私たちが「フラッグショップ」と名乗る理由
アンテナショップとは、自治体が主体となって地域の情報を受発信しながら、特産品の販売や飲食の場を備えた店をいいます。私たちが掲げるフラッグショップは、その機能を持ったうえで、「おおいた」という旗を揚げ、おおいたブランドを首都圏に確立するための情報発信と販路拡大の拠点となる店です。
旗を揚げるのですから、お客様が来るのを待つのではなく、こちらから伝えにいきます。この違いが、日々の仕事のすみずみまで及んでいます。
坐来大分を開業したのは2006年。大分県が地元の方々と白紙から議論を重ねて立ち上げ、その運営のために私たち大分ブランドクリエイトが設立されました。資本金のおよそ半分は大分県が出しています。県が出資する会社ですから、経営の土台は安定しています。一方で、県からの天下りは一切ありません。ここで働く人が、ここで育っていく会社です。
多くの自治体の店が物産の販売を中心に据えるなか、私たちは食事を中心に据えました。この形で始めたのは、大分県が最初です。店をひとつの氷山にたとえるなら、水の上に見えているのはレストランの部分だけです。その下にある8割から9割を、県と協力しながら作ってきました。
持ち場だけで終わらない。月に一度の学びの日
献立が新しくなる月の初日、店の奥にあるカウンターにスタッフが集まります。3つのコースをすべて作り、みんなで試食するためです。
料理長が一品ずつ、その皿に込めた思いなどを話します。サービスの担当者が質問をして、それに答える。全員が同じ理解を持ったところで、ようやくその月の営業が始まります。
食材も一から扱います。関あじや関さばは週に3回ほど、丸ごと一尾で届きます。12月ともなれば、月に900尾ほど。鱗を取り、掃除をするところから、すべて厨房の仕事です。
入って間もない方にとっては、ここが毎月の学びの場になります。自分が受け持っていない持ち場の料理も、味と理由がまとめて分かる。料理長の考え方を、本人の言葉で聞ける。魚も元の姿から知れる。月に一度、自分の持ち場の外まで学べる機会が必ず回ってきます。
「挑戦する人材の育成」が、この店の目的の一つ
この店の設置目的は、大きく4つあります。
・おおいたブランドの確立
・大分の素材を生かした魅力ある商品の開発
・農林水産物および加工品の販路拡大
・挑戦する人材の育成
人を育てることが、この店が置かれた理由の一つとして、はじめから書かれています。旗を次に掲げる人が要るからです。
新しく入った方には、まず代表が1日か2日かけて、社会人としての土台からお話しします。会社の組織や方針、どんな仲間がいるのか。そもそも挨拶とは何か、お客様とは何か、から丁寧に学びます。調理の場にもカウンターがあり、先輩後輩もいますから、覚えることは料理だけではありません。そのうえで厨房に入り、先輩について一つずつ覚えていきます。
店では、柚子胡椒づくりや日田下駄の鼻緒つけなど、大分の食文化や工芸に触れていただくワークショップも開いています。旅行会社の方々をお招きすることもあります。県と一緒に、別府や湯布院といった土地を映像でご紹介し、私たちはその周辺の食材で郷土料理をお出しする。大分を体感していただき、旅行先としてお客様にご提案いただくためです。自分のつくった一皿が、大分に人を呼ぶきっかけになります。
大分を知らないところから始めて構いません。挑戦してみたいという方を、私たちは待っています。
