#19起業して思い知った、現場監督のすごさ
僕は、建築の現場監督として17年間勤め、その後独立起業しました。施工管理の仕事のすばらしさを肌で感じ、もっと魅力を伝え、そして入って来る若者を早く成長して、この楽しさを味わってもらいたい。そう考え起業したわけです。
一人で起業し、その魅力を発信しようとすればするほど、改めて気づかされたことがあります。それは「やっぱり現場監督はすごい!」ということです。今回は、現場監督の魅力や得られるスキルなど、起業して感じたそのすごさについてお伝えしたいと思います。
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◆現場監督は会社の社長?
「年商2億の社長」と聞いて、どう感じるでしょうか。きっと、すごい人なんだろうなと思う事でしょう。ちなみに年商2億というのは、2億円の売り上げをあげたということです。2億円もらっている人というわけではありません。
でもやっぱりすごいですよね。僕ら凡人に取ってみると、雲の上の話のように感じることでしょう。ところが、実はそんなことないということに、起業してみて気づきました。だって、2億円の工事現場監督も同じことをしていたからです。
2億円の工事現場がどのくらいの規模なのかというと、そこら中にある平屋建てのコンビニ2~3件分くらいです。個人の小さな病院や、3階建てくらいのマンションで4~5億円くらいの規模。
つまり2億円の現場というのは、皆さんの身の回りにたくさんあり、全く珍しくありません。そしてそれを建設する場合、それぞれに現場監督がいるわけです。彼らは「建物を建てたい」という施主さんからお金を預かり、たくさんの職人さんに働いてもらってお金を払います。そして残ったお金を利益として働いています。
よく考えると、これ自体がその辺の社長と同じだと思いませんか?何かを売り、作った人に給料を払って残った分が自分の利益になる。その何かが建物であり、作った人が職人さんに変わっただけの話。
つまり現場監督という人は、その辺の社長よりも社長みたいなことをやっているのです。僕だって5億円以上の現場所長をやってきました。起業した今になって思いますが、「2億円規模の現場監督」とは、「年商2億の社長」と何ら変わりないと言えるのです。
これってすごいでしょ?
◆何もできないから何でもできる
ところで、現場監督は現場で何をしているのでしょうか。実は、何もしていないのです。釘を打つわけでもなく、壁紙を貼ることもありません。いわゆる「匠の技」なんてものは一つも持っていない普通の人間です。
にもかかわらず、現場という組織の中ではトップに君臨しています。それはなぜかというと、「決定権」と「責任」を持つからです。もし失敗しても誰かのせいにできない責任を持ち、自分が正しいと思う方向に人を動かす決定権を持つ必要があるのです。
自分でゴールを決めることはできませんが、ストライカーにパスを出し続けていくことで試合に勝つようなイメージ。工事現場の司令塔として機能するのが現場監督なのです。
つまり現場監督になって得られる能力は、人をひきつけ、チームを成功に導くためのリーダーシップ。他の仕事ではなかなか得られないものなのです。どこでも通用する、すごい能力ですよね。
◆幅広い建設知識を持つ
建設現場を動かすために必要な知識は、膨大です。建設工事に関する法律だけでも幅が広く、工事を行うための基礎知識ですら途方もないくらいたくさんあります。それに加えて、書類を作成したりパソコンを動かして図面を描いたり・・・。
その業務種類を説明するだけでも数日かかるのではないかと思うほどにたくさんあります。それらを必要な時に必要な分だけ引き出し、現場の状況に合わせて説明したり、チェックしたりしなければいけません。
とまぁ、さも大変そうに言いましたが、もちろんいきなりそれらをできるようにならなければいけないわけではありません。毎日積み重ねていくと自然とできるようになるものなので、そこは安心してください。
ここで言いたいことは、一人前になる過程で気が付いたら手に入れている知識とスキルの数が、ものすごいあるでしょ?ということです。
法律の知識、建物や道路を建てるためのノウハウ、書類作成の事務スキル、CADソフトの操作スキル。人を集める力や、予算や請求などの経理スキルまで、本当に山のようなスキルが手に入ります。
そして、その一つ一つが起業できるくらいに専門的で、また必要とされる業務なのです。それらが、日々の業務を頑張って進めていくだけで、勝手に身についてしまっているというのは、すごいと思いませんか?
◆巨額な資金を動かせる
建設業に限らず、何か大きなプロジェクトを成功させるためには、それなりの進め方があります。きっと皆さんにはまだ想像もできないでしょうが、現場監督はそれを実際に動かしていくことになります。
設計図でそのプロジェクトのビジョンが見えたなら、そこから金額を算出して予算が決まります。その工事を完成させるために必要な、各セクションの専門家を何千人と集め、それぞれに指示を出しながら、決められた期日までに完成させるわけです。
その金額規模たるや、いちいち億単位になります。もちろん、工事規模が大きくなれば現場監督側のチームメンバーも多くなりますが、数百億円もの巨額の資金をうごかすことだて割と普通の出来事です。
普段の生活の中で、1億円に触れる事はなかなかないでしょうが、現場監督として仕事をしていると、数千万円、数億円という数字は全く珍しく感じなくなります。そのくらい、お金に対しての度胸が付き、多少の事ではビビらなくなるのです。なんかすごいですよね。
◆コミュニケーション上手に
最後に、僕が以前より記事で何度も書いている「コミュニケーションスキル」について紹介しておきます。リーダーシップともに通ってくる部分もありますが、それよりもっと身近で、毎日を充実させてくれるスキルです。
友達と遊ぶ時、恋人とデートをする時、なかなか会わない親族と会話をするときなど。人間として生活する以上、コミュニケーションは必ず発生しますし、人間関係を円滑にするためには、あって損のないスキルと言えます。
そして、コミュニケーションと一口で言っても、話をするだけにとどまりません。書類を作って意志を相手に伝えることや、写真や動画を使って伝えることだってコミュニケーションの一つですよね。
作り方、伝え方ひとつで印象はがらりと変わることだってあります。1つの現場で数百人、数千人とやり取りをする現場監督は、否が応でもこのスキルが鍛えられることになります。
得意不得意はありますが、やっぱりそういう環境にいれば、少なからず成長するもの。どんな場面でも役に立つ、人間社会における究極のスキルを鍛えることができるのです。
すごいことだと思いませんか?
◆やっぱり現場監督はすごい!
現場監督を長く経験しその後起業した僕は、少しだけそこから離れてみることができます。だからこそ、改めてこの職業のすごさに気付くのです。
多くの情報の中で良くない印象として語られることの多い、現場監督という仕事。カバーしなければいけない業務の幅広さを考えれば、やっぱり簡単ではありません。辛いと感じる場面だってあります。ですがその反面、得られるスキルもたくさんあるのは強みです。
かくいう僕も、そのスキルを使って起業したわけです。その決断をする度胸や勇気も、現場監督で鍛えられたものなのかもしれません。
今は安定した会社だって、時代が変われば安定かどうかなんて誰にも分らない世の中になってきました。だからこそ、自分自身がスキルを持つことは大いなる強みと言えます。いろんな職業がありますが、その選定基準は、「得られるスキルは何か」も考えるべき。
そういう意味で、現場監督はお勧めできる職業だと思っています。
【プロフィール】
武田祐樹(たけだひろき)
一人で起業し、その魅力を発信しようとすればするほど、改めて気づかされたことがあります。それは「やっぱり現場監督はすごい!」ということです。今回は、現場監督の魅力や得られるスキルなど、起業して感じたそのすごさについてお伝えしたいと思います。
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◆現場監督は会社の社長?
「年商2億の社長」と聞いて、どう感じるでしょうか。きっと、すごい人なんだろうなと思う事でしょう。ちなみに年商2億というのは、2億円の売り上げをあげたということです。2億円もらっている人というわけではありません。
でもやっぱりすごいですよね。僕ら凡人に取ってみると、雲の上の話のように感じることでしょう。ところが、実はそんなことないということに、起業してみて気づきました。だって、2億円の工事現場監督も同じことをしていたからです。
2億円の工事現場がどのくらいの規模なのかというと、そこら中にある平屋建てのコンビニ2~3件分くらいです。個人の小さな病院や、3階建てくらいのマンションで4~5億円くらいの規模。
つまり2億円の現場というのは、皆さんの身の回りにたくさんあり、全く珍しくありません。そしてそれを建設する場合、それぞれに現場監督がいるわけです。彼らは「建物を建てたい」という施主さんからお金を預かり、たくさんの職人さんに働いてもらってお金を払います。そして残ったお金を利益として働いています。
よく考えると、これ自体がその辺の社長と同じだと思いませんか?何かを売り、作った人に給料を払って残った分が自分の利益になる。その何かが建物であり、作った人が職人さんに変わっただけの話。
つまり現場監督という人は、その辺の社長よりも社長みたいなことをやっているのです。僕だって5億円以上の現場所長をやってきました。起業した今になって思いますが、「2億円規模の現場監督」とは、「年商2億の社長」と何ら変わりないと言えるのです。
これってすごいでしょ?
◆何もできないから何でもできる
ところで、現場監督は現場で何をしているのでしょうか。実は、何もしていないのです。釘を打つわけでもなく、壁紙を貼ることもありません。いわゆる「匠の技」なんてものは一つも持っていない普通の人間です。
にもかかわらず、現場という組織の中ではトップに君臨しています。それはなぜかというと、「決定権」と「責任」を持つからです。もし失敗しても誰かのせいにできない責任を持ち、自分が正しいと思う方向に人を動かす決定権を持つ必要があるのです。
自分でゴールを決めることはできませんが、ストライカーにパスを出し続けていくことで試合に勝つようなイメージ。工事現場の司令塔として機能するのが現場監督なのです。
つまり現場監督になって得られる能力は、人をひきつけ、チームを成功に導くためのリーダーシップ。他の仕事ではなかなか得られないものなのです。どこでも通用する、すごい能力ですよね。
◆幅広い建設知識を持つ
建設現場を動かすために必要な知識は、膨大です。建設工事に関する法律だけでも幅が広く、工事を行うための基礎知識ですら途方もないくらいたくさんあります。それに加えて、書類を作成したりパソコンを動かして図面を描いたり・・・。
その業務種類を説明するだけでも数日かかるのではないかと思うほどにたくさんあります。それらを必要な時に必要な分だけ引き出し、現場の状況に合わせて説明したり、チェックしたりしなければいけません。
とまぁ、さも大変そうに言いましたが、もちろんいきなりそれらをできるようにならなければいけないわけではありません。毎日積み重ねていくと自然とできるようになるものなので、そこは安心してください。
ここで言いたいことは、一人前になる過程で気が付いたら手に入れている知識とスキルの数が、ものすごいあるでしょ?ということです。
法律の知識、建物や道路を建てるためのノウハウ、書類作成の事務スキル、CADソフトの操作スキル。人を集める力や、予算や請求などの経理スキルまで、本当に山のようなスキルが手に入ります。
そして、その一つ一つが起業できるくらいに専門的で、また必要とされる業務なのです。それらが、日々の業務を頑張って進めていくだけで、勝手に身についてしまっているというのは、すごいと思いませんか?
◆巨額な資金を動かせる
建設業に限らず、何か大きなプロジェクトを成功させるためには、それなりの進め方があります。きっと皆さんにはまだ想像もできないでしょうが、現場監督はそれを実際に動かしていくことになります。
設計図でそのプロジェクトのビジョンが見えたなら、そこから金額を算出して予算が決まります。その工事を完成させるために必要な、各セクションの専門家を何千人と集め、それぞれに指示を出しながら、決められた期日までに完成させるわけです。
その金額規模たるや、いちいち億単位になります。もちろん、工事規模が大きくなれば現場監督側のチームメンバーも多くなりますが、数百億円もの巨額の資金をうごかすことだて割と普通の出来事です。
普段の生活の中で、1億円に触れる事はなかなかないでしょうが、現場監督として仕事をしていると、数千万円、数億円という数字は全く珍しく感じなくなります。そのくらい、お金に対しての度胸が付き、多少の事ではビビらなくなるのです。なんかすごいですよね。
◆コミュニケーション上手に
最後に、僕が以前より記事で何度も書いている「コミュニケーションスキル」について紹介しておきます。リーダーシップともに通ってくる部分もありますが、それよりもっと身近で、毎日を充実させてくれるスキルです。
友達と遊ぶ時、恋人とデートをする時、なかなか会わない親族と会話をするときなど。人間として生活する以上、コミュニケーションは必ず発生しますし、人間関係を円滑にするためには、あって損のないスキルと言えます。
そして、コミュニケーションと一口で言っても、話をするだけにとどまりません。書類を作って意志を相手に伝えることや、写真や動画を使って伝えることだってコミュニケーションの一つですよね。
作り方、伝え方ひとつで印象はがらりと変わることだってあります。1つの現場で数百人、数千人とやり取りをする現場監督は、否が応でもこのスキルが鍛えられることになります。
得意不得意はありますが、やっぱりそういう環境にいれば、少なからず成長するもの。どんな場面でも役に立つ、人間社会における究極のスキルを鍛えることができるのです。
すごいことだと思いませんか?
◆やっぱり現場監督はすごい!
現場監督を長く経験しその後起業した僕は、少しだけそこから離れてみることができます。だからこそ、改めてこの職業のすごさに気付くのです。
多くの情報の中で良くない印象として語られることの多い、現場監督という仕事。カバーしなければいけない業務の幅広さを考えれば、やっぱり簡単ではありません。辛いと感じる場面だってあります。ですがその反面、得られるスキルもたくさんあるのは強みです。
かくいう僕も、そのスキルを使って起業したわけです。その決断をする度胸や勇気も、現場監督で鍛えられたものなのかもしれません。
今は安定した会社だって、時代が変われば安定かどうかなんて誰にも分らない世の中になってきました。だからこそ、自分自身がスキルを持つことは大いなる強みと言えます。いろんな職業がありますが、その選定基準は、「得られるスキルは何か」も考えるべき。
そういう意味で、現場監督はお勧めできる職業だと思っています。
【プロフィール】
武田祐樹(たけだひろき)
HT RaisePLAN 代表
総合建設業に17年在職し、官民問わず数多くの実績を積む。
建設業の効率的な働き方を実現するため、
現在はオンラインを中心に活動し、
中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家としても活躍。
現在はオンラインを中心に活動し、
中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家としても活躍。
【保有資格】
1級建築士、1級建築施工管理技士、1級土木施工管理技士
【運営事業】
◇GENBA Lab.(現場ラボ)運営
【メディア活動】
◇YouTubeチャンネル【建設業を持ち上げるTV】
https://www.youtube.com/c/nextconstruction
◇音声配信【たけだの作業日報】
https://open.spotify.com/show/2qPIT6VYOzjcp9eBrFODLI
https://www.youtube.com/c/nextconstruction
◇音声配信【たけだの作業日報】
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