洋食の定番メニューと言えば、ハンバーグにカレーライス、オムライス、エビフライ、カツレツ、グラタン、コロッケ…など。皆さんの誰もが一度は食べたことがあるメニューではないでしょうか。今回は日本独自の食文化として発展してきた洋食の特徴や魅力に触れ、老舗洋食店「グリル一平」の4代目社長、山本憲吾氏にもお話を伺いながら、洋食を学ぶことで描ける未来について考えていきます。
洋食と西洋料理の違いとは?
西洋料理とはフレンチやイタリアンのような欧米諸国の料理をさしますが、洋食は西洋料理をベースに日本人の好みに合わせて、白ごはんに合うようアレンジされた日本独特の食文化です。フレンチは凝ったソース、イタリアンは素材を活かしたシンプルな味付けと街の数だけ料理があると言われるほど、多様性に富んでいるのが特徴です。それに対し洋食は比較的シンプルな調理法が多く、身近な食材を用いて作られることが多いです。
ズバリ、洋食の魅力とは?
日本の食卓に定着し、国民食としても親しまれる洋食は老若男女問わず、多くの方から親しまれる料理で、日本人の主食である白ごはんともよくマッチします。素材本来の味を生かしたシンプルな料理から、手間暇かけた複雑なソースを使う料理までバラエティに富んでおり、食べる人の心を満たしてくれるだけでなく、食卓を華やかな雰囲気にしてくれます。気軽に食べられるメニューが豊富なことから洋食の大衆化が進む一方で、「ハレの日を祝う食事」としても根強い人気があり、大衆洋食から高級洋食まで幅広いニーズに対応できることが洋食の誇るべき魅力と言えるでしょう。
ここからは、70年以上続く神戸老舗洋食店「グリル一平」の4代目社長、山本憲吾氏にお話をお伺いしながら「洋食を学ぶことでどんなキャリアを描けるのか」を考えていきます。
【株式会社一神(グリル一平) プロフィール】
1952年に神戸・新開地に誕生。『グリル一平』の代名詞ともいえるデミグラスソースは淡路島産のタマネギをはじめ、選び抜いた材料をもとに5日間の工程を経て完成します。お店の看板メニューは秘伝のデミグラスソースをかけていただく「ヘレビーフカツレツ」や「オムライス」など。創業から新開地、三宮、元町、西宮の順にオープンし、現在は兵庫県下に4店舗を展開しています。
洋食の修行期間は?
『フレンチや和食の世界で、繊細で高度な技術を身につけて一人前の料理人になるには8〜10年ほどの修行期間が必要だと言われています。それに比べると洋食の修行期間は短く、グリル一平で一通りの料理を覚えるまでに要する期間は、早い人だと1年。一般的には2~3年で全ての持ち場を担当するまでに成長できると思います。』
修行は厳しいのか、厳しくないのか?
『なかなか包丁を触らせてもらえず、ずっと掃除や洗い物をやらされるというような修行は、グリル一平にはありません。経験の多さは成長スピードにつながってくると思うので、周りがしっかりフォローしつつ、早い段階からどんどん任せるようにしています。』
まずは洋食からってホント?
『フレンチやイタリアンなどの西洋料理にルーツをもつ洋食は、比較的シンプルな調理法が多く、一から料理の世界を目指す人には、割と挑戦しやすいジャンルだと思います。フレンチやイタリアンなど各ジャンルの基礎的要素も多く含まれているので、料理の世界に進むためのファーストステップとして洋食を選ぶのは良い選択ではないでしょうか 。』
洋食を学ぶことで描ける未来は?
『洋食は料理の基本を学べると言いましたが、その一方でバラエティに富んだ料理ゆえに、美味しさを追求すればするほど、新たな発見に出会う奥深さがあります。洋食の世界でまず料理の基礎を学び、その後洋食の世界を掘り進めていくのか、またはフレンチやイタリアンなどの西洋料理に挑戦するかは、その人次第だと思います。』
あとがき
ハンバーグやオムライス、エビフライといった洋食は、子供から大人まで幅広い世代に親しまれている料理。家族三世代で利用したい方に最も適したお店と言えるでしょう。また、料理人をゼロから目指す人にとって飛び込みやすいジャンルでありながら、料理そのものは奥深く、お店ごとに個性豊から味を作り上げていくことができるので、料理人として挑戦しがいがあるのではないでしょうか。
また洋食と一言にいっても、誰もが利用しやすく庶民のお腹を満たしてくれる「大衆洋食」というジャンルもあれば、ワインなどのお酒と一緒にゆったりとしたラグジュアリーな空間を楽しむ「高級洋食」というジャンルもあります。自分の好みや世の中のニーズに合わせて、そこにしかないお店を作りたい方には、すごく魅力的な食文化だと思います。
