住宅業界では、目を引くデザインや最新設備に注目が集まりがちです。けれど、日々の暮らしに本当に必要なのは、「安心して長く住み続けることのできる住まい」ではないでしょうか。 今回は、創業から一貫して「街の暮らしとともに」の理念を掲げる建設会社の事例を紹介しながら、暮らしに寄りそう家づくりの本質について、一緒に考えていきたいと思います。
今回私たちが伺ったのは……
【田中住建株式会社】(本社所在地:兵庫県伊丹市)
1970年の創業以来、地域の土地・人・暮らしを守り続ける総合建設会社。土地探しから設計・施工・アフターサービスまで、ワンストップで手掛ける機動力が強み。住宅、商業施設、公共建築などあらゆる建物で、地域の信頼と実績を重ねている企業です。
◎高い技術力で、穏やかな暮らしを
田中住建が大切にしているのは、“見えない部分こそ暮らしの質を左右する”という家づくりの姿勢です。省エネ基準や耐震等級をはじめとする性能を重視し、構造は数値に基づいて緻密に計算・設計されています。また、耐震・断熱・気密といった基本性能を備え、安心して長く暮らせる住宅を提供していることも、同社のこだわりのひとつです。
こうした構造の確かさを支えるのが、熟練の大工職人たちの存在です。図面に従うだけでなく、現場での微調整や工夫を重ねながら、一棟一棟を丁寧につくり上げていく。計算された設計と職人の経験値が組み合わさって、一層たしかな品質を実現しているのです。 そして、同社の現場では、監督・大工・職人の信頼関係が深く、日々のやり取りも非常にスムーズ。日頃のコミュニケーションが密だからこそ、高い品質を保ちながら効率良く工事を進めることができているのだそう。“信頼される家づくり”の土台には、この関係性の良さがしっかりと息づいています。
◎暮らしに根ざした設計と、寄り添う提案力
田中住建が手がける住宅には、注文住宅と分譲住宅の2種類があります。共通して同社が大切にしているのは、「住む人の暮らしに寄り添う」という視点です。たとえば、キッチンから洗面・ランドリースペースへの動線や、玄関から収納・リビングへの流れなど、日常の動きを想定して細部まで設計に反映。リアルな生活を踏まえた“暮らしに根ざした設計”も、田中住建ならではのこだわりです。
注文住宅においては、あらかじめ用意されたプランをベースにするのではなく、お客様の要望を一から丁寧にヒアリング。20年後・30年後の暮らしまで見据えた間取りや仕様を提案することもあります。「お客様と共に理想の住まいを創りあげていく過程は、パズルのピースをひとつひとつ埋めていくよう」。難しいご要望に対しても「できるにはどうしたら良いか」を前向きに考え、より良い方法を提案して形にしていきます。
◎分譲でも「選ぶ」ではなく「一緒につくる」
分譲住宅においても、田中住建の家づくりには“暮らしへのまなざし”が込められています。立地や想定される入居者層に応じて、本当に使いやすい間取りや仕様を計画することもこだわりのひとつ。たとえば、将来的に一部屋を二部屋に分けられる設計や、限られた敷地内でも緑を植えられるスペースを確保するなど、住んでからの満足度を大切にした工夫が随所に施されています。
さらに、同社の分譲住宅では、設計の前段階からお客様と打ち合わせを行い、間取りや仕様を決めていくケースもあります。こうした「注文住宅のような分譲住宅」が可能なのは、関連会社にディベロッパー部門を持ち、自社で分譲地の確保ができる体制が整っているから。できあがった家を選ぶのではなく、一緒につくるプロセスを楽しめる。そんな柔軟な家づくりが、多くのお客様からの信頼に繋がっています。
◎アフターメンテナンスを大切にする理由
「建てて終わりではなく、建ててからが本当のお付き合いの始まり」そう、田中住建は考えています。その姿勢を体現するのが、「家価値60年サポート」という長期アフターサービス制度です。 この制度では、24時間対応のトラブル受付や定期点検、履歴管理などが整備されており、住まいに何かあったとき、すぐに相談が可能。また、どのようなメンテナンスを行ったかを「家歴」として記録に残すことで、住まいの信頼性を長期的に支え、将来の売却時にも価値を証明できる仕組みとなっています。
「家が建ってから役目を終えるその日まで、責任を持って見守りたい。だからこそ、私たちの会社も長く存続し続けなければならないと思っています」そう話す廣本社長の力強い言葉からも、誠実で実直な企業姿勢を感じることができました。
◎まとめ
田中住建の取り組みから伝わってくるのは、その本質に真っすぐ向き合おうとする誠実な姿勢です。すべてはお客様に“安心して住み続けられる家”を届けるため、そして地域の暮らしをより豊かにするためのに。地域のためを思う気持ちが、家づくりの考え方や姿勢にしっかりと反映されていました。 真の「家づくり」とは、図面を描き、現場を動かすだけで完成するものではありません。そこに住む人の人生を想像し、支え続ける環境を整えること、それが建築に関わる者の責任であり、やりがいでもあるはずです。
田中住建の事例から伝わってくる、性能や構造へのこだわり、暮らしに即した設計、ご要望に丁寧に寄り添う対応、そして建てた後も長く支える責任感。これらの学びが、仕事への理解を深めるきっかけになることを願っています。
