「今まで建築工房が建てた家とは雰囲気がガラッと変わります。」
「家族が集まって穏やかに過ごす想像を何回もしました。」
そう話してくれたのは、11月にオープン予定のモデルハウスを担当した設計の荻田とコーディネーターの吉田。
彼らがモデルハウスに込めた想いとは。想いのこもったモデルハウスはどんな佇まいをしているのか。
建築真っ只中の今だからこそ聞けた二人の”挑戦”に密着しました。
モデルハウスの構想が出てきたのはおよそ1年前。実際に土地を見た荻田はこう話します。
「南向きで、角地。すごくいい立地だと思いました。日当たりが良く取れた明るい家を建てられると直感しました。
と同時に、家づくりのセオリーどおりに作ってしまうのはよくないとも感じて。」
建築地の目の前には中学校があり、住宅街とはいえ賑わっている印象。
「人目によくつくこの場所に、南面に大きな窓をつけていいものかと。
きっと視線を気にしてカーテンを閉めっぱなしにしたり、窓をつけるとしても型ガラスなどを入れるだろうな。それでいいのかな。
綺麗な家を建てて終わりというのは無責任すぎる。モデルハウスとはいえ住まう人のことを考えて設計したい。
そう思ったときに、建築工房の”外に閉じて、内に開く”という考え方がこの土地にしっくりきました。」
実際に線を描き始めたときにも、気づきはたくさんあったそう。
「何度もプランを描いては描き直し、繰り返すごとにブラッシュアップされていきました。
最初のプランは1階にLDKを配置。お客様と打ち合わせをするときにもそういった要望をよく聞くし、求められているのかなと。
ただ建築工房が提供するのは、「四季の風、光を感じながら情緒が育まれる家」。
単に動線が良く効率的な家ではないなと感じて。
機能的なところはもちろん大事ですが、それだけでは気づけないような日々の幸福感や風の通り道、そんな小さな充足感を”家”を通して感じてほしいなと思いました。
そうすると、自分の中になんとなくあったリビングの固定概念がふっと消えて、今のプランにたどり着きました。」
コーディネートを担当したのは吉田。彼女がプランを見たときに持った感想はこういったものでした。
「第一印象で思ったことは、”よくある注文住宅ではないな”ということでした。
私自身、普遍的な形よりも個性的な、考えさせられるような間取りが好きなので。楽しくコーディネートできそうだなと思いました。
そこに荻田さんの”考え”を理解して。設計士が自信をもって作ったプランに加われることがうれしかったです。」
「ただ、住む人がまだ決まっていないモデルハウスとはいえ建築工房らしさや自分の色のバランスを見ていくのが難しくて。
そこを任されていることへの責任感は大きかったですね。
コーディネーターってただ家のコーディネートをするだけが仕事ではないと思っていて。
お客様と、スタッフや大工さん、業者さんのつながりもコーディネートできる役目があるようにも感じるんですよね。
だからこそこのモデルハウスのプロジェクトは、まだ見ぬお客様に「建築工房とは?」ということをメッセージ出来るように心がけました。」
実際の色決めは、試行錯誤の繰り返しだったそうです。
「すんなり決められたところと悩んだところ、どちらもありますよ。
すんなり決まったと言うのは、荻田さんと意見が一致したからというのが大きかったです。
感性が一緒なのかな?自然と意見が一致することが多かったです。」
「今までの建築工房らしさといえば、ホテルライクだったり高級感・重厚感のあるデザインという印象でした。
それももちろん大好きで、自信をもっておすすめしているのですが、新たな挑戦もしたいと思っていて。
暮らしのイメージと重ね合わせたときに、ファブリック感を加えるという結論にたどり着きました。」
フロアタイルやグレアレス照明、建築工房の家はどことなく洗練された「引き算」の印象を持たせた家が多く、
そこに魅力を感じて任せていただけることが多かった中での挑戦。
「イメージの中にあるのが”ヒュッゲな暮らし”です。
家の中で生活する時間、人と人が結びつく空間がどこか暖かくて落ち着く。
家って、作って終わりではないので。そこに住む人がどんどん彩りを加えていって初めて完成すると思うんです。
そうなれる最高の場所を実現できるように素材選びにはこだわりました。」
”ヒュッゲ”とはデンマーク語で「居心地の良い空間」「ほっとする雰囲気」などを意味します。
ただ単に場所を作るという意味ではなく、その場所の中で心穏やかで安らぎがあることが内包されています。
吉田はインテリアを通して、そこに暮らす人々の心の豊かさを想像していました。
土地を最大限生かすために、南西角に集まるように斜めに設計されたファサード。
そこから差し込む光によって照らされる中庭は、柔らかさを感じられるようにアールを模る。
センターに配置された階段は、”階段”そのものの概念を変えるような大胆な設計。
その階段によってゆるく区切られたLDK。リビングとダイニングキッチンは明確に違う場所にあるのに、不思議とつながりを感じられる。
家族の距離感から逆算した荻田の設計。
そこに彩りを加えた、吉田のリネンライクでジャパンディ調のコーディネート。
挽板の床と、ダウンリビングにはカーペット。
夜は自然と脱力できる寝室。緑が自然と視界に入るような地窓。
タイルや白玉砂利がより鮮やかで艶やかなマテリアル感を演出。
暮らしの本質を問いかけるような、建築工房の新たな表現方法を実現したモデルハウスといえるでしょう。
二人は口を揃えてこう言います。
「このモデルハウスのお気に入りの場所は、たくさんありすぎて決めきれないですね。
本気で考え抜いたし、一切妥協していないので。」
「でも、今までの建築工房の家とはなんか違うな、という感想を持ってもらえると嬉しいです。
見てもらって、お気に入りの場所を見つけてもらって。
毎日の暮らしを豊かに送れること、家族の穏やかな時間の流れこそが贅沢なんだってことを感じてもらえたら最高ですね。」
モデルハウスは11月グランドオープン予定。
引き続き建築中の様子や建築工房の思想を発信していきます。
興味がある学生さんは一度お話ししましょう。
