#24 新人に知っておいてほしい、建設業の魂
建設業は、とても歴史の古い業界です。教科書で聞くような「竪穴式住居」や「高床式倉庫」など、縄文時代から建設業は存在しています。もちろん、使われる資材や工事をする方法などはどんどんと進化しています。でも、変わらない部分もたくさんあるのです。
最近よく聞くようになったChatGPTなどのAI技術が進む中、建設業も変わってきています。変わること自体、もちろん良い面もありますが、少し寂しい部分もあるのが事実です。
今回は、これから建設業界に進んでいこうとしている学生の皆さんへ、これからも残していくべき「建設業の魂」についてお話したいと思います。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
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◆建設業には「魂」がある
建設業界は、人手不足と言われる業界です。その原因の一つに「古さ」もあると思っています。パソコンやスマホを使って仕事をしている時代に、汗水を流し体を使って仕事をする。確かに、古いと思われても仕方がないように思います。
ですが、テクノロジーがあまり浸透していない仕事だからこそ、「良さ」だってあるということを知ってほしいと思います。人が足りないから、それをテクノロジーで補う。これ自体はどんどんと進むべきだと思いますが、その「良さ」を失うのは少し違うかなと思うのです。
若い皆さんには、そんな歴史深い業界ならではの魂は失わないでほしい一方で、新しい時代の見地をもって変革を進めていってほしいとも願っています。少しちぐはぐに思うかもしれませんが、だから今みんな迷っているのです。
ではその「良さ」とは何なのか。残さなければいけない建設業ならではの「誇り」や「魂」とは何なのか。それをわかってもらった上で、みなさんのような若者の発想を載せて、変わるのが一番良いカタチなんだと思っています。
ではその残すべき魂とは何か。心の中に持っていてもらいたい、建設業の根本とは何か。それをお話していきましょう。
くれぐれも言っておきますが、これは人それぞれの価値観により変わると思います。なので、あくまでも僕の主観であることは理解しておいてくださいね。
- 一つ、義理と人情
ここはどうしても外せない部分です。一見古い考え方だと思われる方がいるかもしれませんが、それでもこれは魂として伝承すべきものだと思っています。なぜなら、どれだけインターネットが発達しようとも、どんなにAIが進歩しようとも、その先には必ず「人間」がいるからです。
建築も土木も、「ものづくり」の現場で働くということは間違いありません。ですが、結局僕たちは何と仕事をしているのかと言われれば、物ではなく「人」なのです。人が使う目的で計画され、人が作ろうと本気で考える。そこから建設業は始まります。
人の為に、人が造る。結局は人の意思によって数百人、数千人という人が集まって仕事を集めていく。その結果としてできたものが、「もの」だっただけの話です。人を動かすものは、気持ち。気持ちを動かすものは、つながりです。
誰かに手伝ってもらえば、その気持ちを伝える。誰かに助けてもらえば、恩返しをする。デジタルの中のプログラムによってつながる場合は、命令通りに動いて当たり前でしょうが、人間の場合は感情があります。
相手を思いやり、時には思いやってもらう。そうやってつながっていく気持ちの掛け合いで成り立つものこそが「義理と人情」なのです。ここをなくしてしまうと、建設業は根本的に崩壊してしまうような気がします。
情に厚く、涙もろいが不器用。そんな昭和のにおいが、まだまだ色濃く残る数少ない業界なのかもしれませんね。
- 二つ、地域への安心と安全
人間に必要な3大要素は知っているでしょうか?それは「衣食住」です。衣は、衣服。着るものがないと、人間として生きていけません。食は食料。食べ物がないと生きていけないのもわかりますよね。そして住は、住む場所。安心して眠る場所だって必要なのです。
どれも大切な要素ですが、実は「住」だけは少し他と違います。なぜなら、唯一現地でしか生産できないからです。衣服や食料は、作る場所と使う場所が同じことは少ないですよね。外国でできたものも、簡単に手に入ります。
ですが建物や道路はそうはいきません。どうしても土を掘り、基礎をつくらなければ建物は完成しませんし、道路は輸送することもできません。だからこそ地元に根差し、どの土地にも必要とされるものが建設業なのです。
そこに住む人たちにとって、安心で安全な生活を作り、守り続けることが仕事。その基盤であるインフラを整備する責任を担っているわけですよね。人々が怖いと感じてしまっては本末転倒になります。だからこそ工事現場でも、安全が最優先とされるのです。
人々が生活する家。生活を守る施設やエネルギー。それをつなぎ合わせるインフラ。その全てを任されるためには「信頼」が命。社会へ貢献しているという意識を失ってしまっては、建設業の根本を失ってしまうのと同じことなのです。
- 三つ、風景を変えることへの責任
かつて地球は、草原と森が広がっているだけでした。人が誕生し、生活をはじめ、建物や道を整備することによって、今皆さんが見ている新たな景観を造り出してきました。いってしまえば、人間はいつも不自然な状況を生み出し続けているのです。
もちろん新たなものを生み出すこと自体は、悪いことではありません。高い知能が与えられた人間は、知恵をもとに文明を築いてきたのですから、その不自然さこそが存在理由です。ただ、もともと存在しないものを勝手に生み出してしまっていることは意識すべきです。
考えなしに、そして自己中心的に造り出すものには誇りは生まれません。目的を持ち、ルールを守っていかなければいけないと思います。やっぱり地図を書き換えるほどの偉業を成しえる建設業には、それ相応の責任があることだと知っておかなければならないのです。
不自然な環境を造り出すならば、せめてそこに誇りを持ってほしいと思います。胸を張って「これはお父さんが造ったんだ」と言える仕事をし続けること。それが建設業として、人間として生きていくために、守り続けてほしい感情だと思っています。
- まとめ
これが建設業において伝承すべき魂だと、僕は考えています。どんなに環境が変わろうとも、どんなに時代が進歩しようとも。絶対に変わってはいけないもの、その根っこにあるものは何なのかを、まずは理解してほしいなと思います。その上で、変割っていくのです。
人手が不足し高齢化が進む中で、どうしても必要とされるこの建設業に進もうとする、皆さんのような若者は宝物です。そんな人が「入ってみたい」と思える業界にしていくことは、先輩である僕らの責任だと思っています。
だから、もっと働きやすい環境を整えていかなければいけないと思っていますし、今のままではまずいとも思っています。ちょっと古臭いけど、なんかワクワクする。そんな職場を造ることが大切だと考えています。
ですが、入ってきてくれた皆さんには、ぜひこの「建設業の魂」だけは持ってほしいと願います。義理と人情。安心と安全。そして責任。それを誇りに戦っていける若者を、僕たちは心から歓迎します。
【プロフィール】
【プロフィール】
武田祐樹(たけだひろき)
HT RaisePLAN 代表
総合建設業に17年在職し、官民問わず数多くの実績を積む。
建設業の効率的な働き方を実現するため、
現在はオンラインを中心に活動し、
中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家としても活躍。
現在はオンラインを中心に活動し、
中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家としても活躍。
【保有資格】
1級建築士、1級建築施工管理技士、1級土木施工管理技士
【運営事業】
◇GENBA Lab.(現場ラボ)運営
オンライン新人研修、効率化サポート
https://genba-lab.com/
https://genba-lab.com/
◇その他オンライン講師、オンラインセミナー活動も実施
【メディア活動】
◇YouTubeチャンネル【建設業を持ち上げるTV】
https://www.youtube.com/c/nextconstruction
◇音声配信【たけだの作業日報】
https://open.spotify.com/show/2qPIT6VYOzjcp9eBrFODLI
https://www.youtube.com/c/nextconstruction
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その他Twitterや雑誌、各種メディアサイトでも記事を掲載
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