テーマの概要
マイヒーローとは、アニメのキャラクターや国民的ヒーロー、リスペクトしている先生・先輩、友だち、家族、アーティストでも構いません。あなたが憧れたり、尊敬したり、人生の指標にしている人が、癒やされたり、今以上に活躍できたりする家、また数年先も好んで住みたいと思ってもらえる家を考えてみましょう。家は単なる器ではありません。「環境が変われば人生が変わる」と言われるように、「家」という空間を操ることで、人の心理や行動にも大きく影響を与えることができます。この探求学習では、建築のもつ力や可能性、それをカタチにするための新しい技術にも着目しながら、それぞれの暮らしに寄り添った空間を生み出してほしいと思います。
このテーマの学びの魅力とは
その1.自分が住みたい理想の家を考える着眼点を磨くことができること
家づくりで大切なのは、“住み心地”と“美しさ”。このポイントは、住まう人の年代や性格、日々の生活スタイルなどによって異なります。何が好きで何が嫌いか。どんな暮らしを求めているのか。住まう人の内面にも着目してみましょう。
その2.建築を通して、コミュニケーションのあり方や新しい社会・暮らしのあり方をつくり出す空間デザインを探求することができること
優れた建築家のアタマの中には、伝統や文化、生活、その家を取り巻く環境、社会課題など、さまざまな情報が飛び交っています。それらが家づくりにどう生かされていくのか、ぜひ体感してみてください。
その3.建築業界のいまを知ることができること
国土交通省が推進する3次元設計ツール「BIM」や建設業界の現状と課題、建築BIMへの社会的期待、建設業界で活躍する職業についてなど、ぜひ学んでほしいと思います。
基礎知識を学ぼう①
◆建築とは、人間が生活・活動するための空間をつくることです。建築と一言にいっても、大規模公共施設から集合住宅、個人住宅、オフィス、商業施設など、対象となる建物は幅広いです。今回はみなさんにとって一番身近な個人住宅を題材に考えてほしいと思います。
◆空間デザインとは、人々が快適に過ごせる空間を創り出すことです。対象となるものは、建物の外観や内装、インテリア、照明、色彩、空間のレイアウトなど幅広く、その場所を利用する人が、どんな目的で利用するのかを把握したうえで行います。時代や社会が変われば、「場」や「空間」のあり方、使い方も変化するので、潮流を読み解く力が求められると言えるでしょう。例えば、ライフスタイルが多様化した現代、同居であっても家族と顔を合わせる時間がほとんどない、というご家族も少なくありません。
家族が自然と集まりたくなるリビングとは?ダイニングとは?などを突き詰めていくことで、時代にあった「つながりの空間」を考えてみてください。
家族が自然と集まりたくなるリビングとは?ダイニングとは?などを突き詰めていくことで、時代にあった「つながりの空間」を考えてみてください。
基礎知識を学ぼう②
◆BIMとは、Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)の略で、コンピューター上に現実と同じ建物の立体モデルを再現して、よりよい建物づくりに活用していく仕組みです。コンピュータ上に作成した主に3次元の形状情報に加え、建物の属性情報(各部位の仕様・性能、居室等の名称・用途・仕上げ、コスト情報など)を追加することができます。BIMで管理する情報は関係者(調査・測量・設計・施工・維持管理など)間で共有できるため、プロジェクト全体の効率が向上し、意思決定プロセスを加速できます。BIMが登場する前と後で何が変わったのか、BIMのメリット、デメリットもぜひ調べてみてください。
◆建設業は、設計(意匠・構造・設備)、施工管理、技術開発、職人(大工・内装工・左官工・電気工事士など)、営業、インテリアコーディネーター、空間デザイナー、インテリアプランナーなど、多種多様な職種のもとに成り立っています。それぞれの仕事の特性もぜひ調べてみてください。
このテーマに取り組んでほしい理由とは
中央工学校 OSAKA 建築系 学科長 中島征治さん
建築の仕事は、建物を設計してつくるだけではありません。住む人の心地よさや快適性を左右し、また地域社会の活性化にも大きく寄与します。建築は、人の心理や行動にも大きく影響を与えることになるので、このテーマへの取り組みを通じて、大切な人の生き方や家族のあり方、私たちを取り巻く環境・社会、そこに潜む課題にも目を向けるきっかけになればと思います。また、少子高齢化による労働人口の減少に建設需要の拡大が重なって、建設業界は深刻な人材不足に陥っています。人材不足という課題に光明をもたらすとされている建築BIMに注目することで、業界の未来や日本の未来を考えるきっかけになればと思います。最後に、自分たちの手で創意工夫を凝らしつくりたあげた建物が、利用する人々の関係や社会のしくみまでも変えていく醍醐味は、何物にも変え難いものです。その面白さを少しでも体感してもらえればと思います。
<建築BIMを体験してみよう!>
今回、このテーマを提供してくださったのが、中央工学校 OSAKAさん。2024年に創立115周年を迎えられた中央工学校(東京都北区)のグループ校で、40年以上の歴史を誇ります。最新技術が身につけられるよう建築系専門学校としては、いち早く「BIM」の演習授業を導入。「厳しい実務教育」と「人間涵養教育」という教育方針を掲げ、社会に役立つ多くの人材を育成・輩出しています。
学習の流れ
学習を始める前に、「なぜ、このテーマに興味を持ったのか」をグループみんなで話し合ってみましょう。探求を進めていく上で、悩んだり困ったりした時に立ち返ることができる原点になると思います。それが終われば、早速学習を始めましょう。
STEP1:いまの暮らしと、昔の暮らし、どう変わったか考えてみよう
ヒント!
>在宅時間が増えて家の中を充実する傾向強まった/子ども中心の住まいから、住まい手全員が主役になる住まいへと変化/環境問題や持続可能なライフスタイルに対する関心が定着/汎用から専用へ。ゲーミング部屋など、特定の機能や過ごし方に特化したものに注目が高まっている/宅飲みが、友人を招いてのホームパーティーへと進化を遂げる兆しが生まれている/介護とインテリアの両立。介護中であってもお部屋はきれいにしたい など
>在宅時間が増えて家の中を充実する傾向強まった/子ども中心の住まいから、住まい手全員が主役になる住まいへと変化/環境問題や持続可能なライフスタイルに対する関心が定着/汎用から専用へ。ゲーミング部屋など、特定の機能や過ごし方に特化したものに注目が高まっている/宅飲みが、友人を招いてのホームパーティーへと進化を遂げる兆しが生まれている/介護とインテリアの両立。介護中であってもお部屋はきれいにしたい など
★家づくりで大切なのは、家の中に潜む課題を発見すること。時代の変化によって求められる住まいの在り方を考えてみましょう!
STEP2:建築にはどんな可能性を引き出す力があるか考えてみよう
ヒント!
>自然光がたっぷり入る明るいダイニングにしたら、家族が自然と集まるようになった/家事の動線を変えたら、家事の負担が軽減して、笑顔のお母さんが多くなった/壁の色を変えたら勉強の効率がアップした/香りやインテリア、灯りなどに工夫を施したら、家族の帰宅時間が早くなった など
>自然光がたっぷり入る明るいダイニングにしたら、家族が自然と集まるようになった/家事の動線を変えたら、家事の負担が軽減して、笑顔のお母さんが多くなった/壁の色を変えたら勉強の効率がアップした/香りやインテリア、灯りなどに工夫を施したら、家族の帰宅時間が早くなった など
★家は単なる器ではなく、人の心理や行動にも大きく影響を与えます。建築の力を使えばどんな可能性が引き出せるか、考えてみましょう!
STEP3:自分の身近にある有名な建物を観察し、建築家の心の声に耳を傾けてみよう
ヒント!
>(フィールドワーク)建築MAPを片手に、身近にある有名な建築をめぐって、STEP1やSTEP2の視点を確かめてみよう
>(フィールドワーク)建築MAPを片手に、身近にある有名な建築をめぐって、STEP1やSTEP2の視点を確かめてみよう
★一番好きだった建築・空間について、「ココがいい感じ」「ココがすごい」「こんな風に考えてこうしたんじゃないか」など、みんなで発表し合いましょう!
STEP4:マイヒーローの特徴を整理してみよう
ヒント!
>何をしている人か/大切にしているもの・ことは何か/何を好みそうか/いまどんな問題を抱えていそうか/日々どういった暮らしをしていそうか/数年先、数十年先はどうなっていそうか/どういった環境にマッチしそうか などを整理
>何をしている人か/大切にしているもの・ことは何か/何を好みそうか/いまどんな問題を抱えていそうか/日々どういった暮らしをしていそうか/数年先、数十年先はどうなっていそうか/どういった環境にマッチしそうか などを整理
★建築とは人間が活躍する空間を作る仕事。企画設計を考える前に、まずは住む人のことを徹底的に理解するところから始めてみましょう!
STEP5:チームでマイヒーローのための家を企画し、同級生や先生たちの感想を聞いてみましょう。
ヒント!
>家のコンセプトやこだわったポイント、その理由などを発表
>家のコンセプトやこだわったポイント、その理由などを発表
★家づくりで大切な“住み心地”や“美しさ”は、住まう人の年代や性格、日々の生活スタイルなどによって異なります。同級生や先生たちの感想を聞くことで、さらに視野を広げましょう!
参考文献・URLはこちら
Casa BRUTUS/株式会社マガジンハウス
商店建築/株式会社 商店建築社
新建築/株式会社新建築社
日経アーキテクチュア/株式会社日経BP
学校ホームページ/ 中央工学校OSAKA