「実際に現場に出ると、どんな毎日になるの?」
そんな疑問に応えるシリーズ企画・第2弾!今回は、いよいよ現場に立ってからの日々のリアルをお届けします。
お話を伺ったのは……
エルディ株式会社(本社:福井県)
1991年創業。福井・大阪・京都に拠点を構える総合建設会社で、建設・不動産・介護の三本柱を軸に、幅広い“まちづくり”を担っています。
笹本歩夢さん: 修成建設専門学校 2025年入社
現場デビューしたときはどんな気持ちでしたか?
最初は正直、怒鳴られながら仕事を覚えるんだろうなと身構えていました(笑) 建設業界に対して「昭和のドラマ」のような厳しいイメージを持っていたんです。でも実際に現場に出てみると、想像以上にみなさんが優しくて驚きました。それが一番印象的でしたね。
とにかく早く仕事を覚えたい気持ちが強く、工事長の後ろをついて回りながら、目に映ることを片っ端から質問しました。「これは何ですか?」「やってみてもいいですか?」「手伝わせてもらえますか?」と、自分から声をかけて職人さんとの距離を縮めていきました。そうしたやりとりが楽しく、自然と現場に溶け込めたように思います。自分の安全帯を受け取ったときは「これが俺の安全帯か!」と感激しました。
配属先はどんな現場ですか?
老人ホームの新築工事です。現場所長を含む管理者が2名、設計1名、そして私の計4名が常駐しています。配属された時期はちょうど基礎工事の最中で、まだ地中の部分が丸見えの状態でした。私は躯体工事に入るあたりから本格的に現場仕事に関わるようになりました。
仕事は現場に出る日もあれば、事務所で書類や図面を扱う日もあります。「できるようになったら次へ」と少しずつステップアップしていく形で、経験を積ませてもらっています。工事の進み具合や天候によっても一日の動きが変わるので、臨機応変な対応力も少しずつ身についてきたと感じています。
現在担当している工程について教えてください
いまは躯体工事の工程です。建物の壁になる部分のコンクリート打設が中心で、以下のような流れを日々繰り返しています。
① 墨出し
① 墨出し
型枠や鉄筋の位置を床や基礎に記す作業。狂いが出ると後工程にすべて影響するため重要。
② 型枠建込
柱や壁の片側だけを組み、鉄筋を入れるスペースを残す。
③ 鉄筋組立て
型枠内に鉄筋を組み込む。コンクリートで覆う厚み(かぶり厚)の確保が大切。
④ 型枠建込
残りの型枠を組み、全体を固定。打設時にコンクリート圧で開かないように精度を確認し、締め直す。
⑤ コンクリート打設
ミキサー車からポンプで流し込み、バイブレーターで気泡を抜きながら均一に充填する。
⑥ 脱型
所定の強度に達したら型枠を外す(およそ1日程度)。
大きな工程を一気に進めるというよりは、繰り返しの中で基礎を確実に身につける努力をしています。何度も同じ作業を経験するうちに「前より理解できている」と感じられる瞬間があり、それが張り合いになっています。
他にはどんな仕事をしていますか?
朝は8時前に出社し、朝礼日誌の作成や資料の整理を行います。朝礼は先輩と交代で担当しており、「今日もがんばりましょう!」と元気な声を出すのも役割のひとつ。体調の変化に気を配り、塩分・水分補給を呼びかけるなど、安全面への配慮も欠かせません。また、事務作業も多く、KY活動(危険予知活動)の書類や品質管理資料の作成をしています。書類を見ていると学生時代に学んだことが出てきて、「こういうことか!」と自分の中で繋がる瞬間があり楽しいです。
最近はコンクリートの発注量の計算も任されています。構造物ごとに必要な体積を算出するのですが、柱と梁を一緒に計算すると二重カウントになる部分が生まれてしまいます。柱が40〜50本あると大きな誤差につながるため、柱・梁・壁ごとに体積を区別して計算することが大切だと学びました。さらに、コンクリートの流動性や、流し込みの際の振動による変化も考慮して最終発注量を決める必要があります。実際の発注は先輩が担当していますが、近いうちに任せてもらえるのではないかと期待しています(笑)。
困ったことや印象に残っている出来事は?
先輩や職人さんに恵まれて、困ったことはほとんどありませんが、最初は道具の呼び名に苦労しました。ひとつの道具に複数の呼び名があるんです。たとえば「番線」は針金のことなのですが、初めて聞いたときに「番線って何ですか?」と尋ねると「番線は番線や」と返されて(笑)。職人さんもとっさに説明に困ったようでした。けれど、そのやりとりが強烈に記憶に残り、次からは迷わず準備できるようになりました。
こうした小さな経験の積み重ねが、自分の成長につながっているのだと実感しています。これからも一つひとつを確実に学び、知識と経験を増やしていきたいです。
引き続き密着取材を通じて、笹本さんと一緒に一つの建物が完成していく過程を追いかけたいと思います。現場での学びや発見がどのように成長につながっていくのか、次回の続編もぜひご覧ください!
