僕が今まで出会ってきた現場監督の中で、仕事ができると感じる人はたくさんいます。そんな人たちを見ていると、とある共通点があることに気付きました。それは「疑問力が高いこと」です。
今回は、疑問を持つことの大切さと、どうやって疑問を持つことができるのかというお話をしていきたいと思います。現場監督に限らず、どんな仕事をしていくにせよ大切な考え方ですので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
◆学生と社会人の「学び」の違い
「学び」というと、なんだか少し嫌な気持ちになってしまう人が多いのではないでしょうか。学ぶことを、心の底から楽しんでいる人はなかなかいないかもしれません。でも残念ながら、仕事を始めてからも学びは続きます。
と言いますか、学校にいる時よりも仕事をしてからの方が、はるかに学びお量は多くなります。例えば先輩から教えてもらう事とか、現場で見るもの聞くものから得られる事も、毎日が学びです。
またこうやって文章を読んでみたり、研修を受けたりすることも学びの一つですよね。一見、学生の時の学びと何ら変わらないように思いますが、実は仕事をし始めてからの学びは根本的に違います。
学生の時代は、先生から知識をもらうだけの、一方通行の学びです。つまり姿勢は常に受け身であり、言われたことを吸収するのが基本の、「受動的な学び」だったのです。それが何の役に立つのかは関係ありませんでした。
ところが、仕事を始めてからの学びはそうではありません。誰かが勝手に教えてくれることはなく、自分が知りたいことを自分で学びに行くことが基本となります。つまり、「主体的な学び」なのです。
◆学びは「疑問」から始まるべき理由
では質問します。受動的な学びと、主体的な学び。どちらが吸収が早いでしょうか?答えは、もちろん主体的な学びです。進んで何かを学ぶ方が圧倒的に吸収が早いのは、なんとなく理解できますよね。
じゃあ、その主体的な学びはどこから出てくるのでしょうか。その答えは「疑問」です。お金持ちになりたい、仕事ができるようになりたい、楽しく遊びたい。まずはそういう願望が先にあり、それをどう叶えていけばいいのかを考えたとき。そこに生まれる「どうやったらいいんだ?」という疑問こそが、主体的な学びを作るのです。
方程式の解き方は覚えていますか?因数分解は?あまり覚えていないですよね。これはなぜかというと、何に使うのかがわからなかったからです。
本当に身になる学びとは、まずは目標がある事があり、それを叶えるために生まれる疑問を、解決するために学びです。学べば前に進むことができるとわかっている。だから吸収できるのです。
◆疑問が出てこないことはない!
とはいえ、そんな大きな目標は持てない人もいますよね。その場合、有効な疑問は生まれないということになってしまいます。だったら成長をすることをあきらめた方がいいの?というと、そういう事ではありません。
僕の見てきた、仕事のできる現場監督たちは、全員が大きな目標を持っていたかと言えばそんなことはありません。そうではなく、疑問を生み出す「コツ」を知っていたのです。
ここから皆さんに、どんな些細なことからでも成長できる方法、つまり疑問を生み出す方法を教えていきたいと思います。
僕は、新人研修をオンラインでやっています。その中では毎回、疑問を生み出す訓練としています。最初はなかなか出てこないのですが、後半になるに従って疑問が出るようになります。コツがわかるからです。
例えば、「図面の書き方」というレクチャー動画があったとします。それを見ていただいたとします。この段階では、ただ「見れと言われたから見た」という受け身の学びですよね。
きっと「大体言ってることはわかった」といって飛ばし飛ばし視聴することでしょう。そこには疑問も生まれません。なぜならこの段階の脳は、「学ぶモード」に入っているから。ただ一方的に吸収する側に脳が動いているのです。
その証拠に、「はい、図面を書いて見てください」と言うと、受講生たちはその時になって初めて思います。「ん?何から始めれば?」と。
要するに、そこに疑問がなかったわけではなく、本来あるはずの疑問に気付けていなかっただけなのです。「理解すること」が目的になってしまい、「行動する」という目的ですっぽり抜け落ちていたわけです。
◆使いたいから、知りたい
海外に行きたいけど、英語が話せない。ChatGPTを使ってみたいけど、使い方がわからない。あの子に声を掛けたいけど、なんて話しかければいいかわからない。学びとは、常に「行動する」ことが目的であり、そのために方法と意味を知ろうとするものなのです。
つまり、疑問を生み出すコツとは「目的を明確にする」こと。脳みその使い方を「学ぶモード」から、「行動するモード」に切り替えるのだけでいいのです。それだけで、疑問はどんどんあふれてくるでしょう。
もしも僕が今、銃の仕組みについての講義をし始めたとしたら、眠くなりますよね。ですが、もしあなたが今から「銃の試し打ち」を行うとしたら、銃の仕組みについてしっかりと聞くと思うのです。
なぜなら、うまく銃を扱えないと危険があるかもしれないという問題を、解決するための学びだから。もし誰も教えてくれなかったとしても、「説明してくれよ!」となりますよね?まさに疑問から始まる主体的な学びと言えます。
◆それを使うとしたら?の目線
ここまでの話を踏まえ、結局どうすればいいのかをお話ししましょう。簡単に言うのならば「目線を変えなさい」ということです。
学んで終わりという学び方は、学生時代の話。仕事を始めてからの学びは、常に行動する目的が先にあります。だからこそ「学ぶ」側の目線を持つのではなく、「行動するとしたら」の目線を持つことが大切です。
例えばコピー機の使い方の説明を聞いたとしても、それはきっと、どのボタンを押すと何ができるのかという説明に過ぎません。理解はできるのかもしれませんが、それを受け取るだけでは行動に移せないのです。
だからこそ「まず最初はどうするのか」「次はどうするのか」という、自分の動きを一つ一つ想像していくことが大事なのです。説明を聞いているときに「使い方はわかったが、結局僕は何をすればいいんだ?」という気持ちがふつふつと湧き上がってきたとき。これが、最も重要である主体的な疑問となるのです。
きっと目線が、学ぶことから行動に変わりましたよね。それだけで、どんどんと疑問は湧き上がってきます。そしてそれを解決するだけで、いつでも動ける人間になる事ができるのです。
◆目線を変えて、深い学びを
学ぶ目線と、動く目線は違うとわかっていただけましたね。これだけでも疑問はたくさん出てきますし、学びは深くなります。でも、実は目線はもっとたくさんあります。
例えば、「後輩に教えるとしたら、どういう順番だと伝わるか」という教育の目線。「自分がそのコピー機を作るとしたら、どんなボタン配置にするか」という製造の目線。デザインの目線、親の目線、建築の目線・・・。
全く同じものを見ていたとしても。また、一見単純で簡単なものを見ていたとしても。目線を変えれば、わからないことだらけだと気付けるはず。つまり、どんなことでも、疑問は見いだせるはずなのです。
それをわからない人は、どんなに研修を受けようと、どんなに本を読もうと学びは薄っぺらくなります。逆に、これが理解できる人は、いろんな視点から考えることのできる、仕事ができる人になるのは当たり前だと言えます。
より素早く、より深く学ぶための最強のツールは「疑問」に他なりません。疑問から始まる学びこそが最強なのです。だからこそ、疑問を生み出すコツをお話ししました。
成長したいのであれば、疑問を探す訓練をしましょう。まずは、ただ学ぶだけの脳は捨てましょう。そして、「行動する」という目線を持つ訓練をしていきましょう。きっとあなたは、他の人を突き放すスピードで成長できることでしょう。
【プロフィール】
【プロフィール】
武田祐樹(たけだひろき)
HT RaisePLAN 代表
総合建設業に17年在職し、官民問わず数多くの実績を積む。
建設業の効率的な働き方を実現するため、
現在はオンラインを中心に活動し、
中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家としても活躍。
現在はオンラインを中心に活動し、
中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家としても活躍。
【保有資格】
1級建築士、1級建築施工管理技士、1級土木施工管理技士
【運営事業】
◇GENBA Lab.(現場ラボ)運営
オンライン新人研修、効率化サポート
https://genba-lab.com/
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◇その他オンライン講師、オンラインセミナー活動も実施
【メディア活動】
◇YouTubeチャンネル【建設業を持ち上げるTV】
https://www.youtube.com/c/nextconstruction
◇音声配信【たけだの作業日報】
https://open.spotify.com/show/2qPIT6VYOzjcp9eBrFODLI
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