テーマの概要
最近、何かとよく耳にするSDGs。ご存じの方も多いと思いますが、国連が掲げる国際目標で、持続可能な世界を実現するために進むべき道を示した、ナビのようなものです。というと、自分とは関係のない遠い話のように感じられるかもしれませんが、実は私たちの生活のあらゆるところに関係しています。そこで今回、私たちが日々生活をしている「まち」を題材に、SDGsがどう深く関係しているかを知り、誰もが安心して住み続けられる「まちづくり」について考えてみませんか。そこには「生活の質向上」「自然との調和」「環境負荷軽減」「家族・友人・地域間のコミュニティ」など、さまざまな問題が絡んできますが、私たちが直面している社会課題にもきちんと目を向けながら、進むべきまちの未来を一緒に考えてみましょう。
このテーマの学びの魅力とは
その1.自分の「まち」の魅力を再発見できる(かも)
「あなたが住むまちの魅力は何ですか?」と聞かれたら、あなたは何と答えるでしょうか。自分が暮らす「まち」を見つめ直し、「まち」づくりに携わった先人たちの想いを知ることで、いつも目にしている学校や公園が、これまでとは違った風景に見えてくるかもしれません。
その2.「まちづくり」の奥深さや「まちづくり」に重要な視点を磨くことができる
「公園って、なぜあるの?」まちづくりにおける緑化にはどんな効果があるのか?」「学校に大階段を取り入れるのはなぜ?」「同じ形の橋を作らない理由は?」など、建築、土木、造園分野を探求することで、「まちづくり」に必要な要素や重要な視点を身につけることができます。
その3. よりよい社会を実現していくためのSDGsを自分ごと化できる
未来に向けた「まちづくり」を考える上で、重要な視点はSDGsです。そのSDGsと「まちづくり」の密接なつながりを知ることで、よりよい社会を実現していくためのSDGsを自分ごととして捉えることができます。
基礎知識を学ぼう
◆SDGsには17の⽬標があります。そして11番⽬に挙げられているのが、「住み続けられるまちづくりを」という⽬標です。探究テーマになっている「まちづくり」というと地域的な行事や取り組みをイメージされるかもしれませんが、子どもからお年寄り、身障者にとっても住みやすいまちを考えたり、また災害や⼤気汚染、遺産の保護など様々な分野にまたがる目標となります。まさしく今回のテーマに直結する⽬標ともいえますが、「まちづくり」に関わる開発⽬標は他にもたくさんあります。例えば、⼩学校や中学校などを建設する場合、開発⽬標4の「質の⾼い教育をみんなに」が深く関わってきます。このように「まちづくり」に関係するSDGsの開発⽬標について、他にどんなものがあるのかを調べてみましょう。
◆まちづくりを進めるうえで重要な仕事があります。建設という仕事です。建設業界は⼤きく分けて3つの分野があります。⼾建住宅やビル、店舗、室内装飾など⼈が⽣活するための建物をつくる「建築分野」と、道路や橋、電気・ガス・⽔道などのライフライン、トンネル、空港、港湾などをつくる「⼟⽊分野」、個⼈宅の庭から都市公園の整備、⼭の保護まで幅広い領域を担う「緑化造園分野」です。たとえば「緑化造園分野」の場合、園芸だけでなく⼤気の浄化や地球温暖化現象の緩和など、SDGsに結びつく⼤きな役割を担っています。「建築分野」や「⼟⽊分野」に関してもSDGsとどういった関係があるか、ぜひ調べてみてください。(参考文献として、『建設の本』があるので参考にしてください。)
事例をもとに着眼点を探ろう
◆楽しく学べる学校ってなに?<事例カテゴリー:建築>
あなたは、学校にどんなイメージがありますか?SDGsの開発目標の4番目に「質の高い教育をみんなに」があります。ここでは世界にあるいくつかの学校を紹介していますので、「なぜこんなカタチをしているのか?」「なぜこの色が使われているのか?」など、みんなで考察してみてください。また、ここで紹介している以外の学校もぜひ探求してみてください。
※資料:「楽しく学べる学校ってなに?」
◆公園の役割ってなに?<事例カテゴリー:造園>
SDGsの開発目標の15番目「陸の豊かさも守ろう」にも深く関係する造園の仕事は、私たちの生活に美しさだけでなく、ゆとりやうるおい、快適さをもたらしてくれます。ここでは「まちづくり」の大切な要素のひとつ、公園について考えてみましょう。公園は「子供の遊び場」としての役割だけでなく、「人と人とのコミュニケーションの場」「災害時の避難場所」などの役割も担っています。他にもどんな役割を担っているのか、ぜひ考察してみてください。
※資料:「公園の役割ってなに?」
◆インフラ整備ってなに?<事例カテゴリー:土木>
「家」をつくるのも、「まち」という大きなものをつくるのも建設の仕事です。SDGsの開発目標の6番目「安全な水とトイレを世界中に」、7番目「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」などにも深く関係するライフラインの整備や、橋・トンネルなど地図に残る大きな仕事は、どんな職業の人たちによってつくられているのか、ぜひ調べてみてください。
※資料:「インフラ整備ってなに?」
このテーマに取り組んでほしい理由とは
「まちづくり」は、つくって終わりではなく、そこで暮らす人々の営みがあって、初めて価値が生まれます。何十年、何百年かけて人々が創り上げてきた歴史やストーリーを継承しながら、時代の要請に応え、建物やインフラを整備・変えていくことで、地域やコミュティの可能性を引き出し、発展させていくことができます。それこそが「まちづくり」のおもしろさ。その魅力を知ってほしいし、自分たちの住む「まち」の成り立ちや、また私たちの何気ない日常がどんな人たちの努力に支えられているのかも、ぜひ知ってほしいと思います。「まち」は日々変化しています。SDGsの視点から地域の課題や未来について話し合い、今後「まち」がどうあるべきか、それに対して自分は何ができるのかを、考えるきっかけにしてほしいと思います。
修成建設専門学校 建築デジタルデザイン学科/建築CGデザイン学科 科長 辰井菜緒さん
<建築、土木、造園の分野を体験してみよう!>
今回、このテーマを提供してくださったのが、ものづくりをする人を創り(育成)続けて百十余年の修成建設専門学校さん。建築・土木・造園という、建設業界を形づくる3分野すべてを学べる、全国でも数少ない学校のひとつです。建設の専門教育を受けるには、これ以上ない施設と設備を揃え、これまで多くの人材を育成・輩出し、業界の最前線に送り出しています。
学習の流れ
学習を始める前に、「なぜ、このテーマに興味を持ったのか」をグループみんなで話し合ってみましょう。探求を進めていく上で、悩んだり困ったりした時に立ち返ることができる原点になると思います。それが終われば、早速学習を始めましょう。
STEP1:ボードゲームを使って、「SDGs」や「まちの課題」を学ぼう
★ボードゲーム「SDGsタウン物語」は、4人1組のグループでSDGsを約50分で楽しく学べる教材です。どうすればまちのみんなのハッピーをつくることができるのか。どんな職業であればそれを実現できるのか。「SDGs」と「まちづくり」のつながりを、遊びの中で体感してみましょう。
※ボードゲーム「SDGsタウン物語」は、事前に申込みいただければ無料貸出します。
STEP2:SDGsとは?知っている人も知らない人も、そもそもを学んでみましょう
★SDGsは、国連が掲げる国際目標、開発目標が17ある・・・だけでなく、いろんな側面があります。そして私たちの⽣活のあらゆるところに関係しています。よく知っている人も、あまり知らない人にとっても、あらためてSDGsとは?というのを、そもそも論で学んでください。修成建設専門学校の学生が製作した動画をみて、興味ある開発目標やこれから探究する「まちづくり」にどう関係してくるのかをみんなで、話し合ってみましょう。
STEP3:事例を使って、「まちづくり」に必要な要素や⼤切な視点について学ぼう
★「まちづくり」を考えるうえでいろんな事例をみてみましょう。「インフラ整備」「公園の役割」「楽しい学校」「快適な職場」「色彩で心豊かに」「よみがえる建物」「人のつながり」といったキーワードをもと単元をつくり、事例から学びます。全部の単元を学ぶもよし、選択して学ぶ、グループで手分けして学ぶなどみんなで話会って進めていきましょう。
STEP4:私たちの「まち」を調査してみましょう
★みなさんにとって、どんな「まち」がよいのかを考えるために、「まち」の情報(⼈⼝動向・歴史・まちの特徴など)や現在抱える課題などを収集し、整理してみましょう。そして、どんな「まち」が理想なのかをみんなで話あってみましょう。
STEP5:理想の「まち」をどうすれば実現できるか考えてみましょう
★理想の「まち」がイメージできたら、どうすれば実現できるのかを、STEP3.STEP4で学んだ内容をもとに考えてみましょう。未来に向けた「まちづくり」は、SDGsとどのように結びついているかも発表⽤のポスターに⼀緒にまとめてみましょう。
参考文献・URLはこちら
◆STEP1. ボードゲーム「SDGsタウン物語」関連
◆STEP2. SDGsに関する動画
スタート講座動画 (準備中)
◆大野川緑陰道路みらいへつなげるみちプロジェクト
大阪市と修成建設専門学校が連携して行ったプロジェクトです。コンセプトはハニカム(ハチの巣)。ミツバチの巣を模した六角形のオブジェクトをデザイン的に配置し、ミツバチとの共生や、ミツバチが実を結ぶように、地域と様々な人々の絆を結ぶ広場を目指しました。
◆修成建設専門学校 事務局改修プロジェクト
本校の建築学科、空間デザイン学科、ガーデンデザイン学科の学生有志が集まり、手がけたプロジェクトです。完成から25年の時を経て古くなった事務局を、そこで働く職員にとっても、訪れる学生やお客様にとっても過ごしやすく使いやすい空間へと生まれ変わらせました。
◆他