施工管理って・・・実は「翻訳業」なんです
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施工管理という職業について、あまり聞いたこともなかった人がほとんどでしょう。でも日本には、およそ30万人もの施工管理がいます。そしてこの人たちが、500万人以上もいると言われる職人さんを束ね、現場を作り上げているのです。
この記事では、施工管理がそもそもどんな仕事なのかを、わかりやすく解説していきます。
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「施工管理の仕事を一言でいうと?」と聞かれると、僕は【翻訳業です】と答えます。
よくわからないですよね。でもきっと、この記事を読み終えたときには納得できるはず。ということで、ここから施工管理の仕事についてお伝えしていきます。ただしそれには、まず建物がどういう順番で造られていくのかを知る必要があります。
その前に、ここから聞きなれない言葉が出てくるので、一度整理しておきましょう。
施主:建物を建てようとしている人、会社
設計:図面を描いたり、役所に申請をする人
建設会社;施工管理の所属する会社
職人:実際に建物を建てる人たち
この4つは押さえておいてくださいね。それでは話を進めていきましょう。
まず、とある会社の社長さんが「建物を建てたい」と考えたとしましょう。すべてはここから始まります。ではその建物が実際に建設されるまでを、順を追ってみてみましょう。
①建てたい人(施主)が、設計に依頼する
②設計が、イメージを図面に変換する
③図面をもって、建設会社に依頼する
④建設会社は担当する施工管理を決め、工事スタート
⑤施工管理が、多くの職人と協力して工事を進める
⑥建物が完成し、施主に引き渡す
この6つのステップを踏んで、建物は完成します。これをざっくり要約するのなら、こうなります。
【施主が設計図を書いてもらい、それを元に職人さんに建ててもらう】
・・・あれ?と思いましたか?そうなんです。建物を建てるプロセスをざっくり要約してしまうと、そこには建設会社も施工管理も存在しなくなってしまいます。建物を建てる上では、実は施工管理はいなくても成り立ってしまうのです。これは悲しいですが事実です。
ちょっと考えてみてください。あなたの部屋の壁紙を張り替えたくなったとしましょう。自分で張り替えることができない場合、きっとあなたはネットで検索し、「内装屋さん」に電話をするでしょう。わざわざ建設会社を探して・・・なんてことはしないはずです。
このように、本来は「依頼主」が、直接「工事をする人」に連絡をして進めるのがスムーズだと言えますよね。伝言ゲームになってしまうと、間違いも起きてしまうわけですから、人数は少ない方が正確に伝えられます。
このように、本来は「依頼主」が、直接「工事をする人」に連絡をして進めるのがスムーズだと言えますよね。伝言ゲームになってしまうと、間違いも起きてしまうわけですから、人数は少ない方が正確に伝えられます。
つまり、建物を建てたいと思った人が、建ててくれる人に対して、その思いのたけをしっかりと伝えることができるのであれば、僕ら施工管理なんて本来いないのが理想だとすら言えます。お金もかからないわけですし。
・・・ですが。皆さんは一つの工事現場に、一体どの位の人数の職人さんがかかわっているのか、わかるでしょうか?その数は、少なくても数百人、多ければ数万人に及ぶことになります。もちろん現場規模によりますが、住宅規模の建物でも4~500人になります。
先ほどの例のように、ちょっと壁紙を張り替えたい程度の工事であれば、きっと1人の職人さんに伝えるだけで成り立つでしょう。その方が間違いは起こりずらいですしね。では同じことを、数千人の職人さんに対してできますか?たぶん無理ですよね。仮にできそうだったとしても、やらないことをお勧めします。きっとうまくいかないから。
とはいえ、建物は建てたいわけです。そしてそのためにはたくさんの職人さんに動いてもらわなければ建物は完成しないこともわかっている。もちろんラーメンの出前とは違い、専門的な建築の話もできなければいけない。図面だって必要な気がしますよね。
そこで登場するのが【施工管理】というわけです。
僕ら施工管理の仕事とは、建てたいと思う施主の想いを、そしてそれを具体的に表現した設計の考えを、数千人にも及ぶ職人さんに伝えることだと言えるのです。ここでわかっておかなければいけないことは、一口に「伝える」といっても、やることはとてもたくさんあるということです。
・いつから工事をはじめ、いつまでに終わればよいのか。
・金額はどのくらいなのか
・どんなデザインにすればいいのか
・どこから手を付けて、どうい順番で進めれば などなど
これはほんの一例であり、それ以外にもたくさんの伝えるべきことはあります。それらを、施主に代わってそれぞれのプロフェッショナルに伝えていく必要があるのです。ただし、その時の言語だって変えなければいけません。
例えば赤ちゃんに話す言葉と、大人に話す言葉は全く違いますよね。日本人に話す言葉と、アメリカ人に話す言葉は全く違います。だって知識が違いますし、文化が違うわけですから。それと同じで、建築を知らない人と建築のプロとでは、伝え方を変えなければいけないわけです。
もちろん専門用語や数字を交え、言葉で伝えることもあります。でもそれだけが言語じゃないのです。図面を書いて説明するという方法も、伝えるための言語の一つ。写真を撮って伝えることだって言語の一つとなりえます。カタログやサンプルを使って伝えるという言語もあるでしょう。
このような、ありとあらゆる「伝える」ツールを、相手の文化や知識レベルに合わせて臨機応変に使い分けなければいけません。施主の想いを最大限までかみ砕き、職人さん一人一人に理解してもらうべく、最も伝わりやすいツールを駆使して説明していかなければいけないのです。
こっちの人からあっちの人へ、言葉を変えて伝えていく。僕が「施工管理とは、翻訳業だ」といった意味、分かっていただけたでしょうか?
