#26 現場監督って、本当はヒマなんでしょ?
現場監督として現場で仕事をしていると、たまに若い職人さんからこんなことを言われることがあります。「現場監督って、ヒマそうですよね」と。そんな時、決まって僕はこう答えます。「ヒマです」と。
嘘はついていません。本当にヒマなんです。ですが、無茶苦茶忙しいのも事実です。矛盾しているように聞こえますか?今回は、そのロジックについてしっかりと解説していきましょう。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
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◆現場監督はヒマなんです
建設現場には、大きく2種類の人が働いています。その2種類とは、施工管理と職人さんです。職人さんは、毎日毎日現場で汗を流し、建物を造るために体を使って働いています。雨の日も暑い日も、一生懸命に頑張ってくれています。
そんな折、「調子はどうですか?」と、後ろに手を組んで涼しそうな顔で職人さんに話しかける現場監督がやってくる。確かにヒマそうに見えるかもしれません。
特に若い職人さんにとってみると、少しイラっとしてしまうかもしれませんが、僕は何度も言われました。「監督ってヒマなんすか?」そして何度も僕はこう答えていました。「ヒマです」と。
でも、世間では「施工管理は激務」なんて言われています。実際、目が回るほど忙しいこともあります。ただ、基本的にはヒマなんです。どういうこと?って思いましたか?矛盾しているって思いましたか?では、詳しくお話していきましょう。
◆「今」はヒマなんです
汗を流して働く職人さんからすれば、「そんなんで高い給料取りやがって!」と怒ることもあるかもしれませんので、その受け答えは正しくないと思います。もちろん、冗談を交えて答えている部分もあります。
改めてお話ししましょう。現場を歩いている現場監督は、ヒマなんですが、でもめちゃくちゃ忙しいんです。もう少しいうなら、職人さんは「今」忙しい状況です。ですが、現場監督は「今」はヒマなんです。これがポイント。
これを理解してもらうためには、少し時間をさかのぼる必要があります。では1日さかのぼってみましょう。昨日のこの時間、果たして職人さんは忙しかったでしょうか。きっと、職人さんはまだ現場に入っておらず、きっとこの現場に関してヒマだったはず。
でも、現場監督は違います。昨日の今頃は、きっとめちゃくちゃ忙しかったはずなのです。。僕の言いたいこと、少し見えてきましたか?
以前の記事でもお話ししていますが、現場監督は別名「段取り屋」とも言われます。現場で職人さんが気持ちよく働いてもらうために、書類や安全、仕事の準備をしておくことが一番重要な仕事なわけです。
当然、職人さんが働き始めるまでの間に、準備は終わっていなければいけない。ということは、前日までに僕ら現場監督の仕事である準備は、終わらせておくわけです。
つまり、今現場で起こっていることに対して、準備をすべき僕たちが、「今」忙しかったらマズいということになります。だってそれは、準備ができていないのに職人さんが入ってきてしまったことになるのですから。現場はきっとぐちゃぐちゃになることでしょう。
要するに、現場監督の仕事ぶりに関して言うと、ここで今起こっていることは、もう「過去」のことなのです。単純な話、職人さんと現場監督とでは、働く時間軸が“ズレている”だけの話です。
◆現場監督は次の仕事を、今やっている
確かにヒマだとは言いましたが、同時にめちゃくちゃ忙しいとも言いました。もうお分かりだと思いますが、確かに今ここで職人さんが働いている内容に関しては、準備が終わっています。
ですが、工事はまだまだ続きます。今働いてくれている職人さんの仕事が終わったなら、そのバトンを受け取った次の職人さんがやってきます。一つ終わればまた次。また次。次次次というように、入れ代わり立ち代わり、工事は完成するまで続きます。
であれば、今いる職人さんの仕事に関しての準備は終わっているかもしれませんが、同時に次の仕事の準備をしている真っ最中だともいえますよね。ゆえにめちゃくちゃ忙しいとも言える、という意味なのです。
先ほど、職人さんに向かって涼しい顔で「調子はどうですか?」と話しかける現場監督がいると言いました。なぜそんなことを職人さんにわざわざ聞くのか、今までの文章を読んできてお判りでしょうか?
その理由は、何か問題があると「次」の職人さんがスムーズに仕事を開始できないことになるからです。次の職人さんが入ってきたのに、前の職人さんが詰まっていた場合。仕事をすることができません。
今の職人さんが気持ちよく仕事を進めてもらい、丁寧な仕事をしてもらい、そして所定の日数で仕事を完了する。それがあって初めて、次の仕事が始められます。だから、僕らは現場をいつもくるくると回って、それらを「確認」しているのです。
もちろんそれは。次の職人さんの為に。だって今の職人さんの仕事は、終わっているのですから。
◆ヒマな現場監督こそ優秀!
もしも今の職人さんの仕事と一緒になって、現場監督も今の仕事をしていたとします。すると現場ではどんなことが起こるか想像できるでしょうか。
職人さんが現場監督対して、「ここどうしたらいいんだい?」と聞いたとき、「・・・すぐに調べてきます!」ということになります。当然、その答えがわからない職人さんは、ずーっと待たされることになるわけです。
これは「今」の現場の仕事を、現場監督も「今」やっているから、そういうことになります。単純に準備ができておらず、先読みをすることができなかった結果、即答することができなかったということなのです。
もしこれから皆さんが施工管理として働くことになったとして。配属された現場で、仕事が止まることなく進められていたとします。止まることがないということは、つまり職人さんが活き活きと仕事をしているということです。
そんな現場の現場監督さんは、きっとヒマそうにしていることでしょう。現場を見ながら、仁王立ちをしているかもしれません。それが何を意味するのか、もう分かりますよね。それはつまり、現場監督の今の仕事が終わっていること。要するに、優秀だということです。
「ここの監督は忙しそうだな」と思った時。一見すると、よく働く人たち、頑張っている現場監督と思ってしまいがちです。でも、ここまで読み進めてきたあなたなら、少し感じ方が変わったかもしれません。
もしかしたら、全然準備が終わっていなくて、今大変になっている状況かもしれないのです。そうなると、当然次の準備もできていないことにもなります。「もしかしたら、普段頑張っていない現場監督なのでは?」とすら感じてしまったりするのです。
しっかり準備をしてあれば、「すぐ確認します!」は必要ありませんよね?現場監督は、先回りするのが仕事。だから職人さんが来る前までが忙しく、時には残業になったりもするのです。そしてだからこそ、「今」はヒマだということ。
今日の仕事は、いつも明日の仕事。そうやって未来を見続けて、予測して、準備していくことが、僕ら現場監督の難しいところであり、同時に面白いところです。そんな世界に、入ってみたくはありませんか?
【プロフィール】
【プロフィール】
武田祐樹(たけだひろき)
HT RaisePLAN 代表
総合建設業に17年在職し、官民問わず数多くの実績を積む。
建設業の効率的な働き方を実現するため、
現在はオンラインを中心に活動し、
中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家としても活躍。
現在はオンラインを中心に活動し、
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【保有資格】
1級建築士、1級建築施工管理技士、1級土木施工管理技士
【運営事業】
◇GENBA Lab.(現場ラボ)運営
オンライン新人研修、効率化サポート
https://genba-lab.com/
https://genba-lab.com/
◇その他オンライン講師、オンラインセミナー活動も実施
【メディア活動】
◇YouTubeチャンネル【建設業を持ち上げるTV】
https://www.youtube.com/c/nextconstruction
◇音声配信【たけだの作業日報】
https://open.spotify.com/show/2qPIT6VYOzjcp9eBrFODLI
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