コンビニや外食チェーンなど、皆さんが日ごろ目にするお店の中には、実は企業が直接経営する「直営店」ではなく、フランチャイズ契約を結んだ別会社が運営している店舗も多くあります。
「フランチャイズ」という言葉は聞いたことがあっても、それがどういう仕組みなのか、明確に理解している人はどのくらいいるでしょうか。
なかには、就職活動をきっかけに「直営店とフランチャイズ店の違いってなんだろう?」と疑問を持った人もいるかもしれません。
そこで今回、複数の業種でフランチャイズ店を展開する株式会社globの古市誉富社長に、「フランチャイズとはなにか」「フランチャイズ店で働くメリット」について、解説していただきました。
株式会社glob
青山商事の100%出資連結子会社として2011年に設立。「洋服の青山」の敷地内余剰地を有効活用し、フランチャイズビジネスを 展開している。事業は多岐にわたり、フード事業では「焼肉きんぐ」「ゆず庵」、ウェルネス事業では「ANYTIME FITNESS」 「WECLE」、リユース事業では「2nd STREET」を全国に出店。このたびフード事業の新業態として、「PISOLA」の展開を開始した。
代表取締役社長 古市誉富(ふるいち たかよし)氏
1961年岡山県倉敷市生まれ。近畿大学を卒業後、小売2社を経て、青山商事株式会社に入社。「洋服の青山」を中心に 店長・ブロック長を務め、本社複数部署を歴任。2011年7月、株式会社globの代表取締役社長に就任。 ビジネスウェア事業に続く、青山商事グループの「礎」となることを目指し、絶えず挑戦を重ねてglobを成長へと導いている。
フランチャイズって、なに?
加盟店が本部にロイヤリティ(対価)を支払うことで、ブランドや経営のノウハウを提供してもらい、店舗を運営する仕組みのことです。本部企業のことを「フランチャイザー」、加盟店のことを「フランチャイジー」といいます。フランチャイズの店舗はコンビニエンスストア、外食業、サービス業など、さまざまな業界に存在します。
フランチャイズで出店するメリットは、経験やノウハウがなくても、希望する業態にチャレンジできることです。独自で開業する場合に比べて、比較的少ない資金で店舗を持てるのも魅力。利益を生み出す仕組み、人の教育や店舗運営に関しても本部のサポートが受けられるため、安心して営業活動が行えます。
直営店とフランチャイズ店の違いは?
「直営店」は本部企業が直接経営する店舗、「フランチャイズ店」は本部と契約を結んだ加盟者がオーナーとなって経営する店舗です。どちらの店舗も同じ看板を掲げ、同じサービスを提供します。ただし、店舗の質をどのように維持・向上させていくかは、それぞれの店の努力にかかっています。
「直営店だから」「フランチャイズ店だから」という優劣はなく、各店舗が「もっと良い店にする」という思いを持ち、互いに切磋琢磨しながら共存共栄しています。
また、フランチャイジーは開業当初は本部からノウハウを学ぶ立場にありますが、実際に運営を始めたら、「より良い店づくり」に向けて意見を発信するのに遠慮は必要ありません。
当社ではこれまで、店舗スタッフの意見や数値的根拠をもとに営業時間の短縮を提案したり、まだ飲食店でタバコを吸う人が多かった時代に喫煙室を設けたりと、積極的に意見を発信し、実際の改善につなげてきました。
直営店であってもフランチャイズ店であっても両者の間に垣根はなく、対等な関係であることが本来の姿です。
globがフランチャイザーを選ぶときに重視していることは?
フランチャイズビジネスに必要なことは、フランチャイザーとなる本部が利益を生み出す仕組みを持っていること、知識や知恵がない人でも事業が行えるようノウハウを提供できること、そして私たちフランチャイジーと考え方が一致することです。
どんなに利益が得られる可能性や話題性があっても、その事業を展開する想いや、働く人たちの考え方・仕事への取り組み方が違えば、そこで働くglobの社員が混乱し、楽しく働けません。
ですから、私たちは新たなフランチャイズ展開を行う際には、「何を」やるかより、「誰と」やるかを重要視しています。
もちろんフランチャイジーである私たちは、学ぶ姿勢を持つことが大事です。その一方で、先ほども述べたとおり、お互いが遠慮せず対等に意見を出し合い、共存共栄していく関係性を築きたいと考えています。
最も大切なのは、「仲間」として手を組めるかどうかです。現在、当社がフランチャイズ契約を結ぶ本部企業は、まさにそのような信頼関係を共有できる企業ばかりです。
フランチャイズ店で働くメリットとは?
フランチャイズの場合、本部によって確立された研修システムやマニュアルがあるため、未経験者でも基礎からしっかり学ぶことができます。
飲食店であれば、料理の技術も身につきます。特に、当社が新しく展開する「PISOLA」では手作りにこだわっており、本格イタリアンを基礎から学べます。
globのように複数の業態のフランチャイズ店を展開している企業では、配属先の店舗での勤務が難しくなったら、他業態への異動も可能です。向き・不向き、興味の変化、あるいは引っ越しなどの事情が生じた場合でも、会社を辞めることなく、店舗や業態を変えて働き続けることができます。
さらに、複数の業態を展開していることで、一つの事業の業績が悪化しても他の事業で補うことができるため、企業としての安定性が高く、安心して働けることも魅力です。
ビジネスが拡大し店舗が増えていけば、新規立ち上げに関わるチャンスもあるでしょう。店舗づくりに一から携われる経験は、きっとやりがいがあり、楽しいものになるはずです。新しいことにチャレンジしたい人、将来自分の店を持ちたいと考えている人にもおすすめです。
学生のみなさんへメッセージをお願いします。
フランチャイズは、自分の「やりたいこと」に対してお金を払い、その実現に向けて道筋をつけてもらえる、少し特殊なビジネスモデルです。教える側にはしっかりとしたノウハウがあり、教えてもらう側も真剣です。
「やりたいことがあるけど、本当に自分にできるのかな?」と思っている方は、フランチャイズの世界を体験してみてください。やる気があれば必ず実現できる————そんなおもしろさと可能性が、ここにはあります。
「いつも目にしていた憧れのあの店で働きたい」という夢を持っている方は、直営店で働くのも良いですが、より幅広い経験やチャレンジを求めるならフランチャイジーとして複数の店舗を手がける会社に所属するのも一つの選択肢です。同じ会社の中で多様なことに挑戦できる環境では、成長の幅も大きく広がると思いますので、ぜひ考えてみてください。
