創業以来、1店舗出店するたびに屋号・ブランドやコンセプトを変えて展開する「個店主義」を貫いているのが、都内を中心に7店舗を運営している株式会社いろり千葉です。
各店舗、店長や料理長をはじめ現場の社員にメニュー開発や価格設定、サービス改善などすべての店舗運営を任せるのが同社流。
このように徹底した「個店主義」を掲げる店舗で働くことによって、どのような成長や仕事のやりがい、そして成長ができるのかを探ってみました。
【お話を伺ったのは・・・】
【お話を伺ったのは・・・】
株式会社いろり千葉
長年大手飲食チェーンで営業・事務部長として活躍してきた代表が、2018年に設立。
「いろりのある人生を」という経営理念のもとお客様との距離が近く、日常をより豊かにしてくれる居酒屋業態を軸に、1店舗ごとに屋号やブランド・コンセプトを変えて都内を中心に出店を続けている。現在は7店舗展開(『味噌と鮮魚と純米酒 穂~みのり~』『鮮魚と炭火 櫓~やぐら~』 『こだわり鮮魚とおでんと炭火焼 鱗 ~うろこ~』 『鶏と魚と炭火焼 燈~あかり~』 『鮮魚と炉端と純米酒 かきび』 『こだわり鮮魚と炭焼き地鶏 炉~ひばち~』など)を通じて右肩上がりで売上や顧客単価を高めている。
【インタビューにご協力いただいたみなさん】
●千代拓也さん(真ん中)
株式会社いろり千葉 代表取締役
●赤堀幸さん(右)
「味噌と鮮魚と純米酒 穂~みのり~」店長
●柳澤抄悟さん(左)
「鶏と魚と炭火焼き 燈~あかり~」料理長
7店舗すべて屋号が異なる理由とは?
7店舗すべて屋号が異なる理由とは?
『味噌と鮮魚と純米酒 穂~みのり~』
『鮮魚と炭火 櫓~やぐら~』
『こだわり鮮魚とおでんと炭火焼 鱗 ~うろこ~』
『鶏と魚と炭火焼 燈~あかり~』
『鮮魚と炉端と純米酒 かきび』
『こだわり鮮魚と炭焼き地鶏 炉~ひばち~』
・・・といったように、これまで出店してきた店舗はすべて、違う屋号・ブランドで店舗のコンセプトや特徴も異なります。
なぜこうした「個店主義」を展開するのか?その理由について株式会社いろり千葉の千代代表に聞いてみました。
千代さん
「これまでの7店舗はすべて私の判断で出店しています。出店条件として 『楽しい・やりたいと思えるコンセプト』と『出店環境にマッチしているか?』の2点を重視します。
お客様に楽しいひと時を過ごしてもらうためには、まず自分や働くスタッフが楽しめる店舗でなければならないと考えているので、これまでの居酒屋にはないテーマやコンセプトを常に考えています。
また店舗ごとに屋号・ブランドが異なればその分、店舗間同士でより良いサービスや料理を提供したいという競争意識が芽生えるのも大きなメリットととらえています」
まずは自分たちが楽しい・やりたいと心から思える居酒屋にチャレンジしていくことが、顧客満足度の向上や社員・スタッフの士気向上にもつながっているそうです。
個店主義にこだわる理由とは?
7店舗は単に屋号・ブランド・コンセプトが異なるだけではありません。
実際に店舗を運営していくために必要となる、新メニューの企画開発やサービスの改善、価格設定や売上管理などあらゆる業務に関する裁量権を現場の店長・料理長以下、全スタッフに委ねているのが、同社の掲げる「個店主義」の本質です。
個店主義を大切にする理由について、千代さんに伺ってみました。
千代さん
「自分たちで理想の料理やサービス、店づくりすべてを企画~実現していくほうが絶対の楽しいし、やりがいに感じるし、そして成長につながると確信しています。
実際、今活躍するスタッフは『飲食の仕事が好き!』という強い思いを持つ方ばかり。
情熱を持つ彼らが高いモチベーションで働ける環境を提供することが、結果的にお客様に喜んでもらえる店づくりにつながります」
こうした個店主義を大切にする経営によって、これまで売上や客単価が右肩上がりで上昇しており、どの店舗も平日・週末問わず予約で常に埋まるほどの人気を博しています。
個店主義によって生まれたメリットとは?
個店主義によって生まれたメリットとは?
個店主義によってスタッフのモチベーションが上がり、それによって他の居酒屋にはあまりない、ユニークなメニューやサービスが続々と生まれているそうです。
千代さん
「例えばお刺身の盛り合わせをお客様に提供する際、社員の発案から『このお刺身にはのどぐろが入っています』といった説明をすることで、ふつうのお刺身とは違うワクワク感をお客様に届けることができます。
他にも『車エビ』『ゴマサバ』など特徴のある鮮魚をさりげなくアピールしたり、塩釜で焼いた鳥料理をお客様自らの手で釜を割っていただくことで楽しさを感じるなど、各店舗で様々な取り組みを行っています。
中には樽から日本酒を注いで提供する『日本酒サーバー』の導入をスタッフから聞いた時、とても私にはできない発想に驚きましたが、酸化していないフレッシュなお酒を堪能できるため、お客様には大変好評でした」
実際に働く社員が感じる、個店主義ならではの魅力とは?
実際に働く社員が感じる、個店主義ならではの魅力とは?
個店主義の店舗で実際に活躍している店長・料理長のお二方に、仕事のやりがいや成長について伺ってみました。
◎赤堀幸さん「味噌と鮮魚と純米酒 穂~みのり~」店長
50~60代6名の常連のお客様から「今度来店した時に、メニューやお酒などもすべて赤堀さんにお任せしたい」と頼まれたことがあります。
通常のチェーン店などであれば、あらかじめ決められたコースやメニューの中でやりくりすることになると思いますが、個店主義を掲げる当社の場合、すべて自分たちで自由に決めることができます。
今回の場合もお客様の趣向を参考にしつつ、料理長など他のスタッフとも相談しながらフキノトウなど旬の野菜を使ったおつまみをベースに、一品当たりの量を少なめにして日本酒を堪能できるコースにしました。
その結果、お客様には大変喜んでいただくことができ、その後も定期的に同じような「おまかせ」でご利用いただいています。
こうした経験を通じてメニューの企画開発力や食材に対する豊富な知識が身についたり、スタッフ同士で建設的な意見交換を積み重ねていくためのスキルを高めることができたので、とても成長できたと実感しています。
◎柳澤抄悟さん「鶏と魚と炭火焼き 燈~あかり~」料理長
プライベートで仙台に旅行した際、たまたまセリ鍋を食べたことで「うちで出しているブリしゃぶ鍋にセリとごぼうを入れて、とろろだしにつけて食べたらおいしいのでは?」というアイデアが浮かびました。
実際にお客様から評判も上々で、自分の何気ないアイデアがきっかけで多くのお客様に喜んでもらえたのはうれしかったですね。
また私が今の店の料理長になってから全メニューのブラッシュアップを図ろうと考え、様々なアイデアをメニューに落とし込みました。
例えば刺身の盛り合わせの場合は「まぐろには海苔の佃煮」「真鯛にはごまだれ」など、あらかじめ魚の種類に応じて最適な味付けを施して提供するなど、他にはないようなスタイルにチャレンジ。こちらも好評です。
自分のアイデアをいかんなく発揮できる自由な環境で様々なテーマにチャレンジすることで、料理人として日々成長しているのを実感しています。
また自分の考えて、こだわって調理した料理を目の前のお客様が美味しそうに堪能している様子を見守ることで、やりがいや自信につながっています。
・・・いかがでしたでしょうか?
個店主義ならではの自由な環境で自由にチャレンジすることで、心からお客様にご満足いただける料理やサービスを提供できるやりがいを日々感じながら成長できる魅力を今回、改めて気づくことができました。
