「コミュ力が高い」と聞くと、どんな人を思い浮かべるでしょうか。
話し上手で誰とでもすぐに仲良くなれるタイプ、明るくて盛り上げ上手なタイプ……。
学生時代は、こうした “陽キャ” のイメージがコミュ力の象徴として語られることが少なくありません。
しかし、IT業界で求められるコミュニケーション力は、必ずしも “しゃべりのうまさ” ではないのです。
話し上手で誰とでもすぐに仲良くなれるタイプ、明るくて盛り上げ上手なタイプ……。
学生時代は、こうした “陽キャ” のイメージがコミュ力の象徴として語られることが少なくありません。
しかし、IT業界で求められるコミュニケーション力は、必ずしも “しゃべりのうまさ” ではないのです。
今回はIT業界の第一線で活躍するエンジニアのみなさんに、“仕事がスムーズに進むコミュニケーション”の本質をレクチャーしていただきます!
お話をうかがったのは・・・
株式会社システムウエスト
大阪と東京に拠点を持つIT企業。システム開発、システムインテグレーション、ネットワーク構築など、顧客のニーズにあわせた幅広いサービスを提供しています。
楮(かじ)社長 / 藤元さん(エンジニア) / 井口さん(営業)
楮(かじ)社長 / 藤元さん(エンジニア) / 井口さん(営業)
1.「コミュ力=陽キャ」は誤解です
学生さんから「自分は人見知りだからコミュ力がない」と相談を受けることがありますが、私たちが仕事で求めているコミュニケーション力は、明るさでも社交性でもありません。大切なのは、
・聞く力
・分かり合う力
・正確に伝える力
の3つです。
ITの現場では専門用語も多く、少しの誤解が大きなトラブルにつながります。だからこそ “分かったふりをしない素直さ” が、実は何よりも強い武器になります。
2.評価されるのは「伝える努力」
しゃべりが得意である必要はありません。むしろ、口頭だけで説明しようとすると情報が抜け落ちがちになります。紙に書いても、図を描いても、チャットで箇条書きにしても構いません。大事なのは、誤解なく伝えるための工夫と努力です。スマートな伝え方より“正確さ”に価値があるのが、IT業界の特徴だと感じています。
3.コミュ力の基礎は「ホウレンソウ」
仕事で最も大切なコミュニケーションは、実はシンプルなホウレンソウです。
・報告:仕事の進み具合を伝えること
・連絡:必要な情報を共有すること
・相談:判断に迷うことを聞くこと
とくに進捗報告は、相手の不安を和らげる力を持っています。
たとえば連休に入る前、上司にひと言「現在ここまで終わっています」と報告するだけで、上司は安心して休日を過ごすことができます。ホウレンソウは“自分のため”ではなく、“相手のため”の思いやりでもあると私たちは考えています。
たとえば連休に入る前、上司にひと言「現在ここまで終わっています」と報告するだけで、上司は安心して休日を過ごすことができます。ホウレンソウは“自分のため”ではなく、“相手のため”の思いやりでもあると私たちは考えています。
4.【クイズ】正しい報告はどれでしょう?
ここで一つ、実際の現場をイメージしたクイズです。
Q:作業中にエラーが発生しました。上司への最初の報告として”正しいのはどれ?”
A.「エラーが出ました。どうしたらいいですか?」
B.「作業中にエラーが出ました。“◯◯エラー”と表示されました」
C.「△△エラーが発生しました。発生前の10時頃に◯◯の設定変更を行い、その直後に◯◯の処理を実行しています。」
── 正解は C です。
AやBでは、いつ・どの操作で・何をして・どんな画面で起きたのかが分かりません。相手は状況を再現できず、解決にたどり着くまで何度もやり取りをする必要があります。
5.5W1Hができる人は「共有上手」
先ほどのクイズのとおり、背景(5W1H)までセットで伝えられると、たった1回の連絡でも相手がすぐに判断できるようになります。「5W1H」とは、情報や状況を整理して伝えるときに役立つフレームです。
When(いつ)
Where(どこで)
What(何を)
Why(なぜ/目的)
Who(誰が)
How(どうやって)
これらが揃っているだけで、伝える内容の正確さは格段にアップします。結果的に相手が迷わず判断できるようになり、チームでの仕事が一段とやりやすくなるのです。
6.コミュ力は “センス” ではなく “技術”
では、“コミュ力が高い”人が特別な才能に恵まれているのかというと、必ずしもそうではありません。むしろ、共通して身についているのは、日々の小さな習慣です。
・興味の幅が広い(人にも情報にもアンテナが立っている)
・レスポンスが早い(忙しくても「まず返す」)
・相手の反応に敏感(興味がなさそうなら話題を変える)
・図やメモで補う(口頭に依存しない)
・相手の話を否定せず聞く
・分からないことを素直に聞ける
こうした習慣が評価されるのは、IT業務が「正確な情報」と「再現可能な手順」で成り立っているからです。
ITの仕事は“再現できる情報”がすべての起点になります。たとえばエラー報告では、再現条件が1つ欠けるだけで、原因特定が丸ごとやり直しになることもあります。だからこそ、背景や手順を漏れなく伝える力=再現性のある共有が大切なのです。
7.仕事では誰でも「コミュ力お化け」になれます
現場で“コミュ力が高い”と評価される人は、相手が判断しやすいように背景まで添えて共有したり、分からないことを素直に聞いたり、丁寧にホウレンソウを積み重ねたり、ということを日常的に行っている人です。そして、これらは才能ではなく、誰でも心がけ次第で身につけられる技術だと思います。
自分のキャラを変えようとしなくても大丈夫! 聞く、伝える、共有するというコミュニケーションの基本スキルを丁寧に積み重ねていけば、必ず周囲から信頼されるコミュニケーション上手なエンジニアになれます。ぜひ、小さなことから実践してみてくださいね。
