建設業界にはかつて「きつい・汚い・危険」の “3K” というイメージがありました。しかし今、現場では安全性の向上やデジタル化、労働環境の改善が進み、新しい世代が力を発揮しやすい業界へと変わりつつあります。
今回は、長年建設の世界に関わってきた現場監督の声をもとに、過去と現在、そしてこれからの建設業界をひもときます。
【日本土木建設株式会社】(本社:大阪府泉佐野市)
・・・ 岩間俊哉さん(建築部 部長)
・・・ 林幸博さん(建築部 現場監督)
■ かつての建設業界、“3K”が生まれた背景
私たちが業界に入った頃、現場には今のような安全管理は徹底されていませんでした。安全帯やヘルメットを着用せず作業する人もいましたし、喫煙や飲酒に対しても今ほど厳しくなく、「自分の身は自分で守る」という風潮が強かったんです。仕事は先輩や親方の背中を見て覚えるのが当たり前。言葉遣いも今と比べるとかなり粗かったので、「怖い」という印象を持つ人は多かったと思います。
作業は屋外が中心で、雨にも泥にもさらされる。ほこりまみれになりながら、朝は早く、夜は遅い。工期が迫ると何日も現場に泊まり込むことも、業界では珍しくないことでした。そんな当時の働き方を振り返ると、確かに3Kと言われても仕方がない環境だったと思います。
■ 働きやすさをつくる現場の進化
時代が進み、今は安全面も働き方も見違えるほど改善されています。社会全体の「働き方に対する価値観」が変化したこともありますが、後継者不足が深刻化する中で「環境を整えなければ若い人は集まらない」という共通認識が、業界全体に広がった結果だと思っています。
かつては手書きだった図面はCADが当たり前になり、現場写真もフィルムからデジタル撮影へと移行しました。以前は、黒板に工事名や日付を書き、それを一緒に撮影して記録を残していましたが、現在はタブレットに入力した情報を写真に自動合成できるため、作業が一気に効率化しています。報告書の電子化も進んだことで、事務作業にかかる時間が大幅に短縮され、結果として労働時間も確実に減りました。
また、「下請さん」という呼び方は今では「協力業者」と表現されるようになり、「発注者の方が立場は上」という考え方も大きく変わってきました。会社と従業員の関係も同様で、現在はお互いを対等な存在と捉えるのが一般的です。会社と、そこに関わる人や組織の間に上下関係があるのではなく、それぞれが役割を担い、一緒に仕事を進めるパートナーであるという認識が広がっています。現場で以前より荒い言動を見かけることが少なくなった背景には、こうした意識の変化が確実に影響していると思います。
■ 変わる中でも変わらない、建設業の“本質”
一方で、時代がどれだけ進んでも変わらないものもあります。その一つが、建設という仕事の“必要性”です。人が暮らす限り、建物や道路は必ず求められますし、老朽化への対応や防災・減災の整備など、社会の変化に合わせたニーズはむしろ増えていると感じます。
また、AIが進化して便利なツールが増えても、最後は人の感覚に委ねられる作業が必ず残ります。完全に人の手を離れて土木・建築の工事を行うことはできないからこそ、私たちが仕事を通して味わう醍醐味ややりがいも、普遍的なものなのではないでしょうか。
子ども園をつくれば子どもたちの笑い声が響き、道路をつくれば地域の生活を支える動線になる。自分たちがつくったものが形になり、社会の一部として機能することは、これから先も変わらない建設業ならではのやりがいだと思います。
子ども園をつくれば子どもたちの笑い声が響き、道路をつくれば地域の生活を支える動線になる。自分たちがつくったものが形になり、社会の一部として機能することは、これから先も変わらない建設業ならではのやりがいだと思います。
■ これからの建設業界は“3K”から“3E” へ!
建設業の仕事環境は大きく変化しているのに、いまだに“3K”のイメージで語られてしまうのは、正直切ないことです。そこで日本土木建設では、建設業の“今”と“これから”を象徴するキーワードとして、“3E”を掲げています。
ー ENJOY(エンジョイ):楽しむ
大きなプラモデルを手掛けるようなものづくりの喜びや、現場が形になっていくワクワク感。「また次もお願いします」と言っていただけるやりがい。建設の仕事は、続けるほどに“楽しさが積み重なっていく仕事”です。
ー ESSENTIAL(エッセンシャル):必要な、不可欠な
住まいがある、電気がつく、目的地に通じる道がある。そうした“当たり前の毎日”は、建設の仕事があってこそ成り立ちます。誰かの生活を支える基盤そのものを形にする役割は、どんな時代になっても必要とされ続けます。
ー ENGAGE(エンゲージ):つながる、深くかかわる
建設の現場は、一人では完成しません。社内の仲間、取引先、地域など多くの人と協働しながら進めることで、仕事は前へ進み、仕上がりもぐっと良くなります。チームでやり遂げる一体感は、この仕事ならではのやりがいです。
こうした新しいイメージが広がっていけば、建設業界はもっと明るく、もっと可能性のある仕事として受け入れられていくはずです。これから若いみなさんと一緒に、“3E”を根づかせてきたいと思っています。
■ 未来の現場が、あなたを待っています
建設業界は今、大きな転換期にあります。働き方、価値観、技術が大きく進化する中で、これから必要なのは新しい世代の視点と力です。最初は何をしているのかよくわからなくても、できることが増えるにつれて仕事はどんどん面白くなります。
現場で働く誰もが得ているこの実感、この世界でしか味わえない達成感ややりがいを、みなさんにもぜひ体験してほしいですね。若い方々と共に成長していける環境を整えてお待ちしていますので、建設の仕事に少しでも興味を持ったならいつでも現場を見に来てください。
