建設業界には「忙しい」「休みにくい」といったイメージがつきものです。
そんな中、大阪のある建設会社では
年間休日120日以上、有給消化率100%、残業ほぼゼロ
という、理想のような働き方を実現しています。
今回は、そんな働きやすさを実現する工夫や、カルチャーの裏側をご紹介します!
お話を伺ったのは……
【株式会社イズミクス】(大阪府堺市)
近畿エリアを中心に、公共事業における外壁改修、耐震工事、マンション大規模修繕などを手がける総合建設会社です。近畿エリアを中心に豊富な実績があり、東京と沖縄にも支社があります。
1、 制度としての「働きやすさ」
イズミクスでは、「働きやすさ」を制度として形にし、数値化しています。まず注目すべきは、年間休日120日以上、有給休暇の消化率100%という数字。現場仕事が中心となる建設業界において、ここまで明確に休みを確保できている事例はそう多くはありません。
「休むことに後ろめたさを感じてほしくない」という考えのもと、有給休暇は個人の希望に応じて自由に取得できる体制が整えられています。繁忙期を終えたタイミングでは、2週間以上の長期休暇を取得する社員もおり、心身のリフレッシュにつながっています。
こうした休暇取得を支えているのが、現場体制の工夫です。同社では特定の現場を持たない嘱託社員を配置するほか、必要に応じてフリーランスの現場監督にも業務を委託。現場に常駐する社員も、土日休みや有給休暇が取りやすくなるよう、交代制や複数人体制といった柔軟な仕組みを構築しています。
また、残業についても明確なルールを設けており、オフィスは定時(18時)とともにほぼ無人になるのが日常です。残業については総務部が常時把握をして、一人ひとりの業務量が過多にならないよう調整しています。
2、 文化としての「働きやすさ」
制度があるだけでは、本当の意味での働きやすさは実現できません。イズミクスの強みは、その制度を支える「文化」が社内に根づいていることにあります。
たとえば、休暇の取得を促すのは上司の役割でもあります。若手社員が遠慮しがちな場面でも、上司が積極的に「しっかり休んでいいよ」と声をかける文化があり、安心してリフレッシュできる雰囲気が形成されています。
業務においても「お互いにフォローし合う」空気があり、誰かが困っていたら自然と手を差し伸べるのが当たり前。そんな文化がある会社だからこそ、有給消化率100%や長期休暇の取得といった制度が、現実として機能しています。
さらに、直近の10年間は社員数が右肩上がりで増えており、離職者はほとんど出ていません。お互いを思いやる文化が、長く働ける環境をつくり出していることがわかります。
3、 働きやすさへの取り組みは未来への投資
イズミクスが「働きやすさ」を重視するのは、今だけでなく、将来を見据えた取り組みでもあります。「厳しく育てる」時代から、「気持ちよく働ける環境をつくる」時代へと変化する中、2024年からは現場の中堅層を対象にした研修がスタートしました。テーマは、部下への接し方や、ハラスメントを未然に防ぐ指導法など。管理者層の意識変革が進むことで、現場のマネジメントもより対話的で柔軟なものへと進化しています。
また、多様性のサポートという点では、プライベートとの両立を支える体制づくりにも注力しています。たとえば、男性社員が育児や学校行事に参加しやすくなるよう柔軟な休暇取得を可能にし、社内全体でサポートし合う体制を整備。現在は、厚生労働省が認定する「くるみん認定」(子育てサポート企業)の取得に向けた準備も進めています。
まとめ&学生さんへのメッセージ
社員が安心して働き続けられる会社をつくることは、簡単ではありません。特に建設業界では、現場ごとに異なる対応や、厳密な工程管理が求められるため、柔軟な働き方を支えるには会社側にも大きな工夫と覚悟が必要です。
イズミクスは、「人を大切にする」「無理をさせない」という考えを軸に、制度や文化を整えてきました。休暇がとれる仕組み、助け合う風土、対話を重視する育成体制。それらはすべて、「気持ちよく働ける環境」を本気でつくろうとしてきた積み重ねです。
けれど、制度があるだけで、すべてがうまくいくわけではありません。制度が活きるかどうかは、それをどう受け取り、どう活かすか、社員一人ひとりの姿勢にもかかっています。自分の段取りを工夫してしっかり休む。仲間と協力し合いながら現場を回す。困ったときに声を上げる勇気を持つ。そうした「働く人の努力」もまた、この会社の働きやすさを支えているのです。
学生の皆さんにとって、「会社選び」は将来を決める大きな一歩です。そしてその先には、自分自身で環境を活かし、学び、成長していく姿勢が求められます。イズミクスの事例からは、「働きやすさとは、会社と社員が共につくっていくもの」だということが伝わってきます。就職活動を進めるうえでは、そんな視点も持ちながら、自分に合った職場を見つけてくださいね。
