旬の素材を使ったアラカルトが約50品も並ぶ
実伶(みれい)では、毎日およそ50品の日替わりアラカルトをご用意しています。京料理といえばコースが主流ですが、私たちは「お客様のその日の気分に合った料理を、好きな量で楽しんでほしい」と考えています。
扱う食材は甘鯛、丹波松茸、松葉蟹など、旬のものばかり。お客様にとって特別な一皿を提供できるよう、一つひとつ丁寧に仕入れています。
「アラカルトだからこそ、お客様との心の触れあいが生まれる。どんな注文が来るのか予想できないアラカルトは調理師にとって難易度が高いですが、そもそも割烹とはお客様が今食べたい料理を提供すること。この文化を次世代へつないでいきたい」――そう私たちは考えています。
経験から生まれる挑戦とこだわり
店主・中尾雄三は、名旅館や高級ホテルで基礎を学び、茶道の大家の茶懐石を手がける名門旅館、そして100品近いアラカルトを提供する「祇園おかだ」で修業を重ねました。14年の経験を経て2016年に独立し、実伶を開店。
以来、伝統を重んじながらも新しい挑戦を続けています。ブルーチーズを合わせた生麩など、意外な組み合わせもあれば、京料理の定番でもある白甘鯛のうまみが染み渡る「かぶら蒸し」のような正統派も大切に。基礎を重んじつつ独自の味世界を切り拓いています。伝統と意外性のバランスを大切にしながら、日本の銘酒だけではなくナチュラルワインも揃え、洋酒にも合う味にととのえています。
チーズの元祖やウスターソースまで手作り
実伶のこだわりは「できる限り手作り」。漬物は自分の手で漬け、チーズの元祖と呼ばれる蘇(そ)を自家製してポテトサラダに和えたり、「和牛フィレカツ」に添えるウスターソースまで自作しています。
既製品のクリームチーズを使ってみたものの、『実伶の味にならない』と納得がいかなかったため、自作。自分たちの味を守るために、挑戦できるものはすべて手作りしたいと考えています。
そういったこだわりも功を奏してか、「ミシュランガイド京都・大阪2018」で一つ星を獲得、そのほか「食べログ 日本料理 WEST 百名店 2021 選出店」「The Tabelog Award 2022 Bronze 受賞」など、数々の賞をいただいています。
食材・料理人・お客様から成るハーモニー
店名の「実伶」には、さまざまな意味があります。そもそものモチーフは画家のジャン=フランソワ・ミレー。豊かな南蛮文化に彩られた長崎で生まれ、西洋絵画を愛する父のもとで育った店主は大の名画好き。ミレーの代表作「落穂拾い」から伝わる“洋の素朴さ”を採り入れたいと、京都では珍しく厨房の背面は煉瓦を積んだデザインを施しています。
このミレーに、食材を表す「実」、雅楽を奏でる人という意味がある「伶」をあてはめ、「食材・料理人・そしてお客様から成るハーモニー」という意味にしました。
割烹の伝統に現代の感性を重ね、常に新しい京料理を届けること。そして、その挑戦の先頭に立つのは、これからの時代を担う若い料理人です。実伶はその成長を支え、ともに未来を創っていきたいと考えています。
