#17 デキない新人になれ!
みなさんは、これから就職をして仕事を始めることになります。きっと面接では自分をアピールしていくことでしょう。何よりまずは、自分がいかにデキる人なのかを伝え、入社させてもらわなければいけないのですから。ですが、注意してください。面接まではいいのですが、その後就職をして仕事を始めた後はそれは少し危険です。それが原因で、働くことが嫌になっていく人もたくさんいることを知っておかなければいけません。今回は、仕事をスタートしてからの心構えをお話ししていきたいと思います。
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◆デキない「新人」になれ?
さて、突然ですがこれから就職を目指すみなさんに、伝えたいことがあります。どんな会社に就職し、どんな仕事を始めるにしても、わかっておいてほしい鉄則です。それは何かというと・・・
『みなさん、デキない新人になりましょう』ということです。いきなり何を言い出すんだ、と思いましたか?僕は今までたくさんの新人さんを見てきました。その経験の中で、最初からとびぬけて仕事ができる人もいました。早い段階で先輩からの信頼を獲得し、バリバリと仕事をこなしていく姿を見ました。
ですが残念ながら、その後の仕事人生もそのまま順風満帆に過ごしていった人は、ほとんどいません。それどころか、だんだんと仕事が嫌になっていった人がほとんどです。
もちろんすべての人がそういうわけではなく、きちんと成長していった人もいます。ただ、多くの「デキる新人」はその後、ウソをつくようになってしまいました。もしくは、大きなストレスを抱えてしまいました。実はこれには、理由があるのです。
前回の記事では「最短でデキる人になるコツ」なんて話をしていましたが、今回は真逆のような話になります。ですが、心しておいてほしいのです。
改めて伝えておきます。みなさん、決して仕事のデキる「新人」にはならないでください。
◆新人はデキなくていいんです
まず最初にわかっておいてください。新人とは、仕事ができないから新人なのです。「新しく」この仕事を始めた「人」だから新人。みんな最初は素人なのですから。ここは理解できますよね。
もちろん、入った会社の先輩も上司も含めて、みんな同じ気持ちです。新人とは、デキなくて当たり前。もちろん、迷惑も掛かることは承知の上。それでも成長してもらおうと、しっかり丁寧に教えてくれるはずです。
そうやってみなさんも、そして先輩方もわかっています。にもかかわらず、なぜか入社するとついついデキる新人になろうとしてしまうのです。ちなみに僕もそうでした。いや、どちらかというと「デキない人だと思われたくない」のかもしれません。
ただどんなにカッコつけても、どんなに取り繕ったとしても。やっぱり新しい環境でチャレンジしているのですから、うまくいくはずがないんです。何度も言いますが、みんなそれはわかっています。そこは安心していいのです。
ではここから、デキる新人がたどることになる道を、シミュレーションしてみます。きっと見えてくるものがあるはずです。
◆デキる新人のたどる道
①褒められる
新人は仕事なんてできない。それがわかっているからこそ、少し仕事がてきぱきできる人に出会うと、うれしくなってしまうので先輩です。だって、教えなくても育ってくれているのですから。そんなに楽なことはありません。そんなに頼もしいことはないのです。
期待の大型ルーキーだの、将来有望だのと言われるようになります。ただ実際には言われた指示に対して、一生懸命動いただけ。なのに褒めらてしまった。結果、ついつい鼻が高くなってしまうものです。
先輩の中には「次は俺の現場に来い!」なんてスカウトを受けちゃったりします。同期の新人にも少し差をつけた気分になり、モチベーションも上がります。
②指示のレベルが上がる
一人の先輩からデキる新人認定をされると、あいつなかなかやるよ」的なウワサが、先輩の間でめぐります。そうなると、知らず知らず先輩からの指示のレベルも上がっていくのです。
本来は2年目や3年目にやるべき仕事を「やってみるか?」と、腕試しをされる。何せデキる新人なのですから。言われた方は、期待をかけられていることはヒシヒシと感じます。まだまだ入社したての新人はきっと「はい!」と元気よく答えることでしょう。
なんとかくらいついていく新人は、いろいろとやり方を聞きながら、意外とできてしまいます。それを見た先輩は、また感心してくれ、そしてもう一段階指示のレベルが上がっていくのです。
③他の先輩も頼りに
ウワサは流れ、同期の中でもリーダー的立ち位置になってきます。頭一つ抜け出た存在として、業務のレベルもそこそこに上がっていきます。会社内のみんなが、「デキる」前提で進んで行くのです。
「頑張ってるんだってな!」と、あまり接していない先輩からも声をかけられたりするようになります。そこにも、満面の笑顔で「はい!」と答える。誰もが期待をするようになっていくのです。
ただ・・・一方の新人は心の中で少しづつ不安を感じ始めるのです。社内のみんなが自分に期待している状況。でもそれに答え続けないといけないというプレッシャー。実はやったことのない基礎業務を飛ばしている事実に気付く自分。
今さら「実はわかっていない」なんて言えない空気が周りにまん延しているような気がしていきます。行き着く先は、頑張るという精神論でしかないのです。
④デキるはずのヤツ
実際には、やれと言われたことを一生懸命にやってきただけ。でも、なんとなくこなしてしまった結果、実績はないのに評価がどんどん上がっていく状況です。なんとか出来ないことではないけど、余裕がない。同期のみんなが楽しそうに仕事をする中、一人で必死に業務をこなしていくのです。
多くの人が期待をかけてくれ、それを裏切ることはなかなかできません。そうなると、初歩的な質問をできる相手がいないのです。本当は聞きたいことは山ほどあるのに・・・。
聞けないから自分で調べるしかない。自分で努力するしかない。そうやって時間がどんどん・・・。だんだんと不安が押し寄せてくるのです。
⑤ほころびが出る
周りの人たちよりも、急激なスピードでレベルの高い仕事を任されてきました。もちろんできる仕事も増えています。ですが、基礎がわかっていないこともわかってきました。
「なぜこんなこともできないんだ?基礎中の基礎じゃないか!」本来ならできなくて当たり前の業務。でも自分はデキる側の人間、だとするとできて当然の業務なのです。
周りは怒られないことでも、自分は怒られる状況。そして相変わらず、今さら聞くこともできない空気。もう「大丈夫です」しか言えません。自分で解決するしかありません。だって自分はデキるから。
⑥デキないへの転落
本来、新人はデキないのです。だから、一つでもできることが増えれば「よくできました」と加点されていくもの。そうやって順番に経験と知識を積み上げていくのです。要するに、新人の評価とは「加点法」のはずなのです。
ですが、階段を飛ばし飛ばしで上がってしまったデキる新人は、序盤戦で上の方に来てしまいました。だから、積み上げられていない下の方の段が見つかると「なぜできないんだ」と減点されるわけです。
そうです。デキる新人は高い基準からの「減点法」によって評価されるようになってしまうのです。一度上がってしまった新人は、下がることが怖くなります。そうやって、あたかもできるかのようにウソをつかざるを得ない状況になるのです。
だってもう聞けない。だってみんなできると思っている。そんなプレッシャーによって、大きなストレスを抱えてしまう可能性があるのが、デキる新人の末路なのです。
◆新人の3つの心得え
初めに言いましたが、デキる新人は嘘つきになってしまい、大きなストレスを抱えてしまう。この意味が分かっていただけたでしょうか。
もう一度言いますが、すべての人がそうなわけではありません。もちろん、そのまま大きくなっていく人だっています。でも、稀だと思います。
今までの話を読んでいくと、いろんなところで分岐点があったはずです。この時素直に聞いていれば。カミングアウトできれば。でも、人間はそう簡単じゃない様です。だから僕は、新人になる人たちに伝えている3つの心得があるのです。
1つ、新人はデキなくていい
1つ、わからなければ聞こう
1つ、実力をわかってもらおう
できないことがわかっているから、教えてくれる。その期待を裏切る必要はありません。デキないのが自然。その時期にしっかりと基礎を積み上げていくことが重要なのです。無理をする必要はないのです。
そしてわからなかったら、聞けばいいんです。それは新人に関わらず、何歳になっても忘れてはいけません。わからないなら、わかっている人を頼る。施工管理なんてその繰り返しで仕事をしているのですから。
あとは、実力以上の評価を受けないようにしなければいけません。できないのにできると思われることが一番怖いことなのです。そんな絵空事ではなく、しっかりと知識と経験を積むことができれば、誰だってデキるようになります。正当な評価を受ける方が楽しいのです。
飾らず、あかるく、そして素直に。教えてくれる時期に、力を蓄えるのです。いつか嫌でも自分の足で立たなければいけない時期は来ます。それまでは、新人の特権をフル活用して、学びまくりましょう。
新人をアピールし、しっかりと加点法で評価されておきましょう。みんなそうやってきました。焦る必要はありません。無理する必要はありません。デキる範囲で一生懸命。それで十分。
みなさん、デキる新人になんてならなくていいんですよ
【プロフィール】
武田祐樹(たけだひろき)
『みなさん、デキない新人になりましょう』ということです。いきなり何を言い出すんだ、と思いましたか?僕は今までたくさんの新人さんを見てきました。その経験の中で、最初からとびぬけて仕事ができる人もいました。早い段階で先輩からの信頼を獲得し、バリバリと仕事をこなしていく姿を見ました。
ですが残念ながら、その後の仕事人生もそのまま順風満帆に過ごしていった人は、ほとんどいません。それどころか、だんだんと仕事が嫌になっていった人がほとんどです。
もちろんすべての人がそういうわけではなく、きちんと成長していった人もいます。ただ、多くの「デキる新人」はその後、ウソをつくようになってしまいました。もしくは、大きなストレスを抱えてしまいました。実はこれには、理由があるのです。
前回の記事では「最短でデキる人になるコツ」なんて話をしていましたが、今回は真逆のような話になります。ですが、心しておいてほしいのです。
改めて伝えておきます。みなさん、決して仕事のデキる「新人」にはならないでください。
◆新人はデキなくていいんです
まず最初にわかっておいてください。新人とは、仕事ができないから新人なのです。「新しく」この仕事を始めた「人」だから新人。みんな最初は素人なのですから。ここは理解できますよね。
もちろん、入った会社の先輩も上司も含めて、みんな同じ気持ちです。新人とは、デキなくて当たり前。もちろん、迷惑も掛かることは承知の上。それでも成長してもらおうと、しっかり丁寧に教えてくれるはずです。
そうやってみなさんも、そして先輩方もわかっています。にもかかわらず、なぜか入社するとついついデキる新人になろうとしてしまうのです。ちなみに僕もそうでした。いや、どちらかというと「デキない人だと思われたくない」のかもしれません。
ただどんなにカッコつけても、どんなに取り繕ったとしても。やっぱり新しい環境でチャレンジしているのですから、うまくいくはずがないんです。何度も言いますが、みんなそれはわかっています。そこは安心していいのです。
ではここから、デキる新人がたどることになる道を、シミュレーションしてみます。きっと見えてくるものがあるはずです。
◆デキる新人のたどる道
①褒められる
新人は仕事なんてできない。それがわかっているからこそ、少し仕事がてきぱきできる人に出会うと、うれしくなってしまうので先輩です。だって、教えなくても育ってくれているのですから。そんなに楽なことはありません。そんなに頼もしいことはないのです。
期待の大型ルーキーだの、将来有望だのと言われるようになります。ただ実際には言われた指示に対して、一生懸命動いただけ。なのに褒めらてしまった。結果、ついつい鼻が高くなってしまうものです。
先輩の中には「次は俺の現場に来い!」なんてスカウトを受けちゃったりします。同期の新人にも少し差をつけた気分になり、モチベーションも上がります。
②指示のレベルが上がる
一人の先輩からデキる新人認定をされると、あいつなかなかやるよ」的なウワサが、先輩の間でめぐります。そうなると、知らず知らず先輩からの指示のレベルも上がっていくのです。
本来は2年目や3年目にやるべき仕事を「やってみるか?」と、腕試しをされる。何せデキる新人なのですから。言われた方は、期待をかけられていることはヒシヒシと感じます。まだまだ入社したての新人はきっと「はい!」と元気よく答えることでしょう。
なんとかくらいついていく新人は、いろいろとやり方を聞きながら、意外とできてしまいます。それを見た先輩は、また感心してくれ、そしてもう一段階指示のレベルが上がっていくのです。
③他の先輩も頼りに
ウワサは流れ、同期の中でもリーダー的立ち位置になってきます。頭一つ抜け出た存在として、業務のレベルもそこそこに上がっていきます。会社内のみんなが、「デキる」前提で進んで行くのです。
「頑張ってるんだってな!」と、あまり接していない先輩からも声をかけられたりするようになります。そこにも、満面の笑顔で「はい!」と答える。誰もが期待をするようになっていくのです。
ただ・・・一方の新人は心の中で少しづつ不安を感じ始めるのです。社内のみんなが自分に期待している状況。でもそれに答え続けないといけないというプレッシャー。実はやったことのない基礎業務を飛ばしている事実に気付く自分。
今さら「実はわかっていない」なんて言えない空気が周りにまん延しているような気がしていきます。行き着く先は、頑張るという精神論でしかないのです。
④デキるはずのヤツ
実際には、やれと言われたことを一生懸命にやってきただけ。でも、なんとなくこなしてしまった結果、実績はないのに評価がどんどん上がっていく状況です。なんとか出来ないことではないけど、余裕がない。同期のみんなが楽しそうに仕事をする中、一人で必死に業務をこなしていくのです。
多くの人が期待をかけてくれ、それを裏切ることはなかなかできません。そうなると、初歩的な質問をできる相手がいないのです。本当は聞きたいことは山ほどあるのに・・・。
