ニュースや新聞などで見るけれど、よくわからないIT に関連するキーワードをピックアップしてご紹介するIT 関連ワードシリーズ。第8 回は、「UGC」についてお話します。
キャリアマップ編集部 文/ライター 西村友香理
インターネットやSNS が浸透したことにより、誰しもが自身のコンテンツ(UGC)を気軽に公開できるようになりました。 ”一億総クリエイター時代 ”に突入している中で、UGCは私たちの生活にも深く関連しています。アライドアーキテクツ社が提供する運用型UGCソリューション「Letro(レトロ)」の調べでは、商品を購入する際に64.6%のユーザーがUGC を信頼するという結果が出ました。(出典:生活者の64.6%が購買行動においてUGCを信頼、購入の意思決定に最も影響を与えるコンテンツ形式は、「テキスト」)
現代を生きる私たちにとって、切っても切り離せない存在となっているUGC。今回はUGC の歴史を振り返るとともに、これからチェックしておきたい技術トレンドについて紹介します。
キャリアマップ編集部 文/ライター 西村友香理
インターネットやSNS が浸透したことにより、誰しもが自身のコンテンツ(UGC)を気軽に公開できるようになりました。 ”一億総クリエイター時代 ”に突入している中で、UGCは私たちの生活にも深く関連しています。アライドアーキテクツ社が提供する運用型UGCソリューション「Letro(レトロ)」の調べでは、商品を購入する際に64.6%のユーザーがUGC を信頼するという結果が出ました。(出典:生活者の64.6%が購買行動においてUGCを信頼、購入の意思決定に最も影響を与えるコンテンツ形式は、「テキスト」)
現代を生きる私たちにとって、切っても切り離せない存在となっているUGC。今回はUGC の歴史を振り返るとともに、これからチェックしておきたい技術トレンドについて紹介します。
インターネットと共に発展してきたUGC
UGC とは「User Generated Contents」の略で、「ユーザーが制作したコンテンツ」を意味するワードです。とはいえ、UGC に関して明確な定義はされておらず「ホームページやブログも含まれる」「SNS に投稿されたものに限定する」などのように解釈は人によって異なります。本稿では、インターネットを介してユーザーが投稿した口コミやテキスト、画像、動画といった全てのコンテンツをUGC だと定義して解説します。
UGC の歴史について説明する前に、まずはインターネットの歴史を簡単に振り返ってみましょう。日本でインターネットが普及し始めたのは、1995 年だと言われています。同年にMicrosoft 社がWindows95 を発売したことをきっかけに、それまでは一部の有識者のみが利用していたインターネットが、日本の一般家庭にも広がり始めました。
出典:総務省HP「第1部特集進化するデジタル経済とその先にあるSociety 5.0」
1996 年に「ホームページ・ビルダー」などのホームページを簡単に作成できるツールが発売されたことをきっかけに、UGC の歴史がスタートします。
翌年以降には「あめぞう」や「2 ちゃんねる」といった掲示板が誕生し、2000 年代前半からはブログが流行。「ライブドアブログ」や「アメーバブログ」、「FC2 ブログ」などのサービスが誕生しました。2005 年のユーキャン新語・流行語大賞に「ブログ」が選ばれたり、ブログを元にしたドラマが制作されたりと、当時からUGC は社会に大きな影響を与えていたと言えるでしょう。
同時期に「ソーシャル・ネットワーキングサービスmixi」や「GREE」といったSNS も登場し、2006 年には「ニコニコ動画」がスタート。翌年に「YouTube」、2008 年には「Twitter」や「Facebook」、2010 年に「Instagram」の日本語版がリリースされました。
その後もスマートフォンの普及が追い風となってSNS が爆発的に広がり、「SHOWROOM」や「TikTok」など、国内外で多くのサービスが誕生したのです。
SNS の登場や技術の進化によって、UGC が細分化
SNS の登場は、UGC にとって大きな転換点となりました。ホームページやブログは、ユーザーがゼロからコンテンツを生み出す必要があり、公開するまでに多くの時間を必要とします。一方で、SNS は短文のみで投稿できるものも多く、制作にかかる時間も短いというのが特徴です。結果として、コンテンツの制作にかかる時間と消費するスピードが逆転。需要と供給のバランスが変わり、UGC は加速度的に増えていきました。
変化があったのは ”量”だけではありません。当初のUGC はテキストのみでしたが、動画や写真などをSNS に投稿できるようになったことで、コンテンツにバラエティーが生まれてきたのです。
さらに言及すると、UGC がより注目されるきっかけを作ったのはYouTube だと言われています。それまでのSNS は友人間の交流を軸としていて、相互コミュニケーションをとることが主な目的でした。しかし、YouTube やTwitter 以降のSNS は相互フォローが必要なく、一方的にコンテンツを公開し、閲覧することが可能です。消費するユーザー側からしても、相手に認証してもらう必要がなく、手軽にコンテンツを楽しめるようになりました。SNS 出身のクリエイターも多く誕生するようになり、UGC の在り方が変化していったのです。
また、Twitter などに投稿する診断を作成できる「診断メーカー」など、UGC を生み出すためのサービスが登場したことで、コンテンツのクオリティにも変化がありました。一定の品質が担保されたコンテンツを簡単に制作できるようになり、ユーザーのオリジナルではないUGC が大量に発生し始めたのです。
では、2022年に入ってから話題を呼んでいる「画像生成AI」にも触れておきましょう。画像生成AI とは、テキストを入力するだけでクオリティの高い絵を制作してくれるサービスです。AI によって制作されたものをUGC に含めるかどうかについては議論が必要であり、著作権の有無についてなど、これから解決していかなくてはいけない問題もあります。
一方でメリットもあり、こういった技術は私たちの生活を豊かにする可能性もあるのです。これまでは、アイデアを持っていたとしても、クオリティの高いコンテンツを制作するためには特殊なスキルが必要でした。しかし今後はツールを活用することによって、スキルがなくともコンテンツを制作できるようになるかもしれません。技術の進化に伴い、UGC の幅が一層広がっていくと考えられます。
今後は「音声コンテンツ」「メタバース」に要注目
今後はどのようなUGC が生まれていく可能性があるのでしょうか。IT業界の有識者や投資家の中には「”音声”が盛り上がるだろう」という意見が根強くあるのだそう。音声は作業をしながら聞くことができるため、日々多くのタスクを抱えている現代人とは相性がいいコンテンツだと言われています。
音声SNS といえば、代表格ともいえる「Clubhouse」が、2021 年に国内でリリースされた途端に爆発的な人気となり、連日大きな話題を呼んだのも記憶に新しいところ。TwitterやFacebook では、同様のサービスとして「Spaces」や「Live Audio Rooms」といった音声ライブを配信できる機能が追加されました。また、音声データの配信アプリ「Podcast」では、著名人だけでなく一般のユーザーが制作している番組を楽しむこともできます。
「音声コンテンツのブームは終了したのではないか?」という意見もあるかもしれません。しかし、大手SNS が音声配信機能を提供している現状を踏まえると、これからも音声コンテンツは増えていく可能性があると考えられます。UGC をチェックする上で、”音声”は一つのキーワードだとも言えるでしょう。
また、UGC について考える上で欠かせないのが「メタバース」です。SNS がここまで発展してきた事例を見てもわかる通り、メタバースを社会に浸透させるためには、UGC による経済圏を形成することが重要だと考えられています。国内の動向に目を向けてみると、メタバースプラットフォーム「cluster」を開発・提供しているクラスター社は、UGC を活用したバーチャル経済圏の確立を目指しており、2022 年9 月にユーザーが制作したアイテムを売買できる機能「ワールドクラフトストア」をリリース。2022 年10 月には、大規模アップデートの発表も予定しています。
2022 年7 月にメタ社(旧Facebook 社)が注力しているメタバース事業で、第2 四半期に約28 億ドルの損失を計上したことが発表され、メタバースの成長性に疑問の声が上がっているのも事実です。一方で市場予測では、メタバースは今後も国内外で大きく伸びるだろうと考えられています。メタバースの発展にはUGC が大きく関係するため、今後も市場の動向をチェックしておくといいでしょう。
UGC は、あなたの未来にも深く関わっている
技術は秒進分歩で進化しています。エンジニアリングの知識がなくとも、ノーコードでアプリなどを開発できるツールも増えており、今後もさまざまなサービスが誕生していくでしょう。新たなサービスが生まれるごとにUGC は変化し、これまでできなかったことができるようになっていくはずです。いいことばかりではないかもしれませんが、UGC はインターネットを利用している全ての人に関係があるものであり、正しく活用すれば、より良い社会の実現に貢献してくれるものだとも言えるでしょう。新たな職業が誕生するきっかけにもなり得るため、エンジニアを目指している学生の皆さんはもちろん、キャリアプランが定まっていない方も、学ぶ時間がたっぷりとある今のうちにUGC に関する知識を身につけておくことをおすすめします。