“タイパ”が話題になるなど、時間対効果を意識する人が増えている昨今。「生産性を高めたい」「作業を効率化したい」という思いを抱えている方は少なくないのではないでしょうか。そこで今回は、パソコン作業を効率化するためのTipsとして、「仮想デスクトップ」の使い方について紹介します。
キャリアマップ編集部 文/ライター 西村友香理
実は2種類ある?仮想デスクトップを簡単に解説
作業効率を大幅に向上してくれる「仮想デスクトップ」。そもそもどういうものなのかというと、実は異なる2種類の意味を持っています。
一つ目は、WindowsやmacOSなどに備わっている、OS拡張機能としての仮想デスクトップです。これは1台の端末に複数のデスクトップを作成できる機能で、作業内容によって画面を切り替えることができます。デスクトップを机に例えると、イメージしやすいかもしれません。異なる複数のタスクを1台の机でこなそうとしても、Aタスク、Bタスク、Cタスク……と、タスクが多いほど、机の上が散らかってしまい、「目的の資料が見つからない」といった事態を招くことにつながってしまう可能性もあります。そうなると、作業効率は著しく落ちてしまううえ、集中力も途切れてしまうかもしれません。しかし、作業ごとに使用する机を切り替えることができれば、整理整頓された状態を維持できます。目的に合わせた机(デスクトップ)を用意することで、効率よく作業ができるのです。
二つ目は、リモートワークを導入している企業で使われていることが多いVirtual Desktop Infrastructure(通称:VDI)です。これはデスクトップ環境をサーバー上に構築し、会社から支給された端末を通して遠隔操作できる技術です。操作用の端末を用意する必要があり、コストはかかるものの、端末にデータが残らないため、情報漏洩などのリスクを回避できるというメリットがあります。
本稿では、学生の皆さんの作業効率化を目的とするため、OS拡張機能としての仮想デスクトップの使い方を紹介します。
仮想デスクトップのメリット・デメリット
デスクトップを増やしたいなら、通常の場合、モニターなどのディスプレイ端末を購入することが多いのではないでしょうか。もちろん、それでも問題はないのですが、スペースやコストの問題で難しい場合もあるでしょう。
そこで役に立つのが仮想デスクトップです。コストをかけることなくデスクトップを増やすことができるため、簡単に作業効率をあげることができます。とはいえ、デメリットがないわけではありません。ここからは、仮想デスクトップを使用する上でのメリットとデメリットについて触れていきます。
~メリット~
・作業効率を向上できる
先に述べた通り、仮想デスクトップを使用することによって作業効率を向上することができます。画面上にブラウザやアプリケーションが乱立することを防げるため、一つの作業に没頭しやすくなるともいえます。
・コスト不要で手軽に利用できる
作業効率化のためにデュアルディスプレイ(ディスプレイを2台利用すること)や、マルチディスプレイ(ディスプレイを2台以上利用すること)にしたいと考える人も少なくないでしょう。しかし、その場合はディスプレイ端末を置くスペースを用意する必要があり、購入費用もかかってしまうというデメリットがあります。仮想デスクトップなら、スペースと費用のどちらも必要ありません。
・外出中の作業でも利用できる
すでにデュアルディスプレイやマルチディスプレイにしている場合、外出先での作業では「いつもより効率が悪い」と感じてしまうかもしれません。携帯性に優れたモバイルモニターやタブレット端末があれば、外出先でもデュアルディスプレイを構築できますが、持ち歩く端末が増えるのはできれば避けたいもの。仮想デスクトップなら、外出先でも気軽にデスクトップを切り替えられます。
~デメリット~
・マルチディスプレイやデュアルディスプレイと比べて使いづらい
仮想デスクトップは便利な機能ではありますが、複数のデスクトップを同時に表示できるわけではなく、マルチディスプレイなどと比べると作業効率が落ちてしまう点は否めません。
・メモリを消費する
仮想デスクトップを使用する際、気をつけたいのはデスクトップの数です。仮想デスクトップ自体は大きくメモリを消費するものではありませんが、デスクトップの数が増えるにつれて、メモリを消費してしまいます。Windowsは機能的な上限がない一方で、Macでは最大16個までデスクトップを作成できるのですが、必要な分だけに留めておくのがおすすめです。
仮想デスクトップの使用方法~Windows/Mac~
仮想デスクトップは、WindowsとMacで操作方法が異なります。それぞれのOSにおける仮想デスクトップの使い方は以下の通りです。
~Windows10における仮想デスクトップの使い方(※1)~
【簡単な使い方】
1. 画面左下の「スタートボタン」の隣にある「タスクビュー」をクリック。
2. 画面に出てきた「+新しいデスクトップ」をクリックする
3. 別のデスクトップに移したいブラウザやアプリをドラッグ&ドロップで希望の場所に移す
【ショートカットを利用する場合】
・デスクトップを作成する:「Windows」+「Ctrl」+「D」を同時押し
・デスクトップを切り替える:「Windows」+「Ctrl」+「→」or「←」を同時押し(※2)
・使用していないデスクトップを閉じる:「Windows」+「Ctrl」+「F4」を同時押し
・タスクビューを表示する:「Windows」+「Tab」を同時押し
【注意点】
デスクトップを複数作成すると、どれが何のためのものなのかわからなくなってしまうことも。デスクトップを追加した際は、該当するデスクトップを右クリックして「名前の変更」をクリックし、それぞれに名前をつけるようにするのがおすすめです。
~macOS Ventura13における仮想デスクトップの使い方~
【簡単な使い方】
1. LaunchpadからMission Controlを起動する
2. 画面右上の「+」をクリックし、デスクトップを追加する
3. 別のデスクトップに移したいブラウザやアプリをドラッグ&ドロップで希望の場所に移す
【ショートカット/トラックパッドを利用する場合】
・Mission Controlを起動する:「control」+「↑」を同時押し/トラックパッドを3本指もしくは4本指で上にスワイプ(※3)
・デスクトップを切り替える:「control」+「→」or「←」を同時押し(※4)/トラックパッドを3本指もしくは4本指で左右にスワイプ
※1…Windowsの仮想デスクトップは、Windows10から採用されている機能です。それ以前のバージョンでは使用できません。
※2…仮想デスクトップは右側に追加されていきます
※3…トラックパッドの操作は「システム設定」の「トラックパッド」から確認できます。
※4…該当するデスクトップにワンステップで切り替えたい場合は、下記の順番でクリックして設定。設定が完了すると、「control」+「数字キー」でデスクトップを切り替えられます。
「システム設定」→「キーボード」→「キーボードショートカット」→「Mission Control」
便利な機能を使いこなして、効率よく作業をしよう
学生の皆さんが仮想デスクトップを使用する際におすすめなのは、下記のようなケースです。
・ブラウザのアカウントを学校用とプライベート用で分けている
Chromeなどのブラウザを使用する際に、目的によってアカウントを分けている人も少なくないのではないでしょうか。その場合は、ブラウザのアカウントごとにデスクトップを使い分けることで、別のブラウザを開き直す必要がなくなります。
・複数の課題を同時並行で対応している
複数の作業を同時にこなしている場合、「気がついたら、ブラウザやアプリを大量に開いていた」なんてこともあるかもしれません。先にも述べましたが、一つの画面で複数の作業をこなそうと思うと、目的のものがどこにあるのか見分けるのに時間がかかってしまいます。数秒のこととはいえ、積み重なると大きな時間をロスすることになる上に、集中力が途切れてしまう可能性も。A課題のためのデスクトップ、B課題のためのデスクトップ……と、課題によってデスクトップを使い分けると、生産性を向上できます。
また、仮想デスクトップ以外にも、拡張機能にはさまざまなものがあります。例えば、iPhoneなどのApple製品にもともと備わっている「AirDrop」も拡張機能の一つです。そのほか、SafariやChromeなどのブラウザを快適に使用するための拡張機能もあります。そういった拡張機能を追加することで、自分仕様にカスタマイズすることもできます。
気をつけたいのは、拡張機能を追加しすぎるとメモリを消費してしまうということ。ブラウザのウェブストアにあった拡張機能をダウンロードしたことによって個人情報が盗まれていたという事件が発生したケースもあります。詳細が不明なものは追加しないように注意しましょう。
本稿で紹介した仮想デスクトップなどのOSに備わっている拡張機能ならそういった心配はないため、「拡張機能をあまり使ったことがない」という方は、まずは気軽にトライしてみてはいかがでしょうか。