非日常と居心地の良さを感じていただくための空間づくり
料理人としてお客様をおもてなしする上で、最も大切なことは「お客様目線に立つこと」です。
例えば、空間づくり。当店では、土壁や桜の木のカウンター、お客様の視界に入る棚には樹齢600年の木で作った扉を設けるなど、非日常を感じながらも、心からくつろいでいただける居心地のよい空間を目指しています。
また、料理に使用する器をはじめ、花や花器、掛け軸、絵などからも日本の四季や行事を感じていただけるよう、季節ごとにしつらえを変えています。
席数をカウンター6席・テーブル4席にしたのは、この規模であればすべてのお客様に目を配ることができると考えたからです。グラスを傾ける気配、箸を置く音などを感じ取り、お客様が何を求めていらっしゃるのか、常に心を配りながらおもてなしするよう心がけています。
五感で楽しめるよう、料理の演出・組み立てにも工夫
料理においては「日本料理の華」ともいわれる煮物椀をつくる直前にかつお節を削り、出汁をひいています。削りたてのかつお節は香りがとても良く、お客様の顔が一気にほころびます。
そして、季節感をたっぷり盛り込んだ焼き八寸で最高潮になるよう、コースを組んでいます。
〆は、農家さんに石臼で挽いてもらった蕎麦粉で私が毎日手打ちする十割蕎麦。「コースの最後でもスルッと食べられる」と、お客様にも好評です。
これらはいずれも「お客様に喜んでいただくために何をすべきか」という視点から生まれた、当店ならではのこだわりです。
すべてはお客様のために、心を込めて仕事をする
さらに、すべての面で意識しているのは、心を込めて仕事をすることです。
掃除をするときも、ただ作業として行うのではなく「ここはお客様が座るところ」「ここはお客様が通るところ」と考え、心を込めて丁寧にすることが重要だと考えています。
食材選びや仕込み、終了後の片付けも、何のためにやるかと言ったら、すべては「お客様に喜んでいただくため」です。
従業員にも、一つひとつの作業の先にお客様がいることを常に意識してほしいと伝えています。
このように、空間づくりから料理、サービス、日々の掃除や準備にいたるまで、「お客様のために」という一貫した姿勢で取り組むのが私たちの流儀です。
「祇園もりわき」で、お客様目線に立ったおもてなしの在り方を体得することは、料理人としてのキャリアを築いていくうえで、かけがえのない財産になるはずです。
