酒屋からやきとりのお店へ移ることもあります。いろいろな経験をしたい人にとっては、会社を変えることなく新しいお店や業態に挑戦できるので、その分描けるキャリアの幅も広がります。
 
さらに、自分の意思でキャリアを広げられるのが「キャリアチャレンジ制度」です。働く中で、やりたいことが変わっていく人もいます。そうした人がただ待つのではなく、自分から挑戦できるように、年に1回、グループ各社からさまざまな職種の公募が出ます。ブランドや会社がたくさんあるからこそ、別ブランドへの挑戦はもちろん、商品開発や店舗開発、人事の採用・教育など、選べる職種も幅広いんです。募集ごとの条件を満たしていれば誰でも手を挙げることができ、年次や学歴に関係なく、面接を通じて適性で判断されます。実際に、牛角の現場からかっぱ寿司の商品開発へ移った人もいます。
 
私自身も、この制度を使って人事に移りました。入社したときは、お客様に直接届くメニューを作りたくて、商品開発を志望していたんです。ところが店長として働くうちに、グループにはこれだけたくさんのブランドがあるのだから、もっといろいろなことを知りたいと思うようになりました。さらに、アルバイトの採用や教育に関わるなかで、一緒に働く人の大切さも実感し、入社2年目で人事に挑戦。今は説明会などで、グループのさまざまな会社やブランドを学生の皆さんに伝える立場です。私にとっては人生の第2フェーズの始まりで、こうして新たな一歩を踏み出せる会社でよかったと、心から思っています。
 

■これからの飲食業界で活躍するのは、どんな人だと思いますか?


お客様に合わせて、「どうしたらもっと喜んでもらえるか」を前向きに考え、挑戦できる人だと思います。ここまでお話ししてきたように、ブランドにはそれぞれのコンセプトがあり、場所やお客様によって、求められるお店の形も変わります。だからこそ、1つの正解にこだわるのではなく、目の前のお客様に合わせて「やってみたい」を形にしていける人が、これからの飲食を面白くしていくはずです。
 
もう一つは、人と関わることを楽しめる人です。お店は、お客様はもちろん、一緒に働くアルバイトの皆さんと力を合わせてつくっていくもの。だからこそ、コミュニケーションがとても大切なんです。
 
やりたいことが今はっきり決まっていなくても、大丈夫です。私が説明会でいつも伝えているのは、「まずは目の前のお店の仕事を一生懸命やってみたい。その先は働きながら考えていきます」と言えれば、それだけで立派な目標だということ。たくさんのブランドや職種があるコロワイドグループなら、働きながらじっくり自分のやりたいことを見つけていけます。まだ目標が定まっていない人にこそ、安心して飛び込んできてほしいですね。
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