社会に出て働くようになると、ときに先輩から、叱責や厳しい指導を受けることがあります。
「怒る先輩は、怖い」「自分のことが嫌いなのかも」と、思ったあなた!
実はソレ、大きな誤解かもしれません。
今回は、現場歴20年以上のベテラン監督が登場!
叱るか見守るか、その微妙なさじ加減に悩む本音を、笑いあり、涙あり(!?)で語っていただきました。
話をお聞きしたのは・・・・・・
エルディ株式会社(本社:福井県福井市)
マンション・ホテル・オフィスビル・福祉施設など、あらゆる建物の建築設計、施工、管理を手がける総合建設会社。建物に合わせて独自の工法を用いることで、高品質・低価格を実現し、お客様の信頼にお応えしています。
長野 光佑さん(工事長)2012年中途入社
施工管理歴20年以上の超ベテラン監督。職人さんたちから「次も長野さんの現場で!」とラブコールが絶えない、背中で魅せる誠実リーダーです。
── 現場で厳しくなるのはどんな場面ですか?
建設現場は安全第一。一瞬の気の緩みが事故や大損害につながります。だから危険につながる行為があるときは、迷わず叱りますね。たとえば、高所作業で安全帯を付けずに登ろうとしたり、ヘルメットを被らずに現場に入ろうとしたり……。そういうときは自然に声が大きくなったり、厳しい口調になったりすることもあると思います。
私たちも、できれば穏やかに伝えたいですよ。でも、次の瞬間に事故が起きないとも限らない。「危なかった」では済まない事態を防ぐため、厳しく言わざるを得ないところはあります。
私たちも、できれば穏やかに伝えたいですよ。でも、次の瞬間に事故が起きないとも限らない。「危なかった」では済まない事態を防ぐため、厳しく言わざるを得ないところはあります。
── たしかに!命にかかわることですからね。
そうなんです。若手や経験の浅い人はどうしても「これくらいはいいだろう」と思いがち。現場の職人さんに対しても、年上の人ばかりなので言いにくい、という気持ちもわかります。でも、予測不能なことが起きてもおかしくないのが現場。「危険を見逃さない目」を養うためにも、安全に関することには妥協なく、ダメなものはダメ、と伝えるようにしています。
── 安全以外で、厳しく伝えることはありますか?
連絡や報告が滞っているときですね。現場は判断のスピードが命ですから、職人さんから質問されて、自分では答えられないとき、『事務所に帰ったら先輩に聞いて、明日答えよう』なんて考えていたらアウト!その間、職人さんの作業が止まってしまい、後の工程に大きく響くこともあります。
質問、相談、連絡にはその場で即対応する。それが鉄則ですね。対応が遅いと周りから信頼されませんし、信頼されないと現場はうまく回らない。つらい思いをするのは本人。だからこそ、あえて厳しく指導します。
── 伝える際に気をつけていることはありますか?
めちゃくちゃ気を遣いますね(笑)緊急のときは、とっさに大声を出すこともありますが、頭ごなしに叱っても相手は委縮するだけだと思うんです。だからまずは、なぜそうなったのか、という背景を聞いたり、なぜ叱るのか、という理由を伝えたりすることは心がけています。
でも、正直難しいんですよ。優しすぎても成長を妨げるかな、と悩むこともあります。厳しい話の後、若手がしょんぼりしていると「言い過ぎたかな?」と気になり、変なフォローをしてしまうことも。どっちやねん!って、自分に突っ込みいれたくなります(笑)
でも、正直難しいんですよ。優しすぎても成長を妨げるかな、と悩むこともあります。厳しい話の後、若手がしょんぼりしていると「言い過ぎたかな?」と気になり、変なフォローをしてしまうことも。どっちやねん!って、自分に突っ込みいれたくなります(笑)
── 教えるときは手取り足取り?それとも任せて伸ばす?
基本的には、まずは1から10まで教えます。全員が同じペースで成長するわけではないので、それぞれに合った関わり方の見極めは難しいですし、タイミングや言葉の選び方にも気を遣います。
一方で、若手には自ら考える力を養ってもらいたいので、1から3を教わったら4、5を自分で考えてやってみる、という姿勢があると「お、いいぞ!」と思いますね。失敗しながら経験した方が成長は早い。だから、自ら動く人にはどんどんチャンスを与えています。
一方で、若手には自ら考える力を養ってもらいたいので、1から3を教わったら4、5を自分で考えてやってみる、という姿勢があると「お、いいぞ!」と思いますね。失敗しながら経験した方が成長は早い。だから、自ら動く人にはどんどんチャンスを与えています。
── あえて何も言わずに見守る場面もありますか?
もちろんあります。私自身、自分で考えて動きたいと思うタイプなので、若手にもできるだけ任せるようにしています。失敗してもフォローはできる。大事なのは、次に同じ失敗を繰り返さないことです。
ただね…… 見守るのって本当に難しいんですよ。「自分がやった方が早い」と思うことも多いし、つい口を出してしまって反省する日もあります。ぐっとこらえて見守るって、結構大変なんですよ(泣)
── 若手にとっては、上司は“何でもできる人”に見えがちですが……
いやいや(笑)、全然そんなことないです。どれだけ経験を積んでも、現場が変われば進め方や課題は変わりますし、責任も大きくなるので頭を悩ませることは多くなります。
また、新人さんはいろいろ覚えるために勉強しますが、教える私たちも「どう教えるか」という正解のない学びを、日々模索しながら続けているんです。正直、実務的な仕事より、教育や育成の方が難しいと感じることもあります。私たちにも、悩みはあるんですよ(笑)
── 最後に、学生さんへのメッセージをお願いします。
先輩からはいろいろ言われるかもしれませんが、それは早く成長して欲しい、後々困らないように、との期待があってのこと。「自分はダメなんだ」と思わず、言われたことを次は言われないようにしよう、と心がけていけば、それが成長につながります。
私たちも、いつまでも現場に立ち続けられるわけではありません。だから、若手が育ってくれるのはすごく嬉しいです。完璧を目指さなくていいから、それぞれの得意を活かして、チームの中で自分らしく活躍してほしいと思っています。安心して飛び込んできてくださいね。
