就職活動のためにインターンシップ経験を積んでおきたい。そう思う学生さんも多いことでしょう。企業での実務経験を行うメリットは大きく、就活に有利に活かすことができます。では企業側は、インターンシップで学生の何を見ているのでしょうか。
インターンシップを開催する企業の意図を知って、心の準備をしておきましょう。
今回は、公共土木工事やインフラ整備を手がける壺山建設株式会社で採用担当を務める安岡さんと、実際にインターンシップを経験して入社した2年目の森さんにお話を聞いてみました。
インターンシップとは?
インターンシップとは、企業で仕事体験をすることです。興味のある会社や業界に実際に身を置くことで、仕事のスキルを身につけたり、会社の雰囲気を味わったりして、自分が働けるかどうか、相性を確認することができます。
インターンシップの日数は、1日という短期から数日、数カ月などの長期にいたるまで企業によってさまざま。なかには内定直結型や、内定後に入社前体験として開催している企業もあります。
ダイナミックな土木工事現場での実習
総合建設業の壺山建設が請け負う仕事は、道路・鉄道・空港の整備から、河川・ダムの治水対策、上下水道やビルの基礎工事までさまざま。実はすべて、みなさんの快適な暮らしを支える身近な工事です。
壺山建設では、土木工事の現場を間近で見学しながら、安全・品質・工程などの管理状況が学べる5日間のインターンシップを行なっています。5日間の実習内容は現場ごとに異なりますが、インターンシップを行う場所は、国土交通省の公共土木工事など、基本的に壺山建設が直接請け負う現場です。
インターンシップ初日は月曜からはじまります。参加者には本社事務所に来てもらい、作業服に着替えるなど準備を済ませたら、現場担当者が迎えにきます。2日目の火曜から金曜までは、直接現場に行って朝礼から参加。ラジオ体操やKY活動なども一緒に行います。KY活動とは危険予知活動のことで、その日の作業内容で予測される危険の回避方法などを作業員全員で確認する大切な仕事です。
スケールの大きな土木工事の現場が体験できる壺山建設のインターンシップ。詳しい内容やメリットについては、採用担当の安岡さんと、インターンシップ参加が入社の決め手になった施工管理者の森さんに話してもらいます。
道路の改良工事現場で測量などを体験
安岡:森くんは2年前のインターンシップに参加したんですよね。
森:私は、土木の工事現場を実際に見てみたいと思って応募しました。参加した現場は、大阪府四條畷市から奈良県生駒市に至る「清滝生駒道路」の改良他工事。想像していた通りスケールの大きな現場でワクワクしました。
安岡:当社のインターンシップでは各現場の参加者は2人を上限にしていますが、森くんのときは1人でしたね。
森:現場では担当の先輩社員がついてくださったので、1人でも大丈夫でした。というか、先輩にぴったりついて回っていたというのが本当のところです。
安岡:特に印象に残っていることはありますか。
森:測量の体験をしたことです。測量して、図面ができて、道路がカタチになっていく工程に魅力を感じました。そのほかにも、生コンの施工性や強度を確認するスランプ試験に立ち合うことができました。測量もスランプ試験も、「細かなところまで注意する必要があり、丁寧な仕事が求められる」ことがわかりました。また、さまざまな人と交流する現場では、コミュニケーション力が大切だと思いましたね。
ミスマッチを軽減してくれるインターンシップ
安岡:インターンシップに参加して現場を見れば、壺山建設の仕事が地図やカタチに残る仕事だということがわかってもらえると思います。
森:その通りですね。また、インターンシップを通して、「社会人として仕事に責任感をもつ必要があるが、同時にやりがいも得られる」ということも学びました。私にとっては勉強になることばかりで、あっという間の5日間でした。
安岡:天候や季節の影響を受ける現場の環境を体験することも、実習の一つですね。
森:でも実際は、夏は空調服、冬は防寒服を着ることができるので思ったより快適です。
安岡:なによりも当社にとっては、インターンシップ参加者に入社してもらえることが一番ですが、この経験が土木や建設業界に興味をもつきっかけになればと考えています。
森:会社との相性や、思っていたのと違うといったミスマッチを減らすためにも、インターンシップは有効だと思いますね。
安岡:確かに、見学やインターンシップを経験して入社したほうが、長く続く傾向はありますね。会社にとっては、5日間一緒に作業したり話をするなかで、その人のことがわかってくるというメリットもあります。
森:私は先輩社員からとても熱心に指導していただいたので、壺山建設にいい印象をもちました。「この会社なら自分が成長できる、ここで働きたい」と思って入社を決めました。
社風や仕事を続けるうえでの環境を知る
安岡:森くんは入社2年目ですが、もう会社には慣れましたか。
森:はい。入社後も、インターンシップでの自分の直感に間違いはなかったと思っています。事務所でも現場でもみなさんから声をかけてもらえ、困ったことがあれば助けていただいています。先輩が熱心に指導してくださり、わからないことがあればすぐ聞けるところがいいです。
安岡:当社の社長はまだ50代で、役員も若い。アットホームな雰囲気なので、意見が言いやすい環境だと思いますよ。
森:それから、現場に寝泊まりすることが多いのも土木を専門とする会社の特徴なので、知っておくべきことだと思います。
安岡:自宅から通える現場もありますが、無理な場合は現場の近くにマンションなどを借りて寝泊まりし、そこから通ってもらうことになります。当社の施工管理者として働く場合、一人で生活できることは必須ですね。
森:インターンシップのときは現場まで毎日通えましたが、入社後は、先輩社員と一緒に現場の近くに約1年半寝泊まりするという経験をしました。
安岡:森くんは専門学校生のときから一人暮らしをしていたから、心配はなかったですね。少し不便かもしれませんが、厳しいルールがあるわけでないので自由に生活できますよ。
まとめ
お話を伺った創業70年の壺山建設は、数多くの実績を誇る会社です。近年では、大阪のみさきと和歌山を結ぶバイパス「和歌山岬道路」をはじめ、うめきたエリアの高層ビル建設現場での基礎掘削や太陽光発電施設の造成なども請け負っています。また、過去には「あべのハルカス」の掘削工事や「阪急うめだ本店」の建て替え基礎工事を担当するなど、大きなプロジェクトに携わることができるのも壺山建設の魅力です。
スケールの大きさだけでなく、土木技術は絶えず進歩しているため、若い感性が必要な業界でもあります。「いまは、現場で撮影した画像データを、すぐに事務所のパソコンに転送できる便利な時代。ICT(情報通信技術)を利用すれば、数値化された掘削量を見ながら掘り進めることができます」という安岡さん。森さんも「測量用にドローンの操縦資格をとりました」と話していました。
壺山建設は、アットホームな雰囲気でインターンシップ参加者を歓迎する会社です。そして、実習現場では先輩社員が安全・品質・工程に関して熱心に指導してくれます。「まずは現場見学をしてみよう」という気持ちでいいので、建設や土木に興味のある学生さんには、積極的に参加してほしいとのことでした。