「こんな建物を建てたい」そう考える施主がいます。その想いを具体的に表現していく設計がいます。この二者だけで「どのような建物を、何のために建てたいのか」は明確に見えます。でも、それだけじゃ机上の空論。絵に描いた餅。思っただけで具現化されるドラえもんのような世界は、もう少し先の話です。
だから、それを実際の形にしていく工事のプロとして、職人さんがいるわけです。とはいっても、どの仕事を誰にやってもらうのが一番良いのかを、施主は知りません。どの会社なら誠実な仕事をしてくれるのかを、設計は知りません。
知らずに仕事を依頼してしまうと、騙されるかもしれません。手抜きをされる可能性だってあります。そんな職人さんが数千人も入っているのですから、それぞれを見張るなんてことも不可能でしょう。
もしもそこに、しっかりとした知識と人脈があり、そして豊富なコミュニケーション能力を持つ「施工管理」という人が登場したらどうでしょうか。ものすごい心強いと思いませんか?いてもらってよかったと、思うのではないでしょうか。
知りうる人脈を駆使し、知識と経験をフル回転。よい建物を建ててもらうべく、想いを具体的に伝える。職人が間違えたことをしないように、しっかりと管理することも大切。お金を無駄にしないことだって大切です。
これらの仕事を先輩たちは、誠実にこなしてきた歴史があります。そうやって施主からの信頼を勝ち得て、また次の仕事につなげているのです。
施工管理には、実は決まった仕事があるようでありません。施主や設計。そして職人。結局は、その間にある領域すべてが僕らの守備範囲なのですから。設計がふがいなければ僕らがカバーし、職人ができる人たちなら僕らは楽になる。とにかくその間を全て埋めていくことが僕らの仕事なのです。
図:施主、設計、施工管理、職人の関係性
なんとなくイメージができたでしょうか。施工管理は建物と仕事なんかしていません。結局、人と人をつなぐのが本業。だから人と向き合い、相手のことを考え、先読みし、自信をもって行動する。そのために、日々知識と経験を積まなければいけないのです。人と話すのが苦手だとしても、伝える方法はたくさんあります。だからどんな人にでも可能な職業と言えます。ただ学ぶことも多くあり、挑みがいのある職業でもあります。コミュニケーションスキルを高め、建築の知識と経験を武器に日々成長し続けることができます。そして形に残る仕事でもある。
知らないことばかりの業界で、ゴールはありません。いつでも新鮮な状況で、ワクワクしながら働いてみたくはありませんか?建設業は皆さんの活躍を期待しております。僕と一緒に、建設業を持ち上げましょう。
【プロフィール】
・いつから工事をはじめ、いつまでに終わればよいのか。
・金額はどのくらいなのか
・どんなデザインにすればいいのか
・どこから手を付けて、どうい順番で進めれば などなど
これはほんの一例であり、それ以外にもたくさんの伝えるべきことはあります。それらを、施主に代わってそれぞれのプロフェッショナルに伝えていく必要があるのです。ただし、その時の言語だって変えなければいけません。
例えば赤ちゃんに話す言葉と、大人に話す言葉は全く違いますよね。日本人に話す言葉と、アメリカ人に話す言葉は全く違います。だって知識が違いますし、文化が違うわけですから。それと同じで、建築を知らない人と建築のプロとでは、伝え方を変えなければいけないわけです。
もちろん専門用語や数字を交え、言葉で伝えることもあります。でもそれだけが言語じゃないのです。図面を書いて説明するという方法も、伝えるための言語の一つ。写真を撮って伝えることだって言語の一つとなりえます。カタログやサンプルを使って伝えるという言語もあるでしょう。
このような、ありとあらゆる「伝える」ツールを、相手の文化や知識レベルに合わせて臨機応変に使い分けなければいけません。施主の想いを最大限までかみ砕き、職人さん一人一人に理解してもらうべく、最も伝わりやすいツールを駆使して説明していかなければいけないのです。
こっちの人からあっちの人へ、言葉を変えて伝えていく。僕が「施工管理とは、翻訳業だ」といった意味、分かっていただけたでしょうか?