聞けないから自分で調べるしかない。自分で努力するしかない。そうやって時間がどんどん・・・。だんだんと不安が押し寄せてくるのです。
⑤ほころびが出る
周りの人たちよりも、急激なスピードでレベルの高い仕事を任されてきました。もちろんできる仕事も増えています。ですが、基礎がわかっていないこともわかってきました。
「なぜこんなこともできないんだ?基礎中の基礎じゃないか!」本来ならできなくて当たり前の業務。でも自分はデキる側の人間、だとするとできて当然の業務なのです。
周りは怒られないことでも、自分は怒られる状況。そして相変わらず、今さら聞くこともできない空気。もう「大丈夫です」しか言えません。自分で解決するしかありません。だって自分はデキるから。
⑥デキないへの転落
本来、新人はデキないのです。だから、一つでもできることが増えれば「よくできました」と加点されていくもの。そうやって順番に経験と知識を積み上げていくのです。要するに、新人の評価とは「加点法」のはずなのです。
ですが、階段を飛ばし飛ばしで上がってしまったデキる新人は、序盤戦で上の方に来てしまいました。だから、積み上げられていない下の方の段が見つかると「なぜできないんだ」と減点されるわけです。
そうです。デキる新人は高い基準からの「減点法」によって評価されるようになってしまうのです。一度上がってしまった新人は、下がることが怖くなります。そうやって、あたかもできるかのようにウソをつかざるを得ない状況になるのです。
だってもう聞けない。だってみんなできると思っている。そんなプレッシャーによって、大きなストレスを抱えてしまう可能性があるのが、デキる新人の末路なのです。
◆新人の3つの心得え
初めに言いましたが、デキる新人は嘘つきになってしまい、大きなストレスを抱えてしまう。この意味が分かっていただけたでしょうか。
もう一度言いますが、すべての人がそうなわけではありません。もちろん、そのまま大きくなっていく人だっています。でも、稀だと思います。
今までの話を読んでいくと、いろんなところで分岐点があったはずです。この時素直に聞いていれば。カミングアウトできれば。でも、人間はそう簡単じゃない様です。だから僕は、新人になる人たちに伝えている3つの心得があるのです。
1つ、新人はデキなくていい
1つ、わからなければ聞こう
1つ、実力をわかってもらおう
できないことがわかっているから、教えてくれる。その期待を裏切る必要はありません。デキないのが自然。その時期にしっかりと基礎を積み上げていくことが重要なのです。無理をする必要はないのです。
そしてわからなかったら、聞けばいいんです。それは新人に関わらず、何歳になっても忘れてはいけません。わからないなら、わかっている人を頼る。施工管理なんてその繰り返しで仕事をしているのですから。
あとは、実力以上の評価を受けないようにしなければいけません。できないのにできると思われることが一番怖いことなのです。そんな絵空事ではなく、しっかりと知識と経験を積むことができれば、誰だってデキるようになります。正当な評価を受ける方が楽しいのです。
飾らず、あかるく、そして素直に。教えてくれる時期に、力を蓄えるのです。いつか嫌でも自分の足で立たなければいけない時期は来ます。それまでは、新人の特権をフル活用して、学びまくりましょう。
新人をアピールし、しっかりと加点法で評価されておきましょう。みんなそうやってきました。焦る必要はありません。無理する必要はありません。デキる範囲で一生懸命。それで十分。
みなさん、デキる新人になんてならなくていいんですよ
【プロフィール】
武田祐樹(たけだひろき)
HT RaisePLAN 代表
総合建設業に17年在職し、官民問わず数多くの実績を積む。
建設業の効率的な働き方を実現するため、
現在はオンラインを中心に活動し、
中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家としても活躍。
現在はオンラインを中心に活動し、
中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家としても活躍。
【保有資格】
1級建築士、1級建築施工管理技士、1級土木施工管理技士
【運営事業】
◇GENBA Lab.(現場ラボ)運営
【メディア活動】
◇YouTubeチャンネル【建設業を持ち上げるTV】
https://www.youtube.com/c/nextconstruction
◇音声配信【たけだの作業日報】
https://open.spotify.com/show/2qPIT6VYOzjcp9eBrFODLI
https://www.youtube.com/c/nextconstruction
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