小山シェフのもとで学び、昨年に続きC.C.C.で最高位の評価を受けたショコラティエ、中川豊。
エスコヤマで学びながら、自らの経験を積み重ね、世界の舞台で高い評価を受けるまでに成長してきました。
その背景には、日々の仕事に向き合う姿勢や、一つひとつの経験から何を学び取るかという、地道な積み重ねがあります。
そうした日々の積み重ねが、世界を驚かせる一粒のショコラへとつながっているのではないでしょうか。
第4回は、中川さんの成長を通して見えるエスコヤマでの学びの本質と、作り手として大切にしてほしいこと、そしてこれからパティシエやショコラティエを目指す皆さんへのメッセージをお届けします。
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【Q6.中川さんの成長の中で、特に印象に残っている変化や強みを教えてください。】
小山シェフ:
中川は、とても真面目で温厚な人です。僕にとっては、弟のように可愛い存在でもあります。
歴代のショコラティエの中でも、素材同士のマリアージュについて、じっくり話す時間を多く持てたスタッフですね。
彼が経験を重ねてきたのは、エスコヤマのショコラの組み合わせが、より複雑になっていった時期でもあります。その一粒を実際の商品として形にする仕事を通して、お茶やスパイス、花などの個性をどう引き出すか、どう全体のバランスを取るかを身につけてきました。
ただ強く抽出すれば、その素材が生きるわけではありません。香りを引き出しながら、渋味や苦味との釣り合いを見極め、ほかの素材やカカオとつなげる。彼は、そのバランス感覚に優れています。日々の反復の中で育ててきた力だと思います。
一緒に訪れたコロンビアのカカオ産地での経験も、大きかったのではないでしょうか。
カカオが育つ土地を歩き、生産者の方々に会い、周囲の植物や現地の食文化に触れる。その中で、僕がどんな瞬間に心を動かされるのかも、感じてくれたと思います。
同時に、彼自身の心が動いた瞬間もあったはずです。クーベルチュールの向こうにある風景や人の営みが、実感を伴ったものになった。
そうした経験を経て、学んできた技術や考え方に、自分の体験を重ね、自分の言葉で味わいを表現しようとしている。そこに、今の彼の成長を感じます。
【Q7.スタッフには、日々の仕事を通して、どのような力を身につけてほしいですか。】
小山シェフ:
まず、毎日触れているものの中に、たくさんの学びがあることを忘れないでほしいですね。
同じお菓子をつくっていても、素材の状態や、自分の手の動き、仕上がりのわずかな違いに気づける。その違いについて考え、より良い仕事につなげる。日々の反復には、自分の可能性を広げる材料が詰まっています。
そして、周りから信頼される人になってほしいと思います。
自分の仕事を正確に行う。周囲の状況に気づく。困っている人がいたら、自分にできることを考える。一緒に働く人の役に立てることは、作り手として、とても大切な力です。
コンクールに挑戦するときも、日頃のそうした積み重ねが、みんなの応援につながります。一人の作品にも、それを支えてくれる人たちの力があるんです。
もう一つは、「自分だったらどうするか」を考える習慣です。
僕や先輩の判断を聞く前に、自分なりの答えを持ってみる。そのうえで、実際の判断と照らし合わせ、なぜ違ったのかを考える。そうすれば、毎日の仕事が、判断力を育てる時間になります。
美味しいお菓子を安定してつくれること。そして、人の役に立ち、「この人と一緒に働きたい」と思ってもらえること。その土台の上に、自分の表現や将来の可能性が広がっていくと思っています。
《第3章|世界基準へと成長する人になるために。》
【Q8.これからパティシエ、ショコラティエを目指す学生たちへ、メッセージをお願いします。】
小山シェフ:
エスコヤマで働くなら、まずは、エスコヤマのお菓子を深く理解してほしいです。
よく見て、食べて、話を聞いて、まねをする。形や手順だけでなく、味わいや食感、その仕事の理由まで、自分のものにするつもりで学んでほしいと思います。
僕の話も、たくさん聞いてください。聞いたことを実際の仕事や味わいと結びつけて、自分で確かめてみてほしいんです。
そして、いつか僕に代わって、次の人のお手本になれる自分を目指してほしい。
人に伝えるには、自分が本当に理解していなければなりません。自分が学んだことを次の誰かに渡せるようになったとき、その学びは、より確かな力になります。
その過程でも、自分の「好き」や、心が動く瞬間を大切にしていてください。身につけた技術と、自分だけの経験がつながったときに、その人らしい表現が生まれるのだと思います。
僕自身、今も新しい素材に出会えばワクワクしますし、まだ知らない美味しさを見つけたいと思っています。
今日、昨日より何か一つでも気づけたか。
できなかったことが、少しでもできるようになったか。
常に、昨日の自分と勝負する。
その積み重ねを、楽しめる人でいてほしいですね。
エスコヤマで学びながら、自らの経験を積み重ね、世界の舞台で高い評価を受けるまでに成長してきました。
その背景には、日々の仕事に向き合う姿勢や、一つひとつの経験から何を学び取るかという、地道な積み重ねがあります。
そうした日々の積み重ねが、世界を驚かせる一粒のショコラへとつながっているのではないでしょうか。
第4回は、中川さんの成長を通して見えるエスコヤマでの学びの本質と、作り手として大切にしてほしいこと、そしてこれからパティシエやショコラティエを目指す皆さんへのメッセージをお届けします。
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【Q6.中川さんの成長の中で、特に印象に残っている変化や強みを教えてください。】
小山シェフ:
中川は、とても真面目で温厚な人です。僕にとっては、弟のように可愛い存在でもあります。
歴代のショコラティエの中でも、素材同士のマリアージュについて、じっくり話す時間を多く持てたスタッフですね。
彼が経験を重ねてきたのは、エスコヤマのショコラの組み合わせが、より複雑になっていった時期でもあります。その一粒を実際の商品として形にする仕事を通して、お茶やスパイス、花などの個性をどう引き出すか、どう全体のバランスを取るかを身につけてきました。
ただ強く抽出すれば、その素材が生きるわけではありません。香りを引き出しながら、渋味や苦味との釣り合いを見極め、ほかの素材やカカオとつなげる。彼は、そのバランス感覚に優れています。日々の反復の中で育ててきた力だと思います。
一緒に訪れたコロンビアのカカオ産地での経験も、大きかったのではないでしょうか。
カカオが育つ土地を歩き、生産者の方々に会い、周囲の植物や現地の食文化に触れる。その中で、僕がどんな瞬間に心を動かされるのかも、感じてくれたと思います。
同時に、彼自身の心が動いた瞬間もあったはずです。クーベルチュールの向こうにある風景や人の営みが、実感を伴ったものになった。
そうした経験を経て、学んできた技術や考え方に、自分の体験を重ね、自分の言葉で味わいを表現しようとしている。そこに、今の彼の成長を感じます。
【Q7.スタッフには、日々の仕事を通して、どのような力を身につけてほしいですか。】
小山シェフ:
まず、毎日触れているものの中に、たくさんの学びがあることを忘れないでほしいですね。
同じお菓子をつくっていても、素材の状態や、自分の手の動き、仕上がりのわずかな違いに気づける。その違いについて考え、より良い仕事につなげる。日々の反復には、自分の可能性を広げる材料が詰まっています。
そして、周りから信頼される人になってほしいと思います。
自分の仕事を正確に行う。周囲の状況に気づく。困っている人がいたら、自分にできることを考える。一緒に働く人の役に立てることは、作り手として、とても大切な力です。
コンクールに挑戦するときも、日頃のそうした積み重ねが、みんなの応援につながります。一人の作品にも、それを支えてくれる人たちの力があるんです。
もう一つは、「自分だったらどうするか」を考える習慣です。
僕や先輩の判断を聞く前に、自分なりの答えを持ってみる。そのうえで、実際の判断と照らし合わせ、なぜ違ったのかを考える。そうすれば、毎日の仕事が、判断力を育てる時間になります。
美味しいお菓子を安定してつくれること。そして、人の役に立ち、「この人と一緒に働きたい」と思ってもらえること。その土台の上に、自分の表現や将来の可能性が広がっていくと思っています。
《第3章|世界基準へと成長する人になるために。》
【Q8.これからパティシエ、ショコラティエを目指す学生たちへ、メッセージをお願いします。】
小山シェフ:
エスコヤマで働くなら、まずは、エスコヤマのお菓子を深く理解してほしいです。
よく見て、食べて、話を聞いて、まねをする。形や手順だけでなく、味わいや食感、その仕事の理由まで、自分のものにするつもりで学んでほしいと思います。
僕の話も、たくさん聞いてください。聞いたことを実際の仕事や味わいと結びつけて、自分で確かめてみてほしいんです。
そして、いつか僕に代わって、次の人のお手本になれる自分を目指してほしい。
人に伝えるには、自分が本当に理解していなければなりません。自分が学んだことを次の誰かに渡せるようになったとき、その学びは、より確かな力になります。
その過程でも、自分の「好き」や、心が動く瞬間を大切にしていてください。身につけた技術と、自分だけの経験がつながったときに、その人らしい表現が生まれるのだと思います。
僕自身、今も新しい素材に出会えばワクワクしますし、まだ知らない美味しさを見つけたいと思っています。
今日、昨日より何か一つでも気づけたか。
できなかったことが、少しでもできるようになったか。
常に、昨日の自分と勝負する。
その積み重ねを、楽しめる人でいてほしいですね。
