たった一粒のショコラで、人の心を動かす。
それも、世界中のショコラを味わってきた人たちに、これまでにない驚きや感動を届ける。
そんなショコラは、一体どのようにして生まれるのでしょうか。
小山シェフが生み出すショコラには、私たちが想像する以上に奥深い世界が広がっています。
一見すると意外に思える素材の組み合わせも、口にした瞬間、その美味しさに驚かされる。
そして、その一粒には、味わいだけでは語りきれない、作り手自身の経験や感性が詰まっています。
世界で高い評価を受け続ける小山シェフは、一つのアイデアをどのようにして完成へと導いているのでしょうか。
第2回は、一粒のショコラが生まれるまでの創作の過程と、小山シェフが考える「世界を驚かせるショコラ」について伺いました。
また、今回の投稿では、2012年と2014年にC.C.C.で高い評価を受け、アワードを受賞した当時のショコラの写真もご紹介しています。
世界を驚かせてきた作品の数々と、2019年のサロン・デュ・ショコラでの授賞式の様子も、ぜひあわせてご覧ください。
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【Q2.一つのアイデアを、一粒のショコラとして完成させるまでの過程を教えてください。】
小山シェフ:
アイデアは、一年中生まれています。素材同士の組み合わせを思いついたら、まずリマインダーに残す。それを時々見返して、今の自分が面白いと思えないものは消していきます。
そうして残った40種類ほどのアイデアについて、具体的な構成を考えます。
一層で表現するのか、二層にするのか。二層なら、ガナッシュ同士なのか、プラリネと合わせるのか、果実を凝縮したパート・ド・フリュイを重ねるのか。
その判断の中心にあるのは、「口の中で、どんな順番で味や香りを感じてほしいか」です。
最初に果実の酸味が広がり、次にお茶の香りが現れ、最後にカカオの余韻が残る。その時間の流れを考えながら、一粒を組み立てます。層の厚みもミリ単位で調整して、試食を重ねていきます。
エスコヤマには、これまで積み上げてきたレシピのデータがあります。お茶、果実、スパイス、蜂蜜など、それぞれの素材を扱うための基本があるので、その蓄積を出発点にできます。
ただし、同じお茶でも香りや渋味は違いますし、合わせるカカオによっても印象は変わります。データをそのまま当てはめるだけでは完成しません。目の前の素材を味わい、その個性を見極める経験が必要です。
最後に決めるコーティングも、とても重要です。ミルク、ハイミルク、ビターのどれを選ぶかで、同じセンターでも味わいが大きく変わります。
一つひとつの素材が美味しいこと。そのうえで、一緒に食べたときにどんな美味しさが生まれるのか。最後まで、全体のバランスを確かめていきます。
【Q3.小山シェフが考える「世界を驚かせるショコラ」とは、どのようなものでしょうか。】
小山シェフ:
まず、群を抜いて美味しいこと。そして、食べた人の中に、新しい感覚や記憶が生まれることだと思います。
初期の僕の作品には、和素材を使ったものが多くありました。京都に生まれた自分が、京都や日本のことを深く知らずに、世界に向けて何を表現できるのだろう。そう考えて、身近な素材や食文化を研究した時期があったんです。
そこから創作を続ける中で、向き合う相手は、いつも自分自身なのだと気づきました。昨日まで気づけなかったことに、今日は気づけるか。以前の自分にはできなかった表現に、一歩踏み込めるか。その積み重ねなんです。
僕のアイデアは、日常の行動や経験の中から生まれます。今、心が動いたことと、幼い頃の体験や記憶がつながることもある。自分が生きてきた時間を行き来しながら、味わいを考えています。
オリジナリティは、そういうところにあると思うんです。
僕自身は、変わったショコラをつくろうとは思っていません。皆さんが驚くような組み合わせでも、僕の中では、香りや味わいのつながりが見えている自然な発想なんです。
料理から学ぶことも多いですね。美味しいと感じたら、甘味や酸味、苦味がどう働いているのかを考えてしまう。特に「美味しい苦味」は、いつも探しています。
自分にしかない経験や感覚を、確かな技術で、誰かの喜びにつながる美味しさへと変えていく。その先に、世界の人にも届く驚きがあるのだと思います。
それも、世界中のショコラを味わってきた人たちに、これまでにない驚きや感動を届ける。
そんなショコラは、一体どのようにして生まれるのでしょうか。
小山シェフが生み出すショコラには、私たちが想像する以上に奥深い世界が広がっています。
一見すると意外に思える素材の組み合わせも、口にした瞬間、その美味しさに驚かされる。
そして、その一粒には、味わいだけでは語りきれない、作り手自身の経験や感性が詰まっています。
世界で高い評価を受け続ける小山シェフは、一つのアイデアをどのようにして完成へと導いているのでしょうか。
第2回は、一粒のショコラが生まれるまでの創作の過程と、小山シェフが考える「世界を驚かせるショコラ」について伺いました。
また、今回の投稿では、2012年と2014年にC.C.C.で高い評価を受け、アワードを受賞した当時のショコラの写真もご紹介しています。
世界を驚かせてきた作品の数々と、2019年のサロン・デュ・ショコラでの授賞式の様子も、ぜひあわせてご覧ください。
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【Q2.一つのアイデアを、一粒のショコラとして完成させるまでの過程を教えてください。】
小山シェフ:
アイデアは、一年中生まれています。素材同士の組み合わせを思いついたら、まずリマインダーに残す。それを時々見返して、今の自分が面白いと思えないものは消していきます。
そうして残った40種類ほどのアイデアについて、具体的な構成を考えます。
一層で表現するのか、二層にするのか。二層なら、ガナッシュ同士なのか、プラリネと合わせるのか、果実を凝縮したパート・ド・フリュイを重ねるのか。
その判断の中心にあるのは、「口の中で、どんな順番で味や香りを感じてほしいか」です。
最初に果実の酸味が広がり、次にお茶の香りが現れ、最後にカカオの余韻が残る。その時間の流れを考えながら、一粒を組み立てます。層の厚みもミリ単位で調整して、試食を重ねていきます。
エスコヤマには、これまで積み上げてきたレシピのデータがあります。お茶、果実、スパイス、蜂蜜など、それぞれの素材を扱うための基本があるので、その蓄積を出発点にできます。
ただし、同じお茶でも香りや渋味は違いますし、合わせるカカオによっても印象は変わります。データをそのまま当てはめるだけでは完成しません。目の前の素材を味わい、その個性を見極める経験が必要です。
最後に決めるコーティングも、とても重要です。ミルク、ハイミルク、ビターのどれを選ぶかで、同じセンターでも味わいが大きく変わります。
一つひとつの素材が美味しいこと。そのうえで、一緒に食べたときにどんな美味しさが生まれるのか。最後まで、全体のバランスを確かめていきます。
【Q3.小山シェフが考える「世界を驚かせるショコラ」とは、どのようなものでしょうか。】
小山シェフ:
まず、群を抜いて美味しいこと。そして、食べた人の中に、新しい感覚や記憶が生まれることだと思います。
初期の僕の作品には、和素材を使ったものが多くありました。京都に生まれた自分が、京都や日本のことを深く知らずに、世界に向けて何を表現できるのだろう。そう考えて、身近な素材や食文化を研究した時期があったんです。
そこから創作を続ける中で、向き合う相手は、いつも自分自身なのだと気づきました。昨日まで気づけなかったことに、今日は気づけるか。以前の自分にはできなかった表現に、一歩踏み込めるか。その積み重ねなんです。
僕のアイデアは、日常の行動や経験の中から生まれます。今、心が動いたことと、幼い頃の体験や記憶がつながることもある。自分が生きてきた時間を行き来しながら、味わいを考えています。
オリジナリティは、そういうところにあると思うんです。
僕自身は、変わったショコラをつくろうとは思っていません。皆さんが驚くような組み合わせでも、僕の中では、香りや味わいのつながりが見えている自然な発想なんです。
料理から学ぶことも多いですね。美味しいと感じたら、甘味や酸味、苦味がどう働いているのかを考えてしまう。特に「美味しい苦味」は、いつも探しています。
自分にしかない経験や感覚を、確かな技術で、誰かの喜びにつながる美味しさへと変えていく。その先に、世界の人にも届く驚きがあるのだと思います。
