京都は平安神宮のほど近くにある、「京料理六盛」。明治から続く老舗料亭でありながら、誰でも気軽に京料理を楽しめる店として、全国にその名を知られています。なかでも看板メニューの【手をけ弁当】は、訪れた人のほとんどが注文するという人気ぶり。そもそもなぜ【手をけ弁当】が生まれたのか? そこにはお客様を思う優しさと、代々受け継がれる料理への探求心がありました。
お昼ご飯を食べられない? 昭和41年、他店に先駆けてランチ営業を開始
1964年、東海道新幹線の京都駅が開業すると、「六盛」周辺の岡崎エリアにも多くの観光客が訪れるようになりました。しかし当時、界隈にはお昼から営業している料理屋が少なかったうえ、「一見さんお断り」という店がほとんどだったのです。ある時、「せっかく訪問してもお昼ご飯を食べる店がない」という声を耳にした2代目当主が、「予約なし、靴を脱がずに入れて、安価に京料理を食べられる店があってもいいのでは」と、店内の一部を椅子席に改装。他店に先駆けてランチ営業を開始したことが、【手をけ弁当】誕生のきっかけとなりました。
提供する料理について試行錯誤していたところ、当時「六盛」では、六寸(約18センチ)の丸樽に盛ったちらし寿司を扱っていたことから、丸樽を使った懐石弁当の案が浮上。その後、現代の名工として知られる「たる源」の冷奴入れに更なるヒントを得て、特製の手桶に15種類ほどの料理を彩りよく盛り込む【手をけ弁当】が完成したのです。本格的な京料理の味わいと趣はそのまま現代にも受け継がれ、誕生から60年が経とうとする今も多くのお客様を魅了しています。
京料理のルーツを求め、平安王朝料理を復元
料理を通じた“貢献の精神”と探求心は、「六盛」のもうひとつの名物、【創作平安王朝料理】にも見て取ることができます。「京料理って、何?」というお客様からの質問を機に、三代目当主が諸説のひとつである平安時代の料理を研究。文献資料や学者の話を元に、当時の王朝料理の復元に挑んできました。構想から完成までに6年をかけ、建都1200年の年に【創作平安王朝料理】を発表した際は、大きな反響があったそうです。日本で唯一、本格的な平安王朝料理を手がける店として、今も全国からお客様が足を運ばれています。
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その他、40年前から学生を対象にした和食マナー教室を開催するなど、多岐にわたる“食”をテーマに探求と挑戦を続ける「京料理 六盛」。その精神と志は、次代を担う料理人の方々にも、しっかりと受け継がれているようです。現在は館内にスフレ&カフェコーナーを併設するなど、時代を取り入れる柔軟性も強みのひとつ。基礎をしっかり身につけ、幅広い料理に対応できる力を養いたい方は、ぜひチェックしてくださいね!
