「作り手が見える食材」を、お客様の前に
料理を作るうえで、私には昔からのこだわりがあります。それは、産地や作り手が分からないものは使わない、ということ。例えばアスパラ一本でも、「これは伊達市の○○農家さんのもの」と、作り手まで分かるものを選びます。鉄板焼きでお客様の目の前に料理を出すとき、「このじゃがいもはどこ産のですか」と問われて答えられないようでは、自信を持ってお客様にお出しできる料理にはならないと考えているからです。
洞爺湖周辺は、海・湖・畑がそろう食材の宝庫です。噴火湾の魚市場、契約農家の畑、地元の道の駅にも自分の足で出向き、納得できた食材だけを選びます。春から初夏にかけて獲れるサケのトキシラズやウニのフェアでは、各レストランがそれぞれの料理で素材を表現しています。ただ作るのではなく、「お客様にとっての価値」をつくる。それが料理人の仕事だと考えています。
10以上の部署で、自分の専門と幅広い経験の両方を
ウィンザーホテルには、和食、洋食、中華、鉄板焼き、鮨、製菓・製パンなど、部署が10以上あります。新卒で入社する方には、入社直後からブラザー&シスター制度で先輩が相談役につきます。研修期間を経て、適性を見ながら希望に合わせて部署へ配属。本配属後は、先輩について実務を一つずつ覚えていきます。
特徴的なのは、「自分の専門を深めながら、他のジャンルにも触れられる」こと。宴会調理が忙しい時は和洋中の垣根を超えて手伝いに入りますし、状況にもよりますが、希望すれば洋食から鮨へ、和食からイタリアンへの異動もありえます。覚えようと思えば、パンもペストリーも、鮨も肉料理も中華も、すべてこのホテルで学べます。あとはやる気次第。これだけの幅を一つの職場で経験できる環境は、なかなかありません。
若手の挑戦を、現場が後押しする
昔のように「自分の時間で勉強しろ」という時代ではありません。勉強したい技術には現場で時間を作り、挑戦したい仕事や提案があれば、年齢に関係なく機会を提供する。私たちはそういう体制を整えてきました。
実際に、鮨部門の若いスタッフが酒粕を使ったチーズケーキを提案してきたときも、試食して「これは美味しい」と判断し、販売を決めました。ペストリーやパンの部門でも、若手から「こんなケーキを作ってみたい」「このパンを売りたい」という声がよく上がります。良いものは取り入れ、改善が必要なものはヒントを返す。一方的に否定するのではなく、共に考えて次へつなげる。それが、私たちが大切にしている調理場のあり方です。
「非日常が日常になる」働き方
ウィンザーホテルは、洞爺湖を望む山の上にあります。都市から離れた立地に、不安を感じる学生もいるかもしれません。でも私は、若い頃から「都会であろうと田舎であろうと、勉強できるかは自分の意志次第」と思ってきました。今はネットでつながれる時代ですし、生活環境は思うほど関係ありません。
それより伝えたいのは、ここでしか得られないものがあるということ。四季の移ろいを肌で感じて食材の変化を学ぶ。自転車、スキー、ゴルフ、自分で畑を持つことも、漁師さんとの交流も、すべて休日の選択肢になります。非日常が日常になる、それがこの土地の魅力です。寮も整っており、安心して暮らせる環境があります。料理人として、そして人としての両方を、ここで育てていきませんか?
