家づくりの現場では今、施主の想いや生活スタイルに寄り添った“共創型”の取り組みが注目されています。設計・施工を担う側が主導するのではなく、住む人と対話を重ねながら、一緒に空間をかたちにしていく。そうした姿勢は、時代の変化とともに、ますます求められるようになっています。
大阪・堺市に本社を構える株式会社西林工務店は、昭和35年の創業以来60年以上にわたって、地域密着の建築を続けてきた企業です。「設計から施工まで自社一貫」「チームで取り組む体制」を強みとし、地域の厚い信頼を得ています。
西林 正好 代表取締役
今回は同社の施工案件と、施主様のリアルな声を通して、「お客様とともに作る家づくり」とはどういうことか、一緒に学んでいきたいと思います。
施工事例1
個人邸「家族の想いが詰まった“完全オーダーメイド型住宅”」
敷地42坪に建つ27坪の2階建て住宅。二世帯三名が一緒に暮らすために建てられたこの家は、家族構成や生活動線、将来の変化まで見据えた工夫の塊です。
生活の中心である一階LDKの設計では、トイレや洗面所・お風呂への動線に“ワンクッション”を設けてプライベートに配慮。階段は幅1メートル、かつ、全体の高さを抑えたゆとりの設計で、昇り降りのしやすさを実現しています。日常的に2階との往復が多い暮らしを見据えた設計です。また、階段下の空間もすべて収納として活用し、スペースを無駄なく使っています。
さらに注目したいのは、一般的な木造住宅で基準とされる「910ミリピッチ」の倍数にとらわれず、生活にフィットする寸法を優先して設計されている点。階段幅や収納の奥行き、間仕切りの位置に至るまで、「暮らしやすさ」を最優先に、オリジナルサイズを適用しています。こうした柔軟な対応は、施主とともに一棟一棟を考える西林工務店ならではの強みといえるでしょう。
キッチンは、奥さまが一つひとつ確認しながら選んだ完全造作。高さ、奥行き、引き出しのサイズまでミリ単位で調整されています。外観は最後まで検討を重ねたグリーン×ブラックサッシの組み合わせ。これは「ちょっと冒険か?」と思うほどのチャレンジでしたが、完成してみると、建物全体の印象が引き締まり、個性がありながらも上品な仕上がりになっています。
【お客様の声】
「昔から地域にある工務店で、親しみがありましたし、『ここなら安心してお願いできる』と思い西林工務店さんに依頼しました。とにかく丁寧に話を聞いてくださって、一つひとつを一緒に決めていったという実感があります。特にキッチンは、私の身長や使い方に合わせて、引き出しの深さや高さまで細かく調整してくださって、本当に“自分仕様”に仕上げてもらえました。自分達では気づかない、細かい設計やおさまりまで配慮してくださり、お願いして本当によかったと思っています」
施工事例2
ゴルフ練習場「転換の発想が生んだ“室内打撃場”」
もともとは、池の水面に向かってボールを打つスタイルの打撃練習場でしたが、池の堤防の補強工事のために屋外での営業が困難になり、新たに屋内練習場を作ることになりました。
室内にはエアコンが完備され、夏場でも快適な練習環境が整っています。屋根の勾配は、実際の打球の角度に合わせて設計。また、将来的に倉庫にも転用できるよう、シャッターを両側に設けてトラックの出入りを可能にしました。構造材や断熱材にも工夫を凝らし、「今」だけでなく「未来」にも対応する設計がなされています。
【お客様の声】
【お客様の声】
「シミュレーションゴルフはよく聞きますが、実際に室内で打てる施設って、なかなかないと思うんです。屋根の勾配も打球の角度に合わせて調整してくれましたし、ネットの張り方もよく考えてくれていて、さすがだなと思いました。外観を黒で統一するのは私たちからのリクエストですが、黒は熱を集めやすい色なので、その点も踏まえて断熱材や通気設計に工夫をしてくれたのもありがたかったです」
建築を学ぶ学生さんへのメッセージ
建築の仕事は、ただ図面通りに建物をつくるだけの仕事ではありません。お客様と向き合い、その人の言葉にならない思いや暮らし方に寄り添いながら、形にしていく。そこにこそ、建築の真価があると私たちは考えています。
必要なのは、確かな技術力と、それを活かすための“人間力”です。ぜひ、目の前の技術だけでなく、人との関わりのなかに建築の価値を見出し、『つくること』の本質に目を向けてください。皆さんが未来の建築を支える力になることを、心から願っています。
