毎日何気なく使っている橋やトンネル。
ゲームのキャラクターに「HP(体力)」があるように、橋やトンネルにもHPがあるとしたら?
今回は、補修・補強工事の仕事をゲームに見立て、インフラを守る仕事の奥深さを学んでいきましょう!
お話をうかがったのはこの方!!
株式会社松竹工業 専務取締役 森 雄基 さん
出身校:修成建設専門学校。 2018年6月入社。 入社の決め手:社長の人柄と仕事熱に惹かれて。 仕事のやりがい:発注者様やお客様から褒めまくられたときや、「次回の現場も頼むわ」と評価をいただけたときは嬉しい! 会社の好きなところ:仕事はもちろん、飲み会や遊びにも全力な会社なところ!
▶▷ GAME START! ▶▷
あなたは「インフラ回復チーム」の新人メンバー。
目の前にあるのは、長年使われてきた一本のトンネルと、その先に架かる大きな橋。
どちらも長い年月を経て、さまざまなダメージを受けています。
現在のHPは――
35 / 100
※HPはゲーム上の演出です。
無事に、インフラのHPを回復できるでしょうか?!
STAGE① トンネル内部に「ひび割れ」発生!
WARNING!
トンネルの壁に小さなひび割れを発見!このひび割れ、どうする?
A:小さくても、すべて補修する
B:幅を測って、補修が必要か判断する
・・・・・
ひび割れの原因は、乾燥や振動、施工不良などさまざま。放置して劣化が進めば、コンクリートの剥落や構造物のずれなど、重大なトラブルにつながる危険もあります。
ひび割れの原因は、乾燥や振動、施工不良などさまざま。放置して劣化が進めば、コンクリートの剥落や構造物のずれなど、重大なトラブルにつながる危険もあります。
ただし、すべてを直すわけではありません。ポイントは、ひび割れの長さではなく「幅」。「クラックスケール」という専用の定規で幅を測り、0.2mm以上のひび割れが補修対象となります。
✴回復スキル獲得!
① 「低圧注入工法」
注射器のような器具を取り付け、特殊な樹脂をゆっくり注入して隙間を埋める。
② 「充填工法」
幅の大きなひび割れを深く掘り、コーキング材を詰める。
★STAGE CLEAR!★
状態を見極め、適切な工法を選ぶべし!
現在のHP:55 / 100
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STAGE② さらに「漏水」を発見!
WARNING!
トンネルの天井からポタポタと水が落ちてきた!水漏れを止めるには?
A:水が出ている場所の表面を塞ぐ
B:水の侵入経路を調べ、奥から対策する
・・・・・
トンネルの周囲には、地中に染み込んだ地下水があります。その水がひび割れから路面に流れ出ると、車がスリップする危険も! ただし、表面だけを塞いでも、別の場所から水が漏れ出すことがあります。
✴ 回復スキル獲得!
① 「高圧注入工法」でひび割れの奥を処置
ひび割れの奥まで届くようにコンクリートに斜めの穴を開け、専用のポンプで補修材を高圧注入。補修材が水と反応して固まり、ひび割れの隙間を埋めることで、水の侵入を防ぎます。
② 水の通り道を確保する
トンネルには、コンクリートの伸縮に対応する「伸縮目地」があり、ここから水が出ることも想定されています。ひび割れからの漏水を止め、水を伸縮目地へ誘導することも大切です。
★STAGE CLEAR!★
原因を突き止め、適切に対処することが攻略のカギ!
現在のHP:75 / 100
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STAGE③ 見えないリスクから橋と人命を守れ!
トンネルのトラブルを乗り越え、次に向かったのは大きな橋。目立った損傷はありませんが、大地震への備えが必要です。
今回のミッションは、予測される事態を未然に防ぐこと!
WARNING!
地震に備えて橋を補強することに。どちらの方法が効果的?
A:橋脚を太くして、橋全体の強度を高める
B:橋桁が大きく動いても、落下しない装置を取り付ける
✴ 防御スキル獲得!
「耐震補強」どちらも実際に行われている耐震補強の工事です。
① 「コンクリート巻き立て工法」
既存の橋脚の周囲にコンクリートを増し、断面を大きくすることで、地震の揺れに耐える強度を高めます。
② 「落橋防止装置」の設置
地震で橋桁が大きくずれても、支えから外れて落下しないよう、橋桁と橋台・橋脚などを装置でつなぎます。
★STAGE CLEAR!★
未来のダメージにも備えよ!
現在のHP:100 / 100
HP回復! ……でも、これで終わりじゃない!
HP 100!ゲームなら、ここでクリア!
でも、現実のインフラは、これからも補修・補強が必要です。しかも、現場によって状況はさまざま。では、インフラを守るプロたちは、どうやってスキルアップしていくのでしょうか?
今回、森さんに教えていただいた成長ステップを紹介します。
SPECIAL STAGE 「施工管理のスキルツリー」
LEVEL 1
現場を知る
作業を経験し、道具や工法、仕事の流れを覚える
↓
LEVEL 2
チームをまとめる
職長として作業の段取りや現場の指揮を担う
↓
LEVEL 3
管理者としてのスキルを磨く
図面や書類の作成、発注者との打ち合わせなどを担当
↓
LEVEL 4
提案できるプロへ
現場を見極め、適切な工法を提案する
経験を積むほど、挑戦できる仕事も広がっていく!
では、経験を積んだ先には、どんな仕事が待っているのでしょうか?
さまざまな現場を経験してきた森さんに、印象に残っている仕事と、その面白さを教えていただきました。
「私が特に印象に残っているのは、阪神高速大和川線のトンネル工事です。トンネルを掘ったものの、隣の大和川から水が入り込み通行できない状態が続いていました。約2年にわたり、当社で漏水対策工事全般を担当。雨が降るたびに予想外の場所から水が漏れ出し、本当に大変な現場でしたが、今では毎日多くの車が安全に通行しています。
補修・補強の仕事はとても幅広く、一見単純そうな作業にも、実は重要な役割があります。例えば、橋や歩道橋の塗り替えもその一つ。古い塗料には鉛やPCBなどの有害物質が含まれていることがあり、その場合は周囲に飛散しないよう作業場所を厳重に包囲。専用の防護具を着けて除去しています。単なる塗り替えに見えても、人々の健康や環境を守る重要な責務を担っているんです。
現場ごとに課題も工法も違うので、覚えることはたくさんあります。でも、経験を積むほど、自分にできることが増え、初めての工事にも自信を持って挑戦できるようになる。そこが、この仕事の面白さだと思います」
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インフラのHPを回復する仕事に、ゴールはありません。一つの現場で得た経験を次の挑戦へと生かし、技術を磨き続ける。その積み重ねが、私たちの当たり前の日常と、未来の安全を支えています。