「こんな建物を建てたい」そう考える施主がいます。その想いを具体的に表現していく設計がいます。この二者だけで「どのような建物を、何のために建てたいのか」は明確に見えます。でも、それだけじゃ机上の空論。絵に描いた餅。思っただけで具現化されるドラえもんのような世界は、もう少し先の話です。
だから、それを実際の形にしていく工事のプロとして、職人さんがいるわけです。とはいっても、どの仕事を誰にやってもらうのが一番良いのかを、施主は知りません。どの会社なら誠実な仕事をしてくれるのかを、設計は知りません。
知らずに仕事を依頼してしまうと、騙されるかもしれません。手抜きをされる可能性だってあります。そんな職人さんが数千人も入っているのですから、それぞれを見張るなんてことも不可能でしょう。
もしもそこに、しっかりとした知識と人脈があり、そして豊富なコミュニケーション能力を持つ「施工管理」という人が登場したらどうでしょうか。ものすごい心強いと思いませんか?いてもらってよかったと、思うのではないでしょうか。
知りうる人脈を駆使し、知識と経験をフル回転。よい建物を建ててもらうべく、想いを具体的に伝える。職人が間違えたことをしないように、しっかりと管理することも大切。お金を無駄にしないことだって大切です。
これらの仕事を先輩たちは、誠実にこなしてきた歴史があります。そうやって施主からの信頼を勝ち得て、また次の仕事につなげているのです。
施工管理には、実は決まった仕事があるようでありません。施主や設計。そして職人。結局は、その間にある領域すべてが僕らの守備範囲なのですから。設計がふがいなければ僕らがカバーし、職人ができる人たちなら僕らは楽になる。とにかくその間を全て埋めていくことが僕らの仕事なのです。
図:施主、設計、施工管理、職人の関係性
なんとなくイメージができたでしょうか。施工管理は建物と仕事なんかしていません。結局、人と人をつなぐのが本業。だから人と向き合い、相手のことを考え、先読みし、自信をもって行動する。そのために、日々知識と経験を積まなければいけないのです。人と話すのが苦手だとしても、伝える方法はたくさんあります。だからどんな人にでも可能な職業と言えます。ただ学ぶことも多くあり、挑みがいのある職業でもあります。コミュニケーションスキルを高め、建築の知識と経験を武器に日々成長し続けることができます。そして形に残る仕事でもある。
知らないことばかりの業界で、ゴールはありません。いつでも新鮮な状況で、ワクワクしながら働いてみたくはありませんか?建設業は皆さんの活躍を期待しております。僕と一緒に、建設業を持ち上げましょう。
【プロフィール】
武田祐樹(たけだひろき)
HT RaisePLAN 代表
総合建設業に17年在職し、官民問わず数多くの実績を積む。
建設業の効率的な働き方を実現するため、
現在はオンラインを中心に活動し、
中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家としても活躍。
現在はオンラインを中心に活動し、
中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家としても活躍。
【保有資格】
1級建築士、1級建築施工管理技士、1級土木施工管理技士
【運営事業】
◇GENBA Lab.(現場ラボ)運営
オンライン新人研修、効率化サポート
https://genba-lab.com/
https://genba-lab.com/
◇その他オンライン講師、オンラインセミナー活動も実施
【メディア活動】
◇YouTubeチャンネル【建設業を持ち上げるTV】
https://www.youtube.com/c/nextconstruction
◇音声配信【たけだの作業日報】
https://open.spotify.com/show/2qPIT6VYOzjcp9eBrFODLI
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◇音声配信【たけだの作業日報】
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