2週間に一度、僕はYouTubeライブを行っており、そこではたくさんの新人やベテランの施工管理の人から質問をいただきます。なかでも、ときどき聞かれる内容が「成長していくために、新人はまず何をするべきですか?」という趣旨の質問です。
これに対し、僕はいつも「まずは先輩の言うことを聞いてください」と答えています。今回は、その理由についてお話しいたします。「先輩の言うことを聞け」なんて、簡単に聞こえるかもしれませんが、実はその背後には深い考えがあります。ぜひ読み進めてくださいね。
◇疑う?従う?の矛盾
僕は、建設業の働き方をもっとスリムにしていこうという、働き方改革や業務効率化に関する専門家として活動しています。その中でよく言っていることがあります。それは「先輩の意見が常に正しいわけではない。常に疑ってかかれ」という事です。
この意味は、仕事にはゴールがあり、それを達成するためのやり方は、常に無限通りあるという意味です。つまり、先輩のやり方がいつも正しいと信じてしまうと、時代遅れのやり方を延々とやり続ける事にもなってしまいますよ、ということが言いたいのです。
「まずは先輩の言うことを聞いてください」という、冒頭の話と矛盾するように感じるかもしれません。でも、どちらも大切な考え方。新人が最初にするべきこととしては、間違いなく「先輩の言うことを聞いて早く吸収する」ことをおすすめします。
◇先輩のたどってきた道
では、なぜ先輩の言うことを聞かなければいけないのか。この話をするためには、先輩たちの辿ってきた道のりをさかのぼってみるとわかります。
先輩たちも、入社した当初は新人で、何も知識がありませんでした。皆さんと同じです。しかし、何年もかけて数々の失敗や経験を重ねることで、次第に実績を積み重ねてきました。その過程で後輩ができた結果、新人から先輩へ進化しただけなのです。
その数々の失敗や経験をもとに、今のようにバリバリ仕事ができるようになっているわけですよね。だから、先輩の導き出す答えというのは、自分のしてきた失敗を、もうしないような選択になるのはお判りでしょうか。多くの試行錯誤を経て見つけた、ベストな方法なのです。
もし仮に、先輩たちがいなかったとしましょう。この場合、新人である皆さんは、何をすべきか全く分からないでしょう。でも進まなければいけない状況だった場合、とにかく試行錯誤を繰り返すしかありません。たくさんの失敗や反省を繰り返す事でしょう。
そう考えると、先輩が指示する方法は、本来皆さんがするはずだった多くの失敗や経験を、先にしてくれている人だとも言えます。その中から、より優れている方法を教えてくれているはずです。だからそれを伝えることで、後輩たちは効率的に仕事ができるのです。
◇ただ言うことを聞いてはいけない
なぜ先輩の言うことを聞くべきなのかはわかってきましたか?結局は効率よく仕事をするためであり、効率よく仕事ができるようになるためなのです。
ただし、ただ言うことを聞いて終わりでは、あなたに成長はありません。言われたことを何も考えずにやる。皆さんだっていずれ後輩ができます。その時には、多くの失敗を排除して指示を出す側になるのですから。意味も解らず行動をしていては、ロボットと同じです。
先輩の言うことを聞くのは重要です。ただし、その時にやるべきことは「考える」ことです。指示されたとおりに実行するだけでなく、「なぜそのタイミングで?」「なぜそんなことを?」と考え、その理由を理解する必要があるのです。
先輩が教えてくれているのは「失敗のしない方法」です。ならば、皆さんが考えるべきは、「どうやったら失敗するのか」です。つまり、先輩の言われた指示と違う意見を持ち、それがなぜダメなのかの理由を考える事なのです。
◇例えば「コピーをとれ」の指示
例えば今から会議が始まる場面だったとします。その時、あなたは何か資料を渡されたとしましょう。そして先輩は「このコピーをとってきてくれ」と言ってきました。おそらくこの指示は、先輩がはじき出した、失敗しない方法なのでしょう。
じゃあこの時、あなたが考えるべきことは何か。どうやったら失敗するのかです。そのためには他の方法を見つけることが重要です。例えば「手で書き写す」という方法を思いついたとします。これがなぜダメなのか。きっと、時間がかかるうえに正確性がないからでしょう。こんな感じです。
では「コピーではなく、プリンターで出力する」という方法はどうでしょうか。よく見ると、その資料は手書きのスケッチで書かれている図面が記載されていたとすれば、だから「コピー」なんだと理解できます。
「タブレットに表示する」「ホワイトボードで書いて見せる」などなど、代わりの方法はいくつか考えられます。それが先輩の失敗する方法なら、その理由を考えることこそが、あなたの成長の近道と言えるのです。だんだんわかってきましたか?
◇「失敗する方法」を常に考えよ
先輩の指示は、出した時点で多くの間違いを排除し、後輩たちに最適な方法を教えてくれます。だから技術というのは進歩し続けることができるのです。後輩に渡されるたびに洗練されているわけですから。
だからこそ、後輩になる皆さんは、ただ従うだけではいけません。間違いを避けながら最適な方法を学ぶことができるという、最高の環境を先輩が提供してくれている、そこにあぐらをかいてはいけません。常に、なぜその指示が適切なのかを考えることが重要です。
改めて言いますが、新人が最初にすべきことは何か。それは「先輩の言うことを聞くこと」なのです。でも、ただ聞いたことをロボットのように従うだけでは成長はありませんし、技術の進歩もありません。
だからこそ、それ以外のたくさんの失敗する選択肢を持とうと努力してください。そして、その選択肢の中には、皆さんが経験の中で「こっちの方が良いのでは?」という方法があるはずです。
例えばコピーをとらずに、タブレットに表示するような方法は、先輩の過去の失敗事例としてはなかった可能性があります。それはあなたの育ってきた環境だから生まれた発想と言えます。つまり、新しい仕事の進め方と言えるのです。
そういう意味で、「先輩の意見が常に正しいわけではない。常に疑ってかかれ」という話につながっていくわけです。どうでしょうか。理解できたでしょうか。
◇まとめ
先輩の指示を大切にし、その背後にある意図を考えることで、後輩たちはより効果的に成長していくことができるでしょう。後輩としては、指常に自問自答し、より深い理解を得ることが大切です。
この姿勢こそが、みなさんを素早くプロフェッショナルへと導いていくことでしょう。先を歩いてくれている先輩のように尊敬される技術者になれる事でしょう。そのためには、失敗をするべきです。
とはいえ、本当に失敗することがすべてではありません。頭の中で違う選択肢を考え、それを実行した場合どうなるかを考える。そして、あなたの頭の中で失敗をすればいいだけなのです。
常に謙虚な姿勢で先輩たちのアドバイスを受け入れること。そして、自己成長のために常に考えることを怠らないことが大切です。こうやって先輩たちとの信頼関係を築きながら、共に成長していくことで、より素晴らしい未来を築いていくことができるでしょう。
【プロフィール】
【プロフィール】
武田祐樹(たけだひろき)
HT RaisePLAN 代表
総合建設業に17年在職し、官民問わず数多くの実績を積む。
建設業の効率的な働き方を実現するため、
現在はオンラインを中心に活動し、
中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家としても活躍。
現在はオンラインを中心に活動し、
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【保有資格】
1級建築士、1級建築施工管理技士、1級土木施工管理技士
【運営事業】
◇GENBA Lab.(現場ラボ)運営
オンライン新人研修、効率化サポート
https://genba-lab.com/
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◇その他オンライン講師、オンラインセミナー活動も実施
【メディア活動】
◇YouTubeチャンネル【建設業を持ち上げるTV】
https://www.youtube.com/c/nextconstruction
◇音声配信【たけだの作業日報】
https://open.spotify.com/show/2qPIT6VYOzjcp9eBrFODLI
